「キルギス共和国」ってどんな国?
「キルギス共和国」の正式名称はギリシャ語で「Кыргыз Республикасы」、ロシア語で「Киргизская Республика」、英語では「 Kyrgyz Republic」です。漢字では「黠戛斯」と表記し、その他「吉里吉思」とも表記されます。
「キルギス共和国」の広さ 面積・場所について
「キルギス共和国」の面積は約19万8,500平方キロメートルで、日本の約半分の大きさです。
「キルギス共和国」は、内陸国で、カザフスタン、中華人民共和国、タジキスタン、ウズベキスタンと国境を接しています。
「キルギス共和国」の首都について
「キルギス共和国」の首都は「ビシュケク」で、「ビシュケク」は、キルギス北部のアラ・トー山地の麓に位置し、海抜は800mです。
また、市の北方を流れるチュイ川はカザフスタンとの国境になっています。
「ビシュケク」の人口は、約98万人で、都市名は、キルギスの国民酒である「馬乳酒 (Кумыс)」 を作る時の撹拌器の名前に由来しています。
「キルギス共和国」の人口について
「キルギス共和国」の人口は、国連人口基金が2020年に調べた時点で約650万人であり、人口密度は、約32.59人で、第143位です。
「キルギス共和国」の成り立ちについて
「キルギス共和国」は、17~18世紀頃までにキルギス人の民族形成が進行、18世紀後半~19世紀前半にコーカンド・ハン国によって支配され、1855年~1876年にロシア帝国に併合されました。
1918年にロシア連邦共和国内の一部としてトルキスタン自治ソビエト社会主義共和国が成立、1924年に中央アジアの民族・共和国境界確定によって、ロシア連邦共和国内のカラ・キルギズ自治州となり、1926年2月にキルギス自治ソビエト社会主義共和国が成立しました。
1936年にロシア連邦共和国から分離し、ソ連邦を構成するキルギス・ソビエト社会主義共和国に昇格、1990年6月にオシュ事件が勃発、1990年10月にアカーエフ大統領が就任、1990年12月15日に「キルギスタン共和国」に改名され、国家主権が宣言されました。
1991年8月31日に国家共和国独立が宣言、1993年5月に国名が「キルギス共和国」に変更、2005年4月に政変によってアカーエフ大統領が辞任、2005年7月にバキーエフ大統領が当選、2009年7月にバキーエフ大統領が再選されました。
2010年4月に政変によってバキーエフ大統領が辞任、2010年6月に南部にてキルギス系とウズベク系住民が大規模に衝突、2010年6月に国民投票によって新憲法が採択、2010年7月3日にオトゥンバエヴァ大統領が就任、10月10日に議会選挙が実施、12月に連立与党が結成・新内閣が発足しました。
2011年12月にアタムバエフ大統領が就任、2015年10月4日に議会選挙が実施、2017年11月24日にジェエンベコフ大統領が就任、2020年10月に議会選挙実施後の政変によってジェエンベコフ大統領が就任、2021年1月28日にジャパロフ大統領が就任しました。
「キルギス共和国」の国民・宗教・言語について
「キルギス共和国」の国民について
「キルギス共和国」の人種割合は、2020年時点で、キルギス人が約73.6パーセント、ウズベク人が約14.8パーセント、ロシア人が約5.3パーセント、ドンガン人が約1.1パーセント、タジク人が約0.9パーセント、ウイグル人が約0.9パーセントです。
そのほか、トルコ人、カザフ人、タタール人、ウクライナ人、高麗人、アゼルバイジャン人などが含まれる多民族国家です。
地域による民族分布差も大きく、首都ビシュケクと周辺のチュイ州やイシク・クル州のカラコルを中心とした東部にはロシア人、ウクライナ人など白人(スラブ系住民)が多く、オシ州やジャララバード州、バトケン州などの西部、南部にはウズベク人やタジク人が、中国国境付近にはドンガン人やウイグル人が住んでいます。
一方、ナルイン州の住民は、ほとんどがキルギス人でで、人名はソ連時代の名残りもあり、全体的にロシア語風の姓名が多く見受けられます。
