八街市で起きた交通事故について:国、県、市、それぞれの動き(2021年8月23日情報)

2021年6月28日、千葉県八街市で小学生の列にトラックが突っ込んで児童5人が死傷した事故が起きました。現場となった道路は歩道がないにもかかわらず、日常的にスピードを出すトラックが走っていて「危ない」と指摘されていた道路でもありました。危険視されている道路について、行政にできることは無いかという視点で行政の動きをまとめます。


【県の動き】千葉県知事のフェイスブックコメント

千葉県八街市で起きた、子どもたちが巻き込まれた交通事故について、千葉県・熊谷知事が国へ「悲惨な交通事故根絶に向けた要望」を提出したことをフェイスブックで発表しました。

千葉県では事故発生を受けて、県として緊急対策を行っていますが、根本的な課題解決には国レベルでの対策強化が不可欠、との考えを示しています。

【国の動き】菅首相が事故現場を視察。歩道設置に国が全面協力することを表明

今回の事故を受けて、菅総理大臣が事故現場を視察しました。

そして、視察後の会見で八街市の北村市長から、「歩道を作りたいという要請を受けた」ことを明らかに市、「政府としては早速、そうした歩道の設置について、政府が全面協力するので早くやってほしいということを申し上げた。」と表明しました。

総理自らの現場の視察と会見があったことで、この事故への社会的な注目はより高まっています。

全国の通学路の安全確保、子どもたちの命を守る対策が各自治体、国に求められています。

▼参考URL:首相官邸|千葉県八街市の交通事故現場視察(外部サイト)

▼参考URL:首相官邸|千葉県八街市の交通事故現場視察等についての会見(外部サイト)

【国の動き】交通安全対策に関する関係閣僚会議

菅総理は、視察の前日である6月30日に「交通安全対策に関する関係閣僚会議」でも、今回の事故に言及し、「子供や高齢運転者の交通安全のための緊急対策は、今回の事故の発生を受け、速やかに検証を行うこと」を表明しています。

犠牲者が出てしまってからのスピード感のある総理大臣など国の動きには、もう少し早く対策してくれたら、というやるせない思いも拭えませんが、国による全国規模での対策の徹底の呼びかけによって、別の地域にでも二度と同じような悲しい事故が起きないような社会になることが望まれます。

▼参考URL:首相官邸|交通安全対策に関する関係閣僚会議(外部サイト)


【国の動き】通行に危険を感じる道路の通報窓口:国土交通省「道の相談室」

通行に危険を感じる道路について相談したい場合には、国土交通省の「道の相談室」に相談する方法があります。

また、緊急の場合については、警察庁総合相談電話番号 全国共通の短縮ダイヤル「#9110」に相談することができます。

道の相談室では、たらい回しが発生しないよう、一度の相談で問題が解決するように「ワンストップサービス」が掲げられており、国道、県道、一般道などの道の管轄を問わず、国土交通省、地方自治体、高速道路会社等の道路管理者が密接な連携を取っている仕組みになっています。

▼参考URL:国土交通省|道の相談室/(外部サイト)

▼参考URL:国土交通省|ご意見・質問:交通安全対策(外部サイト)

【市の動き】「ガードレール設置要望」が出ていた場所で起きた八街市の事故

今回、交通事故が発生した千葉県八街市の現場では、2008年から2011年にかけて、被害児童たちが通う八街市朝陽小学校のPTAと八街北中学校のPTAによって連名で「ガードレール設置要望」が市に提出されていたことが明らかになっています。

現場となった道路は八街市が管轄する市道です。以前から交通量が多く危険性が指摘されていたのですが、幹線道路ではなく、交通量も比較的少なかったため、他の道路が優先されて整備が後回しになり、何らかの対策の見通しも立っていなっていたようです。

この道路にはガードレールはもちろん、路側帯を示す白線もありませんでした。

【市の動き】八街市長も「5年前から危険性は認識」していたことを明らかにしている

八街市の北村市長の説明によると、ガードレールの設置について「財源が限られた中で、大変申し訳ないが十分な措置ができなかった」ようです。

八街市は今後、市内の小学校などの通学路の危険箇所を見直し、速度規制を県警に要望することを表明しました。また、ガードレールの早期設置は難しいため、車道外側に白線を引くなどの対策も進めるようです。

また、八街市教育委員会教育長は、市教委が2016年度から、「事故現場を道路の狭さなどから危険と認識していた」とも説明しています。対応策として、看板の設置などはしたが、ガードレールの設置まで至らなかったということです。

▼参考URL:JIJI.COM|財源不足、と八街市長。5年前から危険性は認識。(外部サイト)

▼参考URL:JIJI.COM|7年前にガードレール設置要望が出されていた事故現場(外部サイト)

【市の動き】八街市では「交通死亡事故多発警報」が発令

今回の事故を受けて、八街市を管轄する千葉県の「佐倉警察署」の管内では2021年6月29日から2021年7月8日までの期間、「交通死亡事故多発警報」が発令されたということです。

この警報を受けて、警察では取締りが強化されますが、八街市としては事故防止街頭啓発など、「交通死亡事故抑止の緊急対策」を実施するそうです。


▼参考URL:八街市|交通死亡事故多発警報が発令されました
https://www.city.yachimata.lg.jp/soshiki/8/17736.html

八街市交通安全対策会議委員の公募が始まりました

今回の事故を受けての市の動きではありませんが、八街市では事故直後の7月1日から、「交通安全対策会議」の委員の住民公募が始まっています。

八街市では2021年度からの5年間を計画期間として、八街市の交通安全の基本的な方針となる「八街市交通安全計画」を策定する予定であり、広く意見を求めるために2名程度公募をするそうです。

委員の選考は、申込書やレポートといった応募書類の審査で行われ、「応募の動機など」「問題意識の高さ」「独創性」「建設的な意見」「目標」の各項目を5段階で採点、決定するようです。

今回の事故のことも当然反映される会議となりますので、道路行政に関わり、通学路の安全性を徹底的にチェックしようという目標のある方の参加などが求められることになりそうです。

▼参考URL:八街市|八街市交通安全対策会議委員の公募の詳細(外部サイト)

まとめ

このページでは、千葉県八街市で発生した飲酒運転疑いのある運転手が運転するトラックが小学生の列に突っ込み、小学生5名が死傷した傷ましい交通事故について、市の動き、県の動き、そして国の動きについてまとめました。

今回のように、首相自ら事故現場の視察に赴き、全国の通学路の点検を呼びかけたという対応は珍しいことであり、それだけこの危険な通学路の問題が全国に共通する緊急の課題だということが国レベルで認識されたということかもしれません。

子どもたちが犠牲になる前に、対策を取ることはできなかったのか悔やまれてなりませんが、市、県、国という行政がこのように一体となってメッセージを発信することで、これ以上同じことが起きないよう、それぞれの地域で意識し目を配る住民、行政が増えることを願います。

また、交通安全対策について、今後行政がどのような対策を取るのか、公務員総研としては、公務員の仕事という視点でも注目したいと思います。

本記事は、2021年8月23日時点調査または公開された情報です。
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