「公務員」を英語で言うと?その2「政治家編」 – 公務員総研独自調べ

「公務員」を英語で言うと?シリーズの第二弾は公務員の一員である議員など「政治家」などの職業や、政治家の業務によく登場する用語の英訳についてまとめます。日本の政治制度を英語で説明するにはどのような単語を使用するのか、知っているようで知らない用語や、気になる表現を中心に考察します。


「公務員」を英語で言うと?シリーズ第二弾、今回は、特別職の「公務員」にあたる国会議員などの「政治家」について、英語で表現するとどのようになるのか、公務員総研が独自に考察しご紹介します。

必ずしもこちらで紹介した表現だけが正解というわけではありませんので、それぞれの職種や用語を英語で説明するとどのようになるのか、自身でも検討するきっかけになればと思います。

「公務員」を英語で言うと?その1 – 公務員総研の独自調べ

「公務員」を英語で表現するとどのようになるのか、知っているようで知らない職種も多いのではないでしょうか?

政治家に関係する用語を英語で言うと?

実は「公務員」の一員である国会議員などの政治家にも、英語で自身のことを説明する機会は多々あるかと思います。今回は「公務員」につづいて、「政治家」に関する基本的な用語の英語表現について考察していきます。

「政治家」一般に関する英語表現

政治・政治家・政党を英語で言うと?

まず、政治家に関する英語表現についてです。

「政治」は「politics」、「政治家」は「politician」です。大多数の政治家が所属する「政党」は「Political party」、政党に属さない「無所属議員」のことは「an independent (Diet member)」と表現します。後ほど詳しく説明しますが、「Diet」とは日本の「国会」を意味します。日本語で食事制限などを指すダイエットも、同じ「diet」という単語が由来となっており、英語の「diet」にも食事制限という意味があります。

政策を実行できる権力のことを指す「政権」は「政治上の権力」という意味の「political power」や、「(国を)管理する」という意味で、「administration」と訳すようです。「administration」は、「管理・運営・経営」という意味や、「統治、行政」という意味をもつ英単語です。

政策を英語で言うと?

政治家個人で示すほか、政治家が政府や政党などそれぞれ組織として示す、政治上の方針や手段である「政策」は「policy」です。

一般的に和製英語である「ポリシー」を使う際には、「個人的な方針」を指すことの方が多いと思いますが、実は「政策」にも、英語の「policy」にも、「政治上の方法や手段」という意味だけでなく、「会社・個人の方針や手段」という意味もあります。

英語に詳しい人がカタカナで「ポリシー」と表現する時には、「政治上の方針」や「業務上の方針」という意味で使用することがあるかもしれませんので、注意が必要です。英語の「policy」も文脈によって内容が変わってくるということを意識しておくと、混乱せずに済みそうです。


「政府」に関する英語表現

次に、日本の政治の中枢である「政府」に関する英語表現です。

「政府」全体のことを一般的に「government」と表現しますが、「内閣」を指す場合には「cabinet」と訳します。

「内閣」と「飾り棚」の意味がある「cabinet」

この「cabinet」には、カタカナの「キャビネット」という時に指す家具の「飾り棚、飾り箪笥」という意味もあります。「内閣」と「飾り棚」が同じ「cabinet」という単語で表現できるというのは、不思議な気がしますね。もともとは「船室」という意味の「cabin」が語源のようですが、日本ではイギリスの政治制度を取り入れた際に、イギリスで使われていた各省の大臣の集合のことを指す「cabinet」を「内閣」と訳したと言われているそうです。

「government」と「governance」

また「government」は「統治、施政、行政、政治組織」などの意味があり、カタカナで言う「ガバメント」として日本でも一般的に使用されています。それに対して、近年よく耳にする「ガバナンス」の語源である「governance」にも「統治、支配」などの意味がありますが、政府そのもののことは指さないようです。「あらゆる統治の手段、方法」のことを指し、政府による統治を指す事もありますし、企業の統治や住民自治などあらゆる場面で用いられる用語です。

またガバメントが中央集権的であるのに対し、分権的という意味で「ガバナンス」を用いるという考え方もあるようです。「government」と「governance」の違いは押さえておくとよいでしょう。

内閣のメンバーや支持率を英語で言うと?

「大臣」は「minister」、内閣のトップである「内閣総理大臣」は「the Prime Minister」と訳します。

内閣のメンバーである大臣たち、つまり「閣僚」は「cabinet members」です。政府を支える中央官庁スタッフの「官僚」は「Bureaucrat」です。「中央官庁」は「Central Office」でも伝わりますが、「Central government agencies」など、より詳しい意味での対訳もあるようです。

内閣にとって重要な「支持率」は「approval rating」や「support rating」などのように表現します。

「国会」に関する英語表現

続いて、国会議員の最も重要な職場のひとつである「国会」に関する英語表現についてです。

国会を英語で言うと?国によって違います

「国会」については国によって英訳語が異なります。日本の国会のことは「Diet」と訳します。他にもスウェーデンやデンマーク、ハンガリーでは国会を「Diet」と表現するようです。ちなみに日本でもよく耳にする食事制限という意味のダイエットも、同じ「diet」がカタカナ語として表現されるようになった言葉です。「diet」には他にも、「日常の食べ物」という意味があるそうです。

「Diet」以外の単語を使用する例として、アメリカの「国会」は「congress」、イギリスの「国会」は「Parliament」と表現します。

国会議員・委員会・議案などを英語で言うと?

