【就活生必見】よくある「職業」10種 まとめ・解説

このページでは社会にどのような職業があるのかを確認していきます。それぞれの職種がどのような役割を果たしているのか、イメージを膨らませていきましょう。志望する「業界」がなかなか定まらない人は、まずどんな「職業」に就きたいか考えることもおすすめです。

それでは主な職業10種、ご紹介します。


1.営業

「営業」は、企業や個人に対し、自社の商品やサービスを案内し、契約を結ぶことを目指す仕事です。

営業といっても、会社や業種によって様々な形態がありますが、「新規開拓営業型」と「ルート(固定客)営業型」などや法人向け・個人向けなどにさらに細分化することができます。新規開拓では、営業先候補を調査し、リストアップした後に、一軒一軒電話等でアポイントを取るところから始まります。ルート営業では、すでに取引実績がある企業や個人に決まった商品を提案したり、新たな商品を提案して、販売額を伸ばすよう工夫することが必要です。

どちらも顧客が今何を求めているのかを敏感に察知し、顧客との会話によって信頼関係を築き、実際の契約につなげる力が必要です。扱う商品の価格や、顧客の置かれている状況によって提案の仕方は変わってきます。

売上実績が上がれば給与がアップする歩合給制度や報奨金制度を設けている企業もあるので、若いうちから高収入を目指したいという人には向いている職種と言えます。

【営業】の主な職種

「営業」には大きくは、企業に対して商品を案内し契約を結ぶことを目的とする「法人営業」と、一般の消費者に対して商品を案内し契約を結ぶ「個人営業」があります。

仕事の形態としては、窓口で顧客に対応する「カウンター営業」、自社の商品の販売代行を行う「販売代理店」となる企業を探し、交渉・契約・サポートまで行う「代理店営業」、海外拠点を設けてそれぞれび国の事情を調査した上で営業活動をする「海外営業」など活躍する場所が異なる様々な営業職があります。

業界は限られますが、商品の技術面について顧客の疑問を解消し、営業活動をサポートする「セールスエンジニア」、製薬会社の営業として確かな知識を持ち医療機関を回る「MR(医薬情報管理者)」などの専門的な営業職もあります。

2.事務・スタッフ関連職

「事務・スタッフ関連職」は、企業の中の“裏方”として、様々な分野で主に他の社員の仕事を支える業務を担当しています。社員が働きやすい環境を整える「総務」をはじめ、営業が取ってきた契約などに基づいて伝票を整理したり、税金の手続きを行ったりする「経理・会計」、資金繰りを担当し経営戦略など企業の方針にも関与する「財務」などに分類されます。

社員数の多い大企業では各職種ごとに部署が設けられている場合がありますが、中小企業では管理部門として、1つの部署がすべての事務・スタッフ業務を担っている場合もあります。

事務・スタッフ関連職が社内環境や、各業務の事務処理などを円滑に進めてくれるからこそ、他職種の社員が快適に仕事ができるといえます。営業職などとは違い、表舞台や最前線に立つということはあまりありませんが、例えるなら“作戦参謀”として日々企業や社員の動きを見守っている職種です。

【事務・スタッフ関連職】の主な職種

「事務スタッフ関連職」には主に、社内で必要な事務商品の調達・整備から、社内行事の企画・運営まで行う「総務」、社内のお金の管理を担当し、経営戦略に活かす「経理・財務」、社員の採用、育成、適正な部署への配置などを行う「人事」、企業活動に欠かせない法律関連の事務や管理を担う「法務」、社内のシステムの運用、管理をしトラブルに対応する「社内SE(システムエンジニア)」などの職種があります。


営業部門に所属することが多いスタッフ職としては「営業事務」があり、外出の多い営業社員に代わって社内での事務処理や顧客からの問い合わせなどにいち早く対応し、営業職を支えています。

また、企業そのものの社会的活動や製品の情報を社会に広く発信することで、間接的に会社の利益を追求する「広報・宣伝」 などの職種も含まれます。投資家向けに情報を開示し、投資を続けてもらうIR(Invester Relations)も広報職の一部です。

