マックス・ウェーバーとは?
マックス・ウェーバーとは、19世紀から20世紀にかけて活躍したドイツの社会学者、経済学者です。
西洋資本主義と宗教との関係を明らかにした著書『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』が最も有名でしょう。
ウェーバーは政治において、どのように権力は行使されるかを考えました。そして、権力を行使し続けている状態である支配には3つの種類があると主張します。
マックス・ウェーバーの支配の正当(統)性の3種類とは?
権力者が支配する方法として、力でねじ伏せる暴力があります。ただし、暴力で支配したとしても、安定して権力を行使し続けることはできません。そこで、人々が自発的に権力に服従することが必要となります。これが次に述べる「支配の正当性3種類」になります。
1)伝統的正当性とは?
伝統的正当性では「伝統によって与えられた品位」に対して服従します。具体的な例でいうと「家父長制」がイメージしやいすいでしょう。一昔前までは、家長となる父親が家で一番偉い存在でした。多くの人はなぜ家長に従わないのか考えてはいなかったと思います。昔からの慣習としてなりたっていたからです。他にも、優秀な社員がいるにもかかわらず、自分の子どもに会社を継がせる「世襲制」も伝統的正当性の支配と言えます。
2)カリスマ的正当性とは?
カリスマ的正当性は「支配者の資質」に対して服従します。歴史を振り返ると、雄弁のカリスマであるヒトラーや、軍事のカリスマであるナポレオン、預言のカリスマであるイエス=キリストなどが多くの人々を支配してきました。カリスマ性を備えた人間の指導力・英雄的行為から生まれる支配です。
3)合法的正当性とは?
合法的正当性は「法」に対して服従します。この法は、被験者が自ら選んだ代表者によって構成された議会で定められたものになります。中でも規則によって職務の内容や責任が細分化されている官僚制は、合法的正当性の最も典型的な例です。
まとめ
マックス・ウェーバーの「支配の正当(統)性の3種類」には、伝統によって与えられた品位で支配する「伝統的正当性」、権力者の資質で支配する「カリスマ的正当性」、議会が定めた法によって支配する「合法的正当性」があります。かつて日本には、この3つの類型を全て掌握していた人物がいます。それは、明治天皇です。明治天皇は、「万世一系(伝統)」「神(カリスマ)」「大日本帝国憲法(合法)」で支配の正当性を得ていました。明治天皇に大きな権力をもたせたことにより、バラバラの国(藩)があった日本が一つになり、近代国家へと成長させることができたと言えそうですね。
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