【うれしい謎!!新型コロナ激減】改めて振り返る2020年度(令和2年度)の国籍別入国者まとめ(2021年10月記事)

新型コロナウイルスについて、海外からの変異株の脅威に揺れ、緊急事態宣言発令となった2021年ですが、10月になって急減、原因はわからずとされています。

増えた際は、変異株の感染者が急増しているインドからの直行便を止めるなど「水際対策」を強化べきとの議論も起きていました。

今回は、あらためて、コロナ第6波にも備え、水際対策と、2020年の海外国籍別入国者のまとめてみました。


令和2年度 国籍・地域別新規入国者の推移について

日本への入国者や出国者の状況は、法務省の外局である「出入国在留管理庁」によって、管理されています。

令和2年(2020年)の入国者の状況について、出入国在留管理庁の資料をもとに、振り返ります。

国籍・地域別(上位10か国・地域) 新規入国者数の推移
出典)出入国在留管理庁|報道発表資料:令和2年における外国人入国者数及び日本人出国者数等について
国籍・地域別(上位10か国・地域) 新規入国者数の推移
出典)出入国在留管理庁|報道発表資料:令和2年における外国人入国者数及び日本人出国者数等について

出入国在留管理庁について

「出入国在留管理庁」は、「出入国管理及び難民認定法」(いわゆる入管法)に基づいて、日本に入国する、または日本から出国するすべての人の出入国と、日本に在留する外国人の在留を公正に管理することや、難民の認定手続を行うことを主な業務としている行政機関です。

2019年(平成31年)4月に、それまで法務省の内部部局だった入国管理局が庁に昇格した形で、「出入国在留管理庁」が、法務省の外局として設立されました。

「出入国在留管理庁」では、入国管理局が担当してきた業務に加えて、外国人の受入れ環境整備に関する企画や立案、総合調整なども行われています。

▼参考URL:出入国在留管理庁|採用案内(外部サイト)

2020年10月に急増した新規入国者

出入国在留管理庁によると、新型コロナウイルス感染症の世界的な流行と、日本での緊急事態宣言発令(2020年4月)に伴って、2020年1月には約230万人いた新規入国者が、5月には165人にまで減少しました。

しかし、緊急事態宣言の解除後は徐々に入国者の数が回復していき、2020年10月には約2万人、11月には約5万人まで増加しました。

2020年10月の新規入国者2万人 最も多かった国籍はベトナム国籍

新規入国者が再び大きく増加した2020年10月ですが、国籍別に新規入国者の人数をみると、1位はベトナムで約5千人、2位は中国で約2千人、3位はタイで約1.3千人でした。

2020年11月の新規入国者5万人 最も多かった国籍は中国国籍

さらに新規入国者が右肩上がりに急増した2020年11月については、中国籍の新規入国者が約1.6万人にまで増えており、ついでベトナム国籍が1.4万人、3番目に多かったのが、約2千人の韓国国籍でした。

2020年11月には、空港検疫の陽性者も増加。日本では“第3波“の到来へ。

新規入国者が増えた2020年11月には、空港検疫での陽性者が過去最高の354名を記録し、12月にはさらに360名にまで増加しました。


当然のことではありますが、入国者が増えると、空港検疫での陽性者も増えるようです。

空港検疫での陽性者の国籍内訳

(令和2年3月)日本国籍60名、外国籍6名。合計66名。
(令和2年4月)日本国籍68名、外国籍12名。合計80名。
(令和2年5月)日本国籍19名、外国籍26名。合計45名。
(令和2年6月)日本国籍31名、外国籍93名。合計124名。
(令和2年7月)日本国籍58名、外国籍219名。合計277名。
(令和2年8月)日本国籍77名、外国籍120名。合計197名。
(令和2年9月)日本国籍69名、外国籍104名。合計173名。
(令和2年10月)日本国籍75名、外国籍142名。合計217名。
(令和2年11月)日本国籍128名、外国籍226名。合計354名。
(令和2年12月)日本国籍170名、外国籍190名。合計360名。
(令和3年1月)日本国籍59名、外国籍190名。合計249名。
(令和3年2月)日本国籍28名、外国籍46名。合計74名。
(令和3年3月)日本国籍66名、外国籍106名。合計172名。
(令和3年4月)日本国籍77名、外国籍215名。合計292名。