独立前の1989年には、ロシア人が全人口の約21.5パーセントを占めていたが、独立後国外流出が続き、2020年には約5.3パーセントにまでに減少しています。
「キルギス共和国」の宗教について
「キルギス共和国」の国家宗教は、イスラム教が約75パーセント、キリスト教正教会が約20パーセント、その他が約5パーセントです。
「キルギス共和国」の言語について
「キルギス共和国」の公用語は、ロシア語で、キルギス語が国家語とされています。
また、2017年の国勢調査によると、母語話者の割合は、キルギス語が約55.2パーセント、ウズベク語が約4.7パーセント、ロシア語が約34.0パーセントとなっており、ウズベク語はオシ州やジャララバード州を中心にウズベク系住民の間で使われています。
ロシア語は、独立以降公用語から除外されたウズベキスタンなどと違い、引き続き公用語に制定されています。
なお、医療用語などはロシア語にしか翻訳されていない単語があるため、ロシア語が理解できないと生活に苦労する場合もあるようです。
また、首都ビシュケクとその周辺では多くの住民のほとんどは、ロシア語を使って生活しており、キルギス語が上手に話せないキルギス人も少なくありません。
このため、現地生まれのロシア人は、キルギス語を話せない人がほとんどを占め、このほか、ドンガン語なども使われています。
「キルギス共和国」の経済状況について
「キルギス共和国」の通貨はソムで、GDPは約84.6億米ドルで、世界150位です。そして、一人当たりのGDPは約1,146.39米ドルで、世界163位です。
「キルギス共和国」の貿易について
「キルギス共和国」の貿易相手は主に、輸出がイギリス、カザフスタン、ロシア、ウズベキスタン、トルコ、輸入が、中国、ロシア、カザフスタン、EU、トルコとなっています。
「キルギス共和国」の主な輸出品目は、宝石・貴金属、鉱産物、衣類・繊維製品、野菜・果物類、金属・金属製品で、輸入品目は、自動車・自動車関連製品、鉱産物、衣類・繊維製品、化学製品、金属・金属製品です。
「キルギス共和国」の政治・政策について
政治体制について
「キルギス共和国」は、共和制で、議会は定数120の一院制です。
「キルギス共和国」の元首・首相・外相について
「キルギス共和国」の大統領について
「キルギス共和国」の大統領は、サディル・ジャパロフです。
「キルギス共和国」の首相・外相について
「キルギス共和国」の首相は、ウルクベク・マリポフで、外相は、ルスラン・カザクバエフです。
「キルギス共和国」の国防・軍事制度・兵役について
「キルギス共和国」は、ロシアとの良好な関係維持を重視しつつ、中国や米国等の間でのバランス外交を標榜しています。
軍事は、総兵力は約10,900人で、その内訳は、陸軍が約8,500人、空軍が約2,400人、準兵力が約9,500人です。
1997年および1998年には、米軍および中央アジア・コーカサスの一部諸国の軍隊と合同で、中央アジア合同軍事演習を実施し、上海協力機構の枠内で実施されている対テロ共同軍事演習にも参加しています。
2001年12月には、米軍がアフガニスタンにおける対テロ作戦実施のためキルギス・マナス空港に駐留、2009年6月以降はマナス中継輸送センターとして実質的な継続使用を行ってきました。
しかし、2013年6月にアタムバエフ大統領の下、キルギス側は基地契約を延長しない旨が決定され、2014年7月に米軍は撤退、2003年10月以降は、集団安全保障条約機構(CSTO)の枠組みの下で、ロシア空軍が駐留しています。
「キルギス共和国」と「日本」の関係は?
「キルギス共和国」と「日本」の関係は、日本の援助実績は、2018年現在、有償資金協力が約376.00億円、無償資金協力が約300.76億円、技術協力が約178.99億円です。
まとめ
以上、国特集「キルギス共和国」でした。
ちなみに、「キルギス共和国」の男子サッカーFIFAランキングでは、2020年11月の時点では「96位」でした。
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