「エクアドル共和国」ってどんな国?
「エクアドル共和国」の正式名称はスペイン語で「República del Ecuador(リパブリカ・デル・エクアドール)」であり、通称は「Ecuador」です。英語の公式表記は「Republic of Ecuador」で、通称は「Ecuador」です。
日本語の正式表記は「エクアドル共和国」で、通称「エクアドル」、漢字による当て字は「厄瓜多」です。
「エクアドル共和国」の国名の由来は、スペイン語で赤道のことを「エクアドール」と呼ぶことからきています。
面積・場所について
「エクアドル共和国」の国土の広さは、約26万平方キロメートルで、「日本」の本州と九州を合わせた程度の大きさです。
「エクアドル共和国」の場所は、南アメリカ西部にあり、西側は太平洋に面しています。その国境は、北が「コロンビア」、東と南が「ペルー」と接しています。
また、「ガラパゴス諸島」も、「エクアドル共和国」の一部です。
都市について
「エクアドル共和国」の首都は「キト」で、人口は約270万人です。
「キト」という都市名の由来は、「地球の真ん中」を意味する原住民の言葉「Quitsa To」からきており、世界で赤道に最も近い都市です。
「エクアドル共和国」第二の都市は「グアヤキル」であり、この国最大の都市にして南米有数の世界都市です。「グアヤキル」は商業や製造業の中心地で、人口は300万人、首都「キト」よりも多くの人が住んでいます。
人口について
「エクアドル共和国」の人口は、約1,700万人で、これは「日本」の九州の人口よりも多い程度です。
成り立ちについて
「エクアドル共和国」の地には、紀元前1万年頃から人々が住んでおり、その後も古代文明が栄えていました。
15世紀ごろ、それ以前に栄えていた諸文明は、最終的に「インカ帝国」によって征服・吸収されました。
16世紀に入ると、「スペイン」が「インカ帝国」を滅ぼし、「エクアドル共和国」の地もまた、「スペイン」に支配され、植民地となりました。これによって、「エクアドル共和国」の人々は、カトリック化していきました。
1822年、「コロンビア共和国」とがスペイン軍を破ると、この地は「コロンビア共和国」の一部に組み込まれ、「大コロンビア」として「スペイン」から独立しました。
1830年、「コロンビア共和国」内で内乱が起こり、これを契機にこの地は「大コロンビア」から分離して、「エクアドル共和国」として独立を果たしました。
1979年、新政権が発足しました。従来の軍事政権から民主政権へ移行し、「エクアドル共和国」は民主国家になりました。
「エクアドル共和国」の国民・宗教・言語について
国民について
「エクアドル共和国」の国民は、ヨーロッパ系と先住民族の混血民族が約70%、先住民族が約7%、アフリカ系・アフリカ系との混血民族が約7%、ヨーロッパ系が約6%住んでいます。このように、「エクアドル共和国」では、混血の民族が多く暮らすのが特徴です。
宗教について
「エクアドル共和国」の宗教はキリスト教であり、国民の約80%がカトリックです。近年、プロテスタントも増えており、その他、ユダヤ教やイスラム教を信仰する人々も少数います。
言語について
「エクアドル共和国」の公用語はスペイン語ですが、ケチュア語やシュアール語を話す人々も多くいます。また、オリエンテのアマゾン低地に住む人々は、固有の言語を話します。
「エクアドル共和国」の経済状況について
「エクアドル共和国」の通貨は米ドルです。以前は自国通貨のスクレを使用していましたが、2000年にUSドルに切り替えました。GDPは約1,000億ドル、世界第63位です。一人当たりのGDPは約6,000ドルで、世界で88位です。
「エクアドル共和国」の主要な産業は、鉱工業、農業、水産業です。輸出の大半を、鉱工業である原油、農業生産品である、バナナ、カカオ、コーヒー、水産加工品であるエビなどが占めており、「エクアドル共和国」の経済を支えています。
エクアドル政府は、2013年より、経済発展のため、石油や農産品などの一次産品に頼った経済構造から脱却することを目指した政策を進めています。
2018年に発足した現政府は、さらなる経済構造の改革のため、外国投資誘致諸外国との貿易投資促進などに取り組んでいます。
なお、「エクアドル共和国」が有する島「ガラパゴス諸島」においては、観光業が非常に盛んで、
貿易について
「エクアドル共和国」の主要な貿易相手国は、輸出が「米国、チリ、ペルー、コロンビア、ロシア」で、輸入が「米国、中国、コロンビア、パナマ、ペルー」です。
エクアドル中銀によると、2015年の主な貿易品目は、輸出が石油、バナナ、コーヒー、カカオ、生花、まぐろ、えびで、輸入は、石油製品、自動車、車両部品、鉄鋼です。
総貿易額は、輸出が約180億ドル、輸入が約200億ドルであり、輸出額の約5割は、原油が占めています。
「エクアドル共和国」の政治・政策について
政治体制について
「エクアドル共和国」は共和制国家であり、国家元首は大統領です。首相職はありません。
「エクアドル共和国」の議会は一院制で、議席数は137名、任期は4年です。議員は政党名簿比例代表制によって選出されます。
「エクアドル共和国」の大統領・首相について
大統領について
「エクアドル共和国」の大統領は、国家元首であり、任期は4年です。従来、再選はできませんでしたが、2008年の憲法改正によって再選することが可能になりました。
「エクアドル共和国」の現在の大統領は、レニン・モレノ氏です。
首相について
「エクアドル共和国」には、首相職はありません。
「エクアドル共和国」の国防制度・軍事制度・兵役について
「エクアドル共和国」の軍は、陸軍・海軍・空軍の3軍種を擁しており、国防省が軍を管轄します。
「エクアドル共和国」では徴兵制が採用されており、成人男子は18歳以降に、1年間の服務義務を果たします。
現在のエクアドル軍は、陸・海・空合わせて約4万人おり、軍事予算は約16億ドルです。
「エクアドル共和国」と「日本」の関係について
「エクアドル共和国」と「日本」は、1918年に国交を樹立しました。第二次世界大戦によって、1942年に一度国交が断絶されましたが、1954年、外交関係が再開されました。
両国は友好な関係を築いており、「日本」で起こった東日本大震災の際は、「エクアドル共和国」は同じ地震大国として、様々な寄付をしてくれました。また、2018年は国交100周年の年であり、両国で、様々な記念式典やイベント、シンポジウムなどが催されました。
2017年の時点で、「エクアドル共和国」に住む日本人は約350人、「日本」に住むエクアドル人は約200人です。
まとめ
「エクアドル共和国」は、ジャングル、アンデス高地、そしてガラパゴス諸島など、多様な国土を有する国です。特にガラパゴス諸島は、世界自然遺産の第1号であり、絶滅危惧種の動物や植物を見ることができるため、観光地として人気があるだけでなく、世界中から研究者が訪れます。
なお、男子サッカーの「エクアドル共和国」のFIFAランキングは、2018年12月では「57位」です。
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