▼参考URL:厚生労働省|新型コロナウイルス感染症の現在の状況と厚生労働省の対応について(令和3年5月14日版)(外部サイト)

しかし、国籍が分かっているのは、陽性者全体の2割程度

しかし、厚生労働省が公表している「新型コロナウイルス感染症の国内発生動向(速報値)」によると、2021年5月12日の時点で、陽性者約64万人のうち、日本国籍が確認されている人は 113,916名、 外国籍が確認されている人は 5,100名で、残りの52万人ほどの国籍については不明のようです。

空港検疫では公表されている国籍の情報ですが、国内での感染者については、国籍が不明のケースが圧倒的に多いということがわかります。

これは、感染者の国籍については、都道府県ごとの方針で調査されていますが、調査を実施しなかったり、公表しなかったりする自治体も多く、国籍不明のケースが多いことが原因です。

そのため、「入国者が増えたから、外国籍の感染者が増えた」と断定するにはデータが足りない状態です。このデータで確実に言えることは、「入国者が増えたタイミングで、国内の感染者も増えていた」ということのみです。

▼参考URL:厚生労働省|新型コロナウイルス感染症の国内発生動向(速報値)(外部サイト)

水際対策は十分なのか?知事会から政府へ要請した旨を千葉県知事が発信

このように、2020年10月以降の感染拡大が、新規入国者の増加と重なっていることから、因果関係はデータの不足で確定できないにせよ、可能性として、「入国者の増加と感染者の増加の疑い」は消えません。そのため、水際対策の重要性が求められています。

千葉県知事の発信によると、知事会から政府へ、水際対策として空港検疫の強化を求める提言が出されています。

▼参考URL:千葉県知事 熊谷俊人 公式Twitter

全国知事会の提言の内容「水際対策」について

全国知事会の提言のうち、水際対策についての内容は下記の通りです。

世界各国での変異株の確認等を踏まえ、特に、インドなど新型コロナウイルス変異株流行国・地域からの入国については、より強い制限措置等を断行するとともに、その他の国・地域を対象とする水際対策については、当面継続し、緩和の時期は慎重に判断すること。また、現在、全ての入国者・帰国者については、国が設置した「入国者健康確認センター」において健康フォローアップ及び自宅待機の確認を行うこととなっており、都道府県の負担が軽減したところであるが、健康観察期間中に入国者等が所在不明となることのないよう、所在や連絡先の把握など引き続き水際対策の強化に取り組むこと

出典
令和3年5月10日 「新型コロナウイルス感染症緊急事態宣言の区域変更・期間延長等を受けた緊急提言」の取りまとめについて

「全国知事会」については以下の記事をご参照ください。

》新型コロナで「全国知事会宣言」を出した「全国知事会」について

全国の都道府県知事による組織「全国知事会」についてご紹介します。新型コロナウイルス感染症対策では、オンラインでの「全国知事会合」が開かれ、不要不急の外出自粛を全国的に求める「全国知事会宣言」を公表しました。

まとめ

このページでは、新型コロナウイルス感染症の感染拡大が始まった2020年の感染者の国籍や、空港検疫の状況、そして水際対策強化の必要性についてまとめました。

2020年10月頃から再び増加した感染者について、ちょうど新規入国者が増えた時期と重なったために、入国者からの感染者が多いのではないかと言う仮説がありますが、実際には国籍が分かっている感染者が一部に過ぎないため、この仮説は正しいのか、間違っているのかの判断がつかない状態です。


いずれにせよ、空港検疫の状況を見ると、2021年5月時点でインドなどからの帰国者に陽性者が多いこともあり、水際対策の強化が求められています。そして、千葉県知事をはじめ、全国知事会から政府へ、水際対策の強化も含めた新型コロナウイルスの全国的な対策について、提言が出さされていることもご紹介しました。

本記事は、2021年11月4日時点調査または公開された情報です。
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