他国の脅威から日本の空を守る!航空自衛隊の職種紹介<後編>

航空自衛隊の職種紹介<後編>では、航空機の安全運行や基地運営を支える後方支援職種を中心にご紹介します。表舞台に立つことは少なくとも、航空自衛隊という組織を影で支える後方支援職種の重要性を、感じていただければと思います。


> 前編はこちら 「他国の脅威から日本の空を守る!・・・」

航空機の各系統の点検・整備を行う「航空機装備品整備」

油圧系統、航空計器系統、自動操縦系統、電気系統といった航空機の安全運行に重要な系統の整備、加えて救命装備品の整備業務などを行なっています。

油圧整備員

航空機の操縦に必要不可欠な、油圧システムの点検・整備・修理等を行います。航空機のほとんどにこの油圧システムが使用されており、油圧整備員は全国各地の飛行場がある基地に配属されています。

計器整備員

航空機に搭載されている計器類の整備・点検を行います。また計器に異常が発生した場合、早急な原因究明にあたり、航空機の安全運行に寄与しています。

電機整備員

航空機の電気系統、照明系統、電気配線、発電機等の点検・整備を行います。電気のエキスパートとして航空機を支えています。

救命装備品整備員

パイロットの緊急脱出に重要なパラシュートをはじめ、救命ボート、発煙筒、救命無線機、非常食などの救命装備品の点検・整備を行います。救命装備品が使われないことが一番であるものの、万が一の時に備え、時間を掛けてくまなくチェックしています。

パイロットの次に航空機に近い存在「航空機整備」

ヘリコプターや航空機等の整備はもちろん、航空機の金属部分の制作・修理なども行います。パイロットの次に航空機に近い存在として、航空機の安全運行を支えています。

ヘリコプター整備員

航空自衛隊が保有するヘリコプターは、滑走路等がなく着陸が難しい場所への人員・物資輸送などに欠かせないもの。このヘリコプターの全般整備、燃焼補給、牽引などを行うのが、ヘリコプター整備員です。ヘリコプターの機体に直接携わることができる職種となっています。

航空機整備員

航空機全般の整備を行うのが、航空整備員です。航空機に搭載されている各種計器が正しく表示されているか、電気系統が正しく機能されているかなどを点検し、また不具合等が生じた場合は、迅速に修理等の対処を行います。航空機整備員は、パイロットの次に航空機に近い存在として、日々職務を遂行しています。

エンジン整備員

戦闘機や輸送機などの、航空機のエンジンの点検・整備を行います。エンジンの整備ミスが重大事故を引き起こしてしまうからこそ、エンジン員は非常に責任が伴う職務。しかし、その分やりがいは人一倍感じることができるそうです。

工作員

航空機の安全運行を脅かす歪みや傷を修理したり、機体整備に使用する工具等の工作を行います。航空機の状態をくまなくチェックし、修理や工作などの作業を臨機応変に行うため、対応力が求められる職種です。


あらゆる車両の整備を行う「車両整備」

航空自衛隊が保有する車両や動力器材の整備を行います。点検や整備を通じて、地上における人員・器材の安全確実な輸送に貢献しています。

車両整備員

航空自衛隊が保有する車両の点検・整備を行います。車両整備員は、大型バスやワゴン車などの民間で取り扱う車両はもちろん、燃料補給車、電源車、カーゴローダーといった、航空機運用に関連する車両整備も担っています。ときに月30台以上の車両を点検する車両整備員は、忙しいながらも充実した毎日を過ごすことができる職種です。

動力器材整備員

動力器材整備員は、電源車、グランドクーラー、牽引車といった、飛行場にある航空機を動かすための車両を点検・整備する職種です。航空機の自立に欠かせない特殊車両であるため、故障や不具合等が発生した際は、原因究明・修理等の対処を迅速に行います。

