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イギリスの社会状況2022

イギリスのSDGs(持続可能な開発目標)への取り組みについて

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目次

はじめに

SDGsへの取り組みが浸透してからイギリスでは個人レベルでの意識がかなり変わりつつあります。これまで日本の過剰包装については有名な話でしたが、今や1枚1枚個別包装してあるお菓子やおせんべいをお土産であげても誰もが眉を細めます。

未だに日本ではこんなことをしているのかと言わんばかりでいささか恥ずかしくなるくらいです。

イギリスが、これらの目標に対してどのような努力がなされ、どれだけ目標達成に近づいているのかを報告します。

SDGsが掲げる目標とは

まずは、SDGsの内容を再確認してみましょう。

SDGsとは?

2015年9月に開催された国連サミットにおいて加盟国が全会一致で採択した「持続可能な開発のための2030年アジェンダ(議題)」に記載されている国際目標です。

現在193カ国がこの目標を達成するために努力をしており、日本も加盟国の一つです。

主な17目標:

  1. 貧困をなくそう
  2. 飢餓をゼロに
  3. すべての人に健康と福祉を
  4. 質の高い教育をみんなに
  5. ジェンダー平等を実現しよう
  6. 安全な水とトレイを世界中に
  7. エネルギーをみんなに、そしてクリーンに
  8. 働きがいも、経済成長も
  9. 産業と技術革新の基盤をつくろう
  10. 人や国の不平等をなくそう
  11. 住み続けられるまちづくりを
  12. つくる責任、つかう責任
  13. 気候変動に具体的な対策を
  14. 海の豊かさを守ろう
  15. 陸の豊かさも守ろう
  16. 平和と公正を全ての人に
  17. パートナーシップで目標を達成しよう

目標達成度

2022年6月2日に各国の達成度中間報告が発表されました。それによるとイギリスは11位、日本は19位でした。

ランキング 国名 達成度
1位 フィンランド 86.51
2位 デンマーク 85.19
3位 スウェーデン 85.19
4位 ノルウェイ 82.35
5位 オーストリア 82.32
6位 ドイツ 82.18
7位 フランス 81.24
8位 スイス 80.79
9位 アイルランド 80.66
10位 エストニア 80.62
11位 イギリス 80.55
     ‖
19位 日本

各国のプラスチックの使用制限

イギリス政府は各企業に対してこれらの目標達成に対しして企業努力によってどのような努力ができるか、その目標設定およびそれに向けての努力評価を求めています。

個人に対しては、これらの目標達成に対してどのように個人的な協力が出来るのか考える機会が多く持たれています。

イギリスの場合

イギリスでは、2022年5月21日よりスーパーマーケットでのレジ袋の有料化が始まりましたが、国民からは大きな批判もなく移行することが出来ています。有料で販売されているレジ袋も自然分解するものが基本でなければいけません。


また、以前からスーパーではシュリンク包装を減らすため、野菜や果物の量り売りが大きく売り場をしめており、量り売りに使用する袋もリサイクルが可能な布の袋を購入するようになっています。

牛乳パックなどは、何故かリサイクルされないため、日本の様に洗って乾かしてリサイクルするようなことがありません。

イタリアの場合

イタリアでは、以前から大手スーパーの野菜・果物売り場の大多数は、量り売りです。

しかしながら直に触れないように野菜や果物を選ぶ際は必ず、売り場に置かれているプラスチック手袋をはめることが義務付けられているのが本末転倒のように思えてなりません。

但し、全てのプラスチック梱包は薄いものも含め全てリサイクルに回されます。実際集められた先でどのようにリサイクルされているかが表に出てきませんので、本当にリサイクルがされているのか疑問視する人も多くいます。

フランスの場合

フランスでは、2022年1月1日より、加工されていない野菜や果物、一部の野菜や果物を除きプラスチック包装を禁止しました。これ以前にはプラスチックの使い捨てストロー、フォーク、スプーン、ナイフ、綿棒などの利用も禁止されています。これからは飲料用の容器、化粧品の容器などにも制限が掛けられる予定です。

2040年までにすべての使い捨てプラスチック製品の使用の禁止を目指しています。

日本の場合

日本では、2022年7月1日からレジ袋の有料化が始まりました。しかしながら未だに個別包装、小分けビニール袋の無料提供はスーパーでは良く見受けられます。残念ながら有料化されたレジ袋も自然分解する性質の袋を有料化しているお店を見受けることは多くないのが現状です。

教育について

イギリスでは高等教育まで無料です。

同性愛者の婚姻

2013年にイングランドとウェールズで同性婚法が制定されました。

ネットゼロ目標とは

2015年のパリ協定で平均気温上昇を抑えるために各国が掲げた温室効果ガス排出量と吸収量のバランスを2050年までにゼロにするものです。

これを達成するためには温室効果ガスの排出量の削減に多くの努力を傾けなければいけません。この目標を達成するために世界における電力の7割から8割を再生可能エネルギーに移行し、輸送などによる燃料供給方法も考え直さなければ目標達成は難しいものになります。

オーストラリアでは家畜が排出する温室効果ガスに対し、肥料課税が決定したようですが、イギリスでも温室効果ガス削減のために酪農をやめて、穀物農家になる酪農家も出だしました。

イギリスは、2030年以降はガソリンやディーゼル燃料で走る車の販売を禁止することを発表しています。但し、2022年の現状では充電スタンドが現状の電気自動車数量に対しても十分とは言えないため、今後8年あまりでどれだけ十分な電気充填スタンドが整備できるのか疑問の声が上がっています。

ロンドンのヒースロー空港にお客を乗せていったタクシードライバーがヒースロー空港の充電スタンドがすべて故障しており、帰宅できなくなってしまったなどの話もあります。


イギリスのこの方針に日本のトヨタ社は、この政策の変更がない限り、イギリス市場から車の販売を撤退するとまで発表しています。

イギリスはロシア・ウクライナ戦争の関係もあり、エネルギー不足を嘆いています。今後の主力電力を原子力発電に移行し、大きな風力発電計画も控えています。

各国の地球温暖化への危機感

2015年と2021年に実施された各国の意識調査を見てみると、なぜか先進国で日本だけが、危機意識がマイナス8ポイント下がっていることがわかりました。日本は各地で発生する自然災害が原因で人命が失われているものの、地球温暖化と関連付けて考える人が少ないと言えるのかもしれません。

国名 2015年 2021年 危機感の変化
ドイツ 18 37 +19
イギリス 19 37 +18
オーストラリア 18 34 +16
韓国 32 45 +13
スペイン 36 46 +10
カナダ 27 34 +7
フランス 35 41 +6
日本 34 26 -8

まとめ

地球温暖化対策は一国で成し遂げられるものではありません。世界中の各国が目標に向かって努力をすることが必要とされます。それは国家政策だけの問題ではなく、一人一人が自覚をもって少し不便な生活を強いることになっても努力が必要な事だと理解することが大切です。

参考資料サイト

UK’s Voluntary National Review of the Sustainable Development Goals – GOV.UK (www.gov.uk)

本記事は、2022年11月8日時点調査または公開された情報です。
記事内容の実施は、ご自身の責任のもと、安全性・有用性を考慮の上、ご利用ください。

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この記事を書いた人

2021年に公務員総合研究所に入所した新人研究員。

好きな言葉は、「つまづいたっていいじゃないか にんげんだもの」

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