諸外国の政治体制シリーズ 第4回

中国の政治体制

日本のおとなりの国、中華人民共和国(中国)は、中国共産党が支配する社会主義共和制国家です。今回はそんな中国の政治体制について解説します。


中国の政治体制

中国の人口は約14億人で世界一、国土面積は日本の約26倍もある約960万km2で世界第3位です。そんな巨大な中国の国政に関する全ての権限は、議会(全国人民代表大会)に集中し、このように全ての権限が議会に集中する政治体制を「民主集中制」といいます。

全人代の代表は間接選挙で選ばれますが、国民が投票できるのは限られた区間だけなので、国家運営の事柄に国民の意思はほとんど反映されません。また中国には、共産党以外にも8つの政党が存在しますが、どの政党も中国共産党の指示に従うよう憲法で定められているため、政権交代も起こりません。そのため全国人民代表大会(全人代)の権限は中国共産党が握っていて、事実上中国共産党の一党独裁で政治が行われています。

中国共産党大会

中国共産党の組織はピラミッドのような構造で、そのピラミッドの頂点にリーダーである総書記がいます。総書記は国家主席を兼任し、さらに国家主席は軍の最高司令官でもあるため、総書記は政治的に対して大きな力を持っています。

総書記は、5年に1度開催される、中国共産党全国代表大会(共産党大会)で選ばれます。共産党大会は代表制をとっていて、まず中国全国民の約6%に当たる、全中国共産党員9000万人の中から、党大会代表が2300人ほど選ばれます。そしてその中から376人の中央委員と中央委員候補が選ばれ、さらにその中の25人が、政治局委員として選ばれます。その中からさらにチャイナ7と呼ばれる、政治局乗務委員7人が選ばれます。この7人が中国の最高指導部で、総書記もこの7人の中から選ばれます。

この共産党大会は、中国政治の最重要事項を決定する会議ですが、5年に1度しか開催されないため、国家運営に関しての細かい事柄については、年に1回開催される選ばれた中央委員のみが参加する「中央委員会」で議論されます。

まとめ

中国では、中国共産党のトップである総書記が、国のトップの国家主席でもあり、国家主席は、軍の最高司令官でもあるため、中国共産党総書記は、アメリカの大統領に匹敵する巨大な権力を持って、国を統治していると言えるでしょう。中国共産党党員は、特別な存在と位置づけされ、共産党の政策や意思は如実に国政に反映され、一党独裁的なシステムで政治が行われているのです。

本記事は、2022年6月21日時点調査または公開された情報です。
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