「国会議員」のことは「Diet members」、国会議員が所属するいろいろな「委員会」は「committee」です。「committee」については、国会に設置される委員会だけでなく、一般的な委員会の事も指すことができます。

国会に提出され議論される「議案、法案」は「bill」、日本の最高法規である「憲法」は「constitution」です。

衆議院と参議院を英語で言うと?

国会の中の「衆議院」は「the House of Representatives」です。「representative」は「代表する」という意味もありますが、アメリカ議会では「下院」という意味もあり、このような英訳になるようです。

一方、「参議院」は「the House of Councilors」と訳します。「councilor」には「参議、顧問、議員」というような意味があるようです。


与党と野党を英語で言うと?

国会の中で政府側につく「与党」は「government party」あるいは「ruling party」などと訳します。「ruling」は「rule」の現在分詞で「支配する」という意味がありますので、直訳すると「(国会を)支配する政党」という意味になります。そして「野党」は「opposition party」です。「opposition」には「反対、抵抗」などの意味があります。

「地方自治体の政治」に関する英語表現

次に、「地方自治体の政治」に関する英語表現についてです。

地方自治体で使われる用語について、英語訳を検証したいと思います。まず、都道府県のトップである「知事」は「governor」です。地方議会で定められる「条例」は「regulation」です。

都道府県・区市町村を英語で言うと?

続いて、都道府県それぞれの訳語を確認します。「道・府・県」は「prefecture」で、「県民」は「prefectural inhabitants」と表現します。東京都は「首都」という意味の、「metropolis」を使うようです。

区市町村については「区」が「ward」ですので、「区民」は県民と同じようにinhabitantsを使って「inhabitants of ward」と訳せます。

「市」は「city」、「市民」には「citizen」という英語が当てはまります。「市長」は「mayor」です。

そのほか「町」は「town」、「村」は「village」です。「町長」は「town mayor」、「村長」は「village mayor」とそれぞれ訳すことができます。

外国の一例:「アメリカの政治」に関係する英語表現

アメリカの政治制度に登場する用語の英訳についてご紹介します。日本の政治制度には使われない言葉もありますので、違いを意識すると面白いと思います。

まず、「大統領」は「president」、「副大統領」は「vice- president」です。

アメリカの「上院」を指すのは「the Senate」で、「上院議員」のことは「senator」と表現します。「下院」は日本の衆議院と同じ「the House of Representatives」で、「下院議員」のことは「representative」と表現するようです。

「選挙」に関する用語の英語表現

政治家にとって重要な戦いである「選挙」についての英語表現を考察します。まず「選挙」は「election」です。立候補者の能力が問われる「選挙演説」は「campaign speech」などと訳すことができます。「campaign」は、日本でよく耳にする企業などによる販売促進運動を指す「キャンペーン」とは意味が異なり、「選挙運動」や「遊説」などを指すのでこのような訳になるようです。

投票・議席・出馬など、選挙の時に出てくる言葉を英語で言うと?

「投票」は「vote」、政治家にとってその獲得数が重要な「議席」はシンプルに「seat」です。「seat」は一般的には「座席」の意味ですが、政治用語としては「議席」を意味するようです。「出馬」は国会を目指す行為なので、「running for the Diet」などと訳すことが多いようです。

「選挙公約」は「campaign promise」などと訳しますが、最近カタカナ用語としてもよく耳にする「公約文書、宣言」という意味の「マニフェスト」は「manifesto」と書きます。「manifesto」はイタリア語で「はっきり示す」という意味の「manifestare」が語源とされているようです。

当選・落選を英語で言うと?

そのほか「当選」は「election」や「success in election」などと訳し、「落選」は「敗北、挫折」という意味の「defeat」という単語を用います。「defeat」を動詞として使用する際には自分が負けることではなく「相手を打ち負かすこと」を意味します。

「お金」に関する用語の英語表現

政治に関係する「お金」に関する用語を確認します。「政治資金」は「political fund」、「献金」は「donation」です。「donation」は「寄付」という意味がありますので、政治用語としては「献金」を指します。また、登場するのはドラマや映画だけにしてほしい政治用語の「賄賂」は「bribe」と訳します。

「税金」に関する用語の英語表現

「税金」についての政治用語をまとめます。まず「税金」は「tax」、「taxation」などと訳します。度々税率について議論される身近な税金「消費税」は「consumption tax」と表現します。

日本国民の義務「納税」は「tax payment」です。政治に直接は関係ありませんが、税金に関してよく聞く「年末調整」は「年末の税金の調整」という意味で、「year-end tax adjustment」と訳すことができます。

「予算」に関する用語の英語表現

続いては政治には欠かせない「予算」に関する用語です。「予算」は「budget」、政治家などによって審議される「予算案」は「予算の議案」のことなので、「budget bill」です。「資金報告書」は「financial report」です。

まとめ

このページでは、公務員の一員である議員など「政治家」に関する用語について、公務員総研で考察した英語訳の例をまとめました。議員が公務員だということは意外と忘れがちなところではありますが、これを機に他の公務員用語と一緒に押さえておくことをおすすめします。


日