3.企画・マーケティング

「企画・マーケティング」は、企業の過去の実績を分析し、未来を築いていく重要な職種です。「マーケティング」の業務は、市場の動向の調査を行い、そのデータの分析をしてより売れる商品の開発や、販売促進の戦略に活かすことです。調査そのものに労力がかかるので、マーケティングを専門に行い、企業から外部委託を受ける会社も存在します。

そのようなマーケティング分析などに基づいて、経営企画や新規の事業企画、商品企画など、企画する内容の規模の違いはありますが、共通して今後の会社の方針を企画・立案していくのが「企画」の仕事です。

いずれにせよ企業のことを総合的によく理解し、市場での立場を客観的に見ることが必要な部署なので、豊富な知識量が必要ですし、その分責任もやりがいも大きい職種だと言えます。

【企画・マーケティング】の主な職種

市場調査を行う「マーケティング」は、アンケート調査や店舗の販売実績調査などあらゆるデータを扱い方から検討し、分析していきます。

「企画」職には、経営の全体的な課題に取り組み、企業の根幹となる企業戦略を練る「経営企画」、既存の事業の見直しや、新規の事業計画を立てる「事業企画」、商品の生産工程や、価格設定からパッケージの企画まで手がける「商品企画」 などの分野があります。

4.技術関連職:メーカー系

「技術関連職:メーカー系」はメーカー企業の中で、研究を行ったり、商品の製造過程において技術的な仕事を担当したりする職種です。一般に「研究職」と呼ばれる職種もここに含まれ、大きくは「基礎研究」と「応用研究」に分かれます。企業内で研究を続けていくからには、予算と納期の範囲内で結果を出し、利益につながるような成果を出すことが求められます。

また、企業内での研究のみならず、他分野の研究者やエンジニアと共同で研究・設計をする場面や、顧客企業からの要望に応えて技術を開発し提供することが求められる場面もあります。

企業内の“職人”的なイメージが強い仕事ではありますが、その実態は独り寡黙に作業し続ける、というよりは社内外と広く連携し共同で協力しながら作業を進める開放的な一面もある職種です。

【技術関連職:メーカー系】の主な職種

「技術関連職:メーカー系」を代表する職業に「研究職」があります。「研究職」の中の「基礎研究」は、製品開発そのものよりも、製品開発に役立つ可能性のある未知の領域を広く扱い研究の対象とする仕事です。それに対し「応用研究」は既にある技術を自社製品の開発に結びつけていく仕事です。どちらも社内でプロジェクトチームを組んだり、他社・大学・公共機関などと共同で研究したりします。

その他の主な「技術職」としては、製品の機能や性能の向上を追求し、新商品の設計や既存商品の設計の見直しをする「設計技術」、製品の量産体制を確立し、生産コストを管理する「生産技術」などがあります。

また建設業界には、道路や公園を設計する「土木設計」、オフィスビルやショッピングセンターを設計する「建設設計」、住宅の設計を担当する「住宅設計」などの設計に関する仕事があり、「1級建築士」の資格取得者は高く評価されます。人件費や資材代など工事の費用を算出し、管理する「積算技術者」と合わせて、「建設関連技術職」と呼ばれています。

5.技術関連職:IT・通信・インターネット系

「技術関連職 IT・通信・インターネット系」は、IT・通信・インターネット業界で活躍する「技術職」などです。近年、急成長を遂げている業界の職種なので、様々な分野の中から、自分がどの分野のスキルを伸ばしたいのか考え、その分野を強みとする企業を選ぶことが必要です。

