【エリカの部屋(6)】市役所で傷ついた言葉やエピソードを教えて!

社会人から公務員になった「エリカさま」が公務員に関する質問にざっくり回答するコーナー <エリカの部屋>、第六回の質問は、「市役所で働いていて傷ついた言葉やエピソードを教えて!」です。30代前半で社会人枠の市役所採用試験を受け公務員へ転職したエリカ様が回答してくれます。


質問者(20代) 市役所で働いていて傷ついた言葉教えて!

英語教師、貿易実務、海外営業を経た後、30代前半で社会人枠の市役所採用試験を受け公務員へ転職した筆者が公務員にこれからなる方や現場の方からの質問や相談に本音トークで徹底回答していきます。民間と公務員を両方経験した筆者だからこそ語れる応援パワーを皆様にお届けします。
第六回の質問は、「市役所で働いていて傷ついた言葉やエピソードを教えて!」です。それでは、エリカ様の登場です。

エリカ様回答:「傷つく言葉は確かにありましたが実は・・」

何故こんなに傷つく言葉やエピソードがあるのでしょう苦笑。

多分それは、公務員だからです笑。

私が民間から公務員へ途中入庁した時期も日本は不景気で公務員の方が民間より給与水準が高く安定し、そして仕事はぬるくてすむというイメージが世の中に蔓延していた時代でした。

そしてそのイメージは今もなお多かれ少なかれ公務員には付いて回る面ではないでしょうか?

かくいう私も市役所入庁前は市役所に良いイメージは一ミクロも無かった人間です。

この負のイメージとなる原因は色々あるとは思いますが今回は実際市役所で働いていて傷ついた現場でのエピソードや言葉をご紹介していこうと思います。

合わせてどう心の処理をしていったか対応方法もお伝えします。今後の皆様の参考になれば幸いです。

「どうせ暇でしょう~」友人A発言

飲み会に誘われ日程調整をしていた友人Aから言われた言葉です。

自分の友人なので何を言われても気がしれた仲ですし、この言葉を発する彼女に私に対する悪意は全くありません。

ですが、「公務員」という職種にはマイナス要因を感じこの発言を私に浴びせているのは確実です笑。


分析は出来てはいても公務員=私の立ち位置なので、一瞬「カチン」となった自分の心の声は見逃せなかったのも正直な所です。

実際、暇であれば「そうねん。暇ねん。私皆に合わせられるから~」と流す私も全く忙しく週末も平日も夜散々な残業が続いてた課に属していた時期だったのでそのイメージ違うから!と全否定したのを覚えています。

ただ毎回こういう言葉を言われて相手に市役所のリアルを事細かに説明するかどうかは状況や相手との関係性に異なりました。説明するときには下記のように伝える時もありました。