航空自衛隊の基地運営に寄与する「施設」

主に航空自衛隊基地で勤務し、滑走路や建物の維持補修、また電気・ボイラーなどの管理を行います。さらには航空機事故が発生した際の消防救難活動の任務にもあたります。

土木建築員

全国各地の基地に所属する土木建築員は、滑走路や道路の補修・整備、冬季の除雪作業などの土木建築作業全般を行います。決して華やかな職種ではありませんが、前線部隊を影から支える任務を担っています。

電気員

全国各地の基地に配属され、電気機器の整備・修理、電気の復旧など、電気工事一般を行なっています。建物内の電気系統はもちろん、飛行場や滑走路の照明などの管理も行う電気員では、基地の機能保持には欠かせない存在です。

設備機械員

基地内にある給排水設備、エアコン設備、燃料設備などの整備・点検を行います。また不具合等のトラブルが発生した際は迅速に対応し、基地内のスムーズな運営に寄与しています。

給汽員

基地内に設置されている配管を通じて、蒸気や温水を供給するボイラー設備。このボイラー設備の管理・整備・補修等を行うのが給汽員です。隊員の衣食住に大きく関わるボイラーを不具合が生じることなく運転させるため、日頃から技能向上や知識習得を行なっています。

消防員

消防員は、航空機の離発着地に待機し航空火災を未然に防ぐという任務はもちろん、実際火災が発生した場合は消火活動にあたります。航空火災の発生は予期できないものだからこそ、訓練を積み重ね、防火態勢を整えています。

人員や物資を確実迅速に運ぶ「輸送」

輸送員は、航空自衛隊の車両で人員や貨物を輸送したり、航空機へ貨物を搭載したりなどの業務を行なっています。訓練時や災害時など、あらゆる場面で必要とされる職種です。

空中輸送員

空中輸送員は、航空機を使用した人員や貨物の輸送に関わる職種です。特に貨物輸送では、フォークリフトで貨物を移動させたり、指定のパレットに効率的に貨物を積んだりなど、貨物輸送のスペシャリストとして業務を行なっています。

輸送員

大型バスやトラックを使用して人員・物資・器材などを輸送したり、VIPの送迎などを行います。また配車の手続き、運行スケジュールの作成、車両の点検整備といった付随業務もあります。各部署と連携し、確実迅速な輸送に貢献しています。

航空自衛隊基地の快適な衣食住をサポート「給養・補給」

給養・補給に分類される職種は、航空自衛隊基地における衣食住を支えています。隊員の生活を支える存在であるがゆえ、非常に重要な役割を担っています。

給養員

基地内で勤務する隊員へ食事提供を行う給養員は、献立に基づく調理や配膳を行います。また有事の際の食事提供に対応するため、定期的に屋外での訓練も行なっています。

補給員

航空自衛隊で使用される物品の管理・保管、また部隊の要求に合わせて物品を出荷する業務を行なっています。物資を必要とする部隊に届ける補給員は、航空自衛隊という大きな組織を支える職種です。


燃料員

航空機、車両、基地内等で使用する燃料の、保管及び維持管理を行います。保管や維持管理を行うものには、ガソリンや軽油といった燃料はもちろん、塗料、油脂類、さらには航空機に搭載する液体酸素にまで及ぶそう。そんな燃料員は、危険物取扱のプロとして基地運営に貢献しています。

会計業務で基地運営を支える「会計」

隊員の給与支払いはもとより、旅費の算出、物品や食糧の契約・購入、支払などの業務を行なっています。国費を取り扱うがゆえ、正確性が求められる職種です。

音楽の力で航空自衛隊を支える「音楽」

国の行事、自衛隊の公式行事に参加し、演奏を行います。軍歌、歌謡曲、最新曲、ジャズといった様々なジャンルの曲にも精通する音楽員は、航空自衛隊の広報活動にも大きく貢献しています。

基地の安全を24時間365日守る「警備」

全国の航空自衛隊基地で勤務し、基地の警備や施設・物品の管理をして隊員の安全を守っています。また航空自衛隊内で犯罪や事故が発生した場合は、取調べや犯人逮捕等の対処を迅速に行います。

