空港までの主要交通機関
公共交通機関があまり発達していないアリゾナ州は、完全な車社会です。高速道路が発達しているので、通勤ラッシュの時間を除けば、車で自宅からフェニックス・スカイハーバー国際空港まで大体30分くらいで到着します。
しかし車以外の公共交通機関で空港に行くオプションは考えられません。なぜなら住宅地からバス停まで徒歩で約20分、そして1時間に2〜3本しかないバスを数回乗り継ぎ、飛行機に間に合うように空港に向かうには、多分4時間くらいかかってしまうからです。
そのため以前は、乗合のシャトルバスを事前に電話予約して、自宅やホテルから空港まで送迎してもらうのが主流でした。しかし現在は、Uber(ウーバー)やLyft(リフト)を利用して空港に行く人がほとんどです。
UberやLyftとは
UberとLyft、どちらもスマホにアプリをインストールして使用する配車サービスです。世界中で使用できるUberは、配車以外にもレストラン予約やデリバリーなどにも利用できますが、Lyftはアメリカ国内、配車のみのサービスをしています。
どちらの場合もアプリで行き先を設定すると、近隣のドライバーの顔写真や名前、車の種類やナンバープレート、料金などがスマホ画面に掲載され、乗車したい車を選ぶと、大体3〜10分くらいで配車されます。
UberやLyftのドライバーは個人の車を利用しているので、大勢の人が配車待ちしている空港などでは、自分が手配した車を発見するのに手間取る場合もあります。しかしアプリを通してドライバーと直接電話で通話することもできるので、混雑した外出先でピックアップしてもらう時など、大変役に立ちます。
価格的にはUber よりLyftの方が多少安いような気がしますが、Lyftはサービスフィーが後で料金に加算されるので、場合によってはフィーのないUberの方が安くなることもあります。しかしタクシーと比べると、どちらも断然安く便利なので、近頃ではタクシーが走っている姿をほとんど見かけなくなりました。
またUber やLyft利用の際は、ドライバーのレビューをチェックすることがとても肝心です。ドライバーの運転や接客の態度以外にも、運転手の体臭(日本人には想像できないほど強烈な体臭の人が結構な頻度でいます)や車内の清潔度などもレビュー評価の対象になるので、快適な乗車のためにもレビューチェックは必須です。
▼参考URL:https://www.lyft.com/
今年のアメリカ国内移動は大混雑
2020年はパンデミックのため旅行を控えていた人達も、今年はワクチン接種後の安心感からか、サンクスギビング休暇(大体11月21日から28日)を使って旅行する人達で空港内は大混雑、空港に向かう車は大渋滞でした。
毎年この期間中は空港利用者が増大し、航空各社や空港内の飲食店やギフトショップは、大幅黒字を期待します。運輸保安局 (TSA)の発表によると、今年のサンクスギビング休暇が終わる11月26、27、28日の週末3日間に見込まれている空港利用者数は2000万人に及ぶのではないかと言われていて、空港内ではホリデーシーズンの急激な需要増加を見込んで、人員確保に奔走していました。
レストランやギフトショップでは、年末にかけてこの期間働いてくれる人にはボーナスを支給し、通常の3倍の時給を支払うところもあります。航空会社によっては、パイロットや客室乗務員の給料を1.5倍にすると発表したところもありました。しかしそこまでしても人手不足は解消されず、現在も急激な需要に全く追いついていない状況です。
この人手不足の理由の一つに、労働者の気持ちがあげられます。パンデミックが始まった2020年の3月、アメリカ全土でオフィスやリモートワークのできない、サービス業に携わる、特に時間給で働く労働者のほとんどが、会社から何の保証もなく解雇されました。それが1年以上経った今、急にまた会社の都合で人員が必要になったからと再雇用を提案され、いくら給料が増えたとしても気持ち的に追いつかない人が多く、すぐに復職する人は、かなり少ないようです。
またコロナ禍の中でも解雇を免れた空港内労働者も、人員不足で過重労働のため退職する人が増え、さらに人手不足に陥るという悪循環が起きています。そのため労働状況改善のための大規模なストライキがアメリカ全土の空港内で多数起こっていて、私が空港に行った11月22日も飲食店のストライキがあり、気軽に飲食できる空港内のカフェテリアがほとんど閉まっていて、飛行機に乗る前に軽食を取ることができずガッカリでした。
現地の様子
まとめ
ワクチン接種を終えた安心感もあるのか、今年の国内移動は大混雑の大混乱です。急激な需要増加のための人員不足など、深刻な問題も浮き彫りになりましたが、スマホアプリを利用した配車サービスの出現など、コロナ禍の影響で今後アメリカがどのように変わっていくのか、楽しみでもあります。
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