日本の立法システム国会シリーズ第7回目は、「国会審議の問題点」について説明します。
日本の「国会審議の問題点」とは?
今回は、日本の「国会審議」の問題点について説明していきます。
現在の「国会審議」にはどのような問題が挙げられているのでしょうか?以下で「議員立法が少ない」「強い党議拘束」「非民主的運営」の三点について解説します。
日本の「国会審議」の問題点その1 「議員立法」が少ない
日本の「国会審議」の問題点のひとつ目として挙げられるのは「議員立法」が少ないことです。
「議員立法」とは、「国会議員」によって法律案が発議され、成立した法律のことです。
本来「立法」は憲法で「国の唯一の立法機関」と規定されている「国会」で行うものですが、日本では「内閣」で法律案を作成し「国会」に提出するという「内閣立法」が中心となっています。
今後、「議員立法」を増やし、「国会」の主体性を高めることが課題になっています。
日本の「国会審議」の問題点その2 強い党議拘束
日本の「国会審議」の問題点のふたつ目として挙げられるのは、「党議拘束」が強いことです。
「党議拘束」とは、「政党」が所属する「議員」の行動を「党議(その党における決議)」によって拘束することです。
「国会」で審議される案件について、賛成するか反対するかを「政党」内であらかじめ決めておき、「政党」に所属する「議員」の表決を拘束します。
通常、「国会議員」は特定の「政党」に所属して活動するので、たとえ「議員」個人の意見として案件に賛成だったとしても「政党」全体の決議として反対することになっていれば、「議員」は反対の表決を行うことになります。
このような「党議拘束」は「議院内閣制」を採る国では強いという傾向がありますが、日本の「政党」は特に「党議拘束」が極めて強くなっています。
「党議拘束」のメリットとしては、「国会」の運営がスムーズに進む点や、特定の団体が「議員」個人に利害や圧力をちらつかせて影響を与えるといった行為が起こりにくくなるという点があります。逆にデメリットとして「国会」での審議そのものが形骸化してしまったり、「議員」個人に投票した国民の民意が政治に反映されにくくなってしまうという問題があります。
日本の「国会審議」の問題点その3 非民主的運営
日本の「国会審議」の問題点のみっつ目として挙げられるのは、非民主的な運営が行われている点です。
非民主的な運営の例としては「強行採決」があります。「強行採決」とは「国会」において与野党の合意が取れず少数派が審議の継続を求めているにもかかわらず、多数派が一方的に審議を打ち切り、委員長や議長の職権の下に採決を行うことです。
「国会」における採決のほとんどは「全会一致」によって採決されています。しかし、一部の党が強行に反対し、合意に至らない場合もあります。そのような時に時間切れで否決となることを防ぐため、多数派の党の賛成のみで採決とすることがあります。
審議を経た多数決での採決であるとはいえ、少数派側としては十分な審議が尽くされていないと判断する場合もあり、そのようなときに「強行採決」であるとして批判されます。
まとめ
以上、日本の立法システム国会シリーズ第7回目は、「国会審議の問題点」について説明しました。
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