警備員

基地を出入りする人物のチェックしたり、基地周辺をパトロールしたりしながら、基地・施設の安全を守ります。また各基地に配置されている警備隊には警備員の他、警備犬も所属。全国各地の基地や分屯地に、およそ200匹もの警備犬が基地警備にあたっています。

警務員

警務員は、一般の警察官とは別に警察としての職務が遂行できる「特別司法警察職員」に指定され、航空自衛隊内の秩序維持に貢献しています。基地内や公務中に事件・事故が発生した場合の鑑識活動及び取り調べはもちろん、要人の警護といった業務も行なっています。

隊員の健康をサポートする「衛生」

隊員の健康管理を行い、環境衛生や食品衛生検査等を行なっています。また災害時や訓練時においては、隊員や被災者の救急救護にもあたります。

衛生員

主に基地の医務室で勤務する衛生員は、隊員の治療や健康管理を行います。この職種には、看護師・理学療法士・救命救急士などの資格を取得した隊員が多く在籍しているのが特徴的です。

放射線員

放射線員は、基地の医務室及び自衛隊病院にて、CT検査、胸部X線検査、MRI検査を行います。診療放射線技師免許を取得することが前提の職種です。

臨床検査員

基地内の医務室や自衛隊病院で行われる尿検査、血液検査、心電図検査と行った検査を行います。臨床検査員は、臨床検査技師の免許を取得することが前提の職種です。

歯科員

歯科員は、隊員の歯の健康を守ったり、また歯科医官から指示のもと、義歯の作成なども行なっています。歯科員は、歯科技工士免許を取得することが前提の職種です。

災害救助のスペシャリスト集団「救難」

海や山での災害が発生した際、航空機に乗り込んで自衛隊員・民間人の捜索及び救助を行います。救難員はいつ何時来るかわからない救助要請に備えて、日々ハードな訓練を積み重ねています。

その他の職種

語学員

英語・中国語・ロシア語などの外国語を習得して、翻訳や通訳などの業務を行います。航空自衛隊ではアメリカでの訓練も定期的に行われているため、語学員は非常に頼りになる存在です。

情報員

主に情報収集部隊で働く情報員は、海外や国内の情報、特に外国の航空機に関する情報の収集・分析を行なっています。

印刷製図員

航空自衛隊内で使用する教材の印刷や模型の製作、広報で使用する写真の撮影・加工、さらにはビデオでの撮影等を行なっています。

総務員

航空自衛隊の各部隊に配属される総務員は、文書の作成・配布、各種行事の調整・運営、関係部署との調整・連絡などの庶務業務を行います。部隊が正常に機能するために欠かせない存在です。

人事員

人事員は、航空自衛官の昇給、昇進、異動、表彰、懲戒処分等の事務管理を行なっています。人事員が担う業務は、隊員の給与に直結するものであるため、法令や規則に対する知識習得が必須です。

厚生員

厚生員は、厚生物品のレンタル業務、厚生センターで販売されている物品の管理業務、福利厚生サービスの取扱業務などを行なっています。自衛隊員や隊員家族の生活を支援する存在とも言える職種です。

教育訓練員

航空自衛隊の教育群に所属し、隊員に対する教育を行います。特に新隊員教育では、自衛官として必要な教養及び基礎訓練を指導する立場となるため、隊員育成に欠かせない存在です。


まとめ

前編・後編に渡り、航空自衛隊の職種をご紹介しました。日本の空を守る航空自衛隊の、幅広い職種の数に驚いた方も多いはず。またそれぞれの職種が相互に連携しながら、航空自衛隊という組織が成り立っていることがお分り頂けたかと思います。今回の記事を通して、航空自衛隊について少しでも知って頂けたら幸いです。

本記事は、2017年9月24日時点調査または公開された情報です。
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