○課の仕事内容により週末平日夜残業漬けの課もあれば、週末平完全休み、平日残業無の課もあり、自分がどこの課に異動になるかで全く差があること。

○暇な人は昔は多々見受けられただろうけど、昨今は人員削減、低予算で人員は多くないのに仕事は細分化されどんどん仕事量は多くなり暇な人は少なくなってはいること。

ただ、相手が求めている物が何なのかそこをまず汲み取ってから必要とあれば市役所の現状の説明をしていました。

「お前誰や どこのもんや名前言え」市民から毎日の苦情電話

市民課にいた際のエピソードがあります。

毎日電話をかけてくる高年齢の男性がいました。

毎日です。時には一日のうちで数回の日もありました。

異動で来たばかりだった頃は分かりませんでしたが何でもその方は若い頃は地元の権力者で知らぬ人はいないという程のドンだった方で今はもう引退されてた方のようです。

職場の同僚や私がこの方から電話を取るとまず受話器の向こうから「お前は誰や。どこのもんか名前を言え」を言われます。

この質問から始まり毎日世の中の流れや市役所職員とはこうあるべきだとう説教話が始まります。

毎日この電話が続き私が在籍した3年間ずっと在籍中ほぼ毎日お叱りや説教等の電話を受けていました。

困った時のリーダー頼みで毎回誰がこの電話をとっても即リーダーに電話を回しお願いしていました。

「失敗したなこの社会人枠」職場からの発言

これは傷つきました。


私は社会人枠で途中入庁した人間ですので、全体の毎年新卒入庁者と比べたら1割側の人間です。

市役所には馴染んでいないですし、年もプルルン水が弾ける弾力肌の艶有時期はとっくに過ぎた女子です。

実は社会人枠採用試験も当市では初の試みでこの試みによる社会人採用枠がどれほどの者なのか関心が高かったのも事実あったようです。

仕事姿勢や、仕事への情熱、市民と一緒になってアイデアを出し熱く動き回る職員が珍しいとばかりにどんどん市民から受け入れられ感謝状が相次ぎ、市長にもその手ごたえが届き始めました。

当市が全国区に取り上げられる程の実績や結果を出す担当者として活躍すればするほど、残念ながら身内からはどんどん激しい批判中傷が私に届き出しました。

その中で私が傷ついた言葉がこれです。

実は友人や身内、市民からの傷つくエピソードや言葉というのは全然平気でした。

何故なら友人や身内、市民というのは私の味方という認識が強かったからでしょう。

入庁当時からこの社会人枠というレッテル批判を職場身内から強く受けていた自分には市民こそ自分の味方であり、自分こそが市民代表の心意気でした。

市民こそ私の唯一の近しい存在として温かい存在でした。

友人や市民が公務員批判をしているのはそれは自分を批判してのことではなく、公務員という大きな看板に対して其の方が持っている公務員イメージの感想を述べているだけです。

なので、友人や市民から仮に公務員批判をもらっても全く痛くも痒くもなく、むしろそれが当たっていると感じれば素直に謝り、受け入れ、自分が職員として公務員という市民が持つマイナスイメージを少しでもプラスに変えられるよう働きかけることに専念しました。

ですが、一番大変だったはこの職場身内という、一見仲間であるはずの味方から攻撃されることがいかにダメージを受けそれを乗り越えるハードルが自分としては一番高かったです。

それは友人や市民が公務員という大きな看板イメージへの批判ではなく、「自分」を刺し批判されているというリアルに傷つきました。

仲間として職場から認めてもらえていない批判こそ正直きつくもあり試練でありました。

ただこの足の引っ張り合いは公務員だけでなくとも民間でもあります。

実績を積めば積むほど、上から気に入られる程注目とやっかみ批判が高まります。

ですが必ず見ている人はいます。それが市民です。

批判は続いても自分の姿勢が間違っていなければ必ず日の目はみます。


最初職場内に味方の少なかった私ですが市民からの信頼や支持を受け、次第に職場内にも私への理解や同意を得られるように新しい風が通るようになりました。

そして、入庁してから10年の間でいつしか内外一丸となりつつあります。

市長が目指す明るい市のイメージ実現の為に自分が出来ることは何かを考えた時、自分の味方は市民であり、かつ、職場仲間です。

どちらかが欠けても丸にはなりません。

両方あってやっと市長の目指す明るい市健全運営がみえてきます。

常にそこさえ考えていれば実は傷つくものは何もないのかもしれません。

どうぞ自分の目指す市職員像に自信を持って臨んでください。

貴方が社会人枠だろうが、新卒だろうが市民には関係ありません。

市民が市役所にマイナスイメージを持っていればいるほど貴方にはしめたものです。

貴方こそがそのマイナスイメージを払拭できるその市民にとっての救世主になりえるということです。

そして貴方が一人の市民の救世主になった時、信頼が生まれます。

そしてその信頼は周りに波及し、それこそ市にとっての大きなプラスの作用が生まれます。

このプラスの作用を大きく出来る職員こそが市の欲する職員像です。

友人からも市民からも同僚からも信頼を獲得し、市長の目指すイメージのお手伝いが出来る頼もしい市職員が増えれば触れるほど明るい笑顔の多い市民の集う市となるでしょう。

どうぞ素敵な公務員になって差し上げてください。

貴方のなりたい像を応援しています。

本記事は、2017年8月24日時点調査または公開された情報です。
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