この職種は自社内で作業する業務もありますが、顧客企業の内部で作業する業務もあるため、担当企業との信頼関係を構築することが必要な場面もあります。


いずれにしても、日々技術が進化している業界内の職種なので、最新技術などの知識の習得や、新たなスキルを身につけ続けようという努力が必要な職種です。

【技術関連職:IT・通信・インターネット系】の主な職種

「技術関連職:IT・通信・インターネット系」の「SE(システムエンジニア)」は顧客の課題やニーズをヒアリングし、必要なシステムを提案します。

そしてSEのシステムの提案書に基づいて実際にシステムを構築しプログラミングを行うのが「プログラマ」です。一般的にプログラマとして経験を積んだ後に、SEにステップアップするケースが多いと言われています。

その他、ネットワークの開発やセキュリティの確保などを扱う「ネットワークエンジニア」、企業、個人に関わらず顧客のトラブルを理解し、解決に導く「サポートエンジニア」などの職種があります。

6.金融スペシャリスト

主に金融業界で活躍する「金融スペシャリスト」は、責任を持って自社や顧客の高額な資産を取り扱うために、お金に関する高度な知識を持ち、専門的な取引などを行う職種です。

入社からいきなりすべての業務を任されるということは少ない職業ですが、大学の専攻や取得資格によっては評価され、プロジェクトのサポートなどから業務に参加することも考えられます。

「ディーラー」など、ハイリスク・ハイリターンで業務にあたる必要のある分野もあり、確かな経験と強靭な精神力も求められる職種とも言えます。

【金融スペシャリスト】の主な職種

「金融スペシャリスト」には、自身が取引などを扱う仕事として、自社や顧客の資金を株式や債券に投資することによって運用利益を稼ぐ「ファンドマネージャー」、株・債券・為替などを売買し、差益を得る「ディーラー」などがあります。

経済動向を読んで予測を立て投資家にアドバイスをする「証券アナリスト」、主に証券会社で、中小企業やベンチャー企業の株式公開に向けた長期間にわたるコンサルティングやアドバイス、事務までを担当する「公開引受」、保険会社で保険商品の開発に際し、適切な保険料を算出する専門家、「アクチュアリー(保険数理士)」
などの職種もあります。

他にも、金融系の専門職には、投資家の代理で有価証券の保管・譲渡・決済・配当金の徴収などを行う「カストディ」や、金融機関で融資を行う際に相手企業の経営状況などを調査する「与信管理・審査」など、専門的な知識と経験が必要な職種が多く存在します。

7.流通・サービス関連職

「流通・サービス関連職」は、私たちが日頃利用するお店の表から裏までを管理する職種です。組織として、接客や陳列などを担当する「販売・サービス職」の上司にあたる「店長」や、複数の店舗を統括する「SV(スーパーバイザー)」という職種があります。

各店舗のほかに、店舗の管理をする本部機能がある本社がある場合が多く、その中で「バイヤー」や「店舗開発」などの専門職が籍を置いています。巨大チェーン店であるほど本部社員の責任は大きく、各店舗の業務を左右することになります。

まずは販売員として店のことをよく理解したのちに、複数店舗の店長を経験し、SVへとステップアップしていくというケースが一般的です。

【流通・サービス関連職】の主な職種

「流通・サービス関連職」にも様々な職種が存在します。

例えば、店舗で消費者と直に接し、お客様の生の声を店づくりに活かす「販売・サービス職」、店の責任者として店づくりから従業員の働く環境整備にも気を配る「店長」、複数店舗を横断的に客観的に見ることによって、各店の問題を見出し解決へと導いたりすることによって、グループ全体の利益アップを図る「SV(スーパーバイザー)」といった職種があります。

また本社に所属して、全国の店に並ぶ商品の買い付けを国内外に出張して行う「バイヤー」、マーケティング結果をもとに、取り扱う商品の構成、販売量、価格などを決定する「MD(マーチャンダイザー)」、新規出店の戦略を立てたり、加盟店契約の交渉や土地・物件所有者との交渉なども行う「店舗開発」などの専門職もあります。

8.制作関連職

テレビや雑誌などのメディア制作に関わる「制作関連職」には「編集」や「プロデューサー」などをはじめ、様々な職種があります。

各メディアごとに専門的な知識と技術が必要になってくるので、「アシスタントディレクター」などのサポート的な仕事から経験を積み、ステップアップしていく必要があります。「カメラマン」や「ライター」「音声技術」などの職種はフリーランスのほか、出版社所属したり、それぞれの職種に特化した専門の会社に所属する方法もあります。

