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公務員になって良かったこと - 国を動かしているのは何か?

国家公務員を定年退職し、現役時代を振り返ってみてつくづく「良かったなあ」と思ったこと。国を動かしているのは何か?を実感できたことなどを振り返っています。刑務官など矯正職員歴37年勤めた元・国家公務員の小柴龍太郎さんの記事です。

2017年04月11日更新

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目次
国家公務員にならなかったら得られなかった感覚
「要は人だなあ」
国家公務員を目指す人にはぜひ味わってほしい感覚
最後に
国家公務員になってよかった

国家公務員にならなかったら得られなかった感覚

国家公務員を定年退職し、現役時代を振り返ってみてつくづく「良かったなあ」と思うことは「国が見えた」ということです。「国」というものを五感で感じ取れたといってもいいかもしれません。抽象的な国ではなく、実体としての国。これは国家公務員にならなかったら得られなかった感覚だと思います。

と言うとカッコつけた物言いのように受け取られるかもしれませんが、その実は大したことではなく、要は「人」ということです。霞が関で働く公務員たちをたくさん見て、「そうか、この人たちが国を動かしているんだ!」と気づいただけのことです。

「要は人だなあ」

初めてこのことを体験した時はとても新鮮でした。それまでの私の感覚は、国を動かしているのは得体の知れないブラックボックスのようなものだったのです。しかし、霞が関で働くようになると、そのようなブラックボックスはどこにもなく、見えるのはオッサンたちであり、オバサンたちだけ。必ずしもイケメンでもないし美人でもない(稀に例外)。そんな人たちが国を率いており、支えている。

省庁が何らかの政策を決めることについても「要は人だなあ」と感じることが多々ありました。例えばある部局から政策提案があったとします。その案がそのまま通ればいいのですが、反対する部局が現れるとやおら不穏な空気が流れます。そのようなとき、部局同士の人間関係が良ければ何とか折り合いをつけようとしますが、そうでないと険悪な事態となります。そしてどうにもならないときに解決するのは官房長だったり事務次官だったりするわけです。結局、「やっぱり人だなあ」と思ってしまうのです。

国家公務員を目指す人にはぜひ味わってほしい感覚

こんな風にいろんな省庁のいろんな人が「あれやこれや」をやり、最終的には総理大臣や国会議員という人たちがまたアレコレとやって国の政策などが決まっていきます。これもまた人です。

宮中行事などを通じて宮内庁関係の仕事をしたことがありますが、日頃は偉そうにしている人が天皇陛下の前に出るとなると震えるくらい緊張したりします。そんな時、この国のトップはやっぱり天皇なんだと感じます。日本国の統治がうまくいっている根本を肌で感じた出来事でもあります。そして、これだって結局「人」(天皇)ということになります。

ということで、私は国家公務員になって、このように「国」を「人」として感じたのです。ですから、日本という国のあるべき姿とか、これから向かうべき方向とか、そういったものも机上の空論的なものではなく、地に足の着いた考えができるようになったと思っています。「あの人ならこうするだろうが、この人だったら別の道を選ぶ。さて自分なら…」と考えるからです。そしてこれは人生を通じてとても大きな価値あることだと思っているのです。

国家公務員を目指す人にはぜひ味わってほしい感覚でもあります。

最後に

……堅いお話になったので、最後に柔らかいモノを一つ。

国家公務員になって良かったとつくづく思うことのもう一つは、日本全国のいろんな所に行けたことです。転勤が多かったこともあり、出張を含めると47都道府県のすべてに足を踏み入れました。おかげで全国の主だった観光地は全部行っていると言ってもいいくらいです。

これを公務員の世界では「官費旅行」と言います。税金で旅行するくらいの意味で、そのままだと傲慢な響きがありますが、本当のところは、「引っ越し貧乏」と言うと哀しくなるので、それを隠して強がっているだけだと思います。ともかくも、日本中を知っている感覚というのはうれしいことであり、国家公務員を務めた者に対するご褒美だと思っています。

(文:小柴龍太郎)

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