【制作関連職】の主な職種

「制作関連職」には、例えば雑誌のページの企画を立て、スタッフまとめて撮影、編集までトータルで管理する「雑誌編集」という仕事があります。


テレビ局や制作会社に所属し、番組の企画や制作進行管理をリードする「TVプロデューサー」、CMの企画や企業への提案、制作準備や進行管理を行う「CMディレクター」、同じくWEBサイトの企画、進行を管理する「WEBプロデューサー」などメディアごとに職種は異なりますが、大人数のスタッフを取りまとめ、納期までに仕上げるのがこの職種の共通した課題です。

9.農林漁業従事者

「農林漁業従事者」は「農業」や「林業」などに従事する職種のことで、自営業者が多い職種です。今までは従来の農家などの後継者になるなどの方法が一般的で、新規参入が難しい業界でしたが、最近では、農林漁業など第一次産業に取り組む企業も増えており、就職先としての農業なども検討できる時代になってきました。

感覚的にしかわからない業務や、体力勝負の業務ばかりの職種だというイメージが強い職種ですが、より働きやすく続けやすい仕事になるよう工夫するベンチャー企業の台頭も見られ、若いうちからの活躍も期待できる職種だと言えます。

【農林漁業従事者】の主な職種

「農林漁業従事者」には、農作物の育成、出荷業務を行う「農業従事者」、木材の育成・出荷や森林の管理を行う「林業従事者」、海産物の捕獲、出荷を扱う「漁業従事者」などがあります。

10.公務員

「公務員」は、企業のように金銭的な利益を追求するのではなく、国民や市民の社会的な利益を追求する職種です。行政サービスに対して対価をもらうことを目的とせず、決められた予算を一般の人々のためにどのように使ったかということが評価される仕事です。

様々な職種があり、それぞれに業務の内容や必要な技能は異なりますが、国民や市民のために働くという責任ややりがいの大きい仕事だと言えます。

公務員になるには、公務員試験を受けて合格することが求められるため、希望する職種にはどの公務員試験を受ける必要があるのか、面接日が重なっていないかなどを確認する必要があります。

【公務員】の主な職種

「公務員」には大きく分けると「国家公務員」と「地方公務員」が存在します。

「国家公務員」には、中央省庁で勤務し国の行政の事務を担う「省庁職員」や「検察官」、刑務所の治安維持を担う「刑務官」などの職種があります。

「地方公務員」には県庁や市役所に勤務し、県民や市民のために行政事務を行う「県庁職員」「市職員」をはじめ、「警察官」、公立学校の「教職員」、消防署に勤務する「消防職員」などとても幅広い職種があります。

まとめ

このページでは、これから就職する大学生向けに、どのような職業があるのか、その種類を一覧でまとめました。

それぞれの企業や業界の内部の仕事は、消費者として生活しているとなかなか知り得ない部分もあったと思います。就職活動を始めるにあたり、自分がどのような職業に就きたいのか、少しずつイメージがわいてきたでしょうか。

今後、就職活動で「求人情報」を見る際には、その企業がどのような職種で求人募集をしているのか確認していきましょう。実際には、入社後に適性を見て配属が決定される、「総合職」や、配属先や勤務地が限定されている「一般職」、「地域限定職」などで募集されている場合もあります。

そういう場合には、企業の説明会などの機会を利用して、社内にどのような部署や職種があるのかを積極的に質問するのもよいかと思います。

もちろん、ここに掲載されている以外にも世の中には様々な職種が存在します。自身が希望する業界がなかなか決まらないという人は、このページに掲載されている職業や、そのほかのあらゆる職業について調べ、どのような仕事をしていきたいかという視点から就職先を選択していくことをおすすめします。

本記事は、2017年12月1日時点調査または公開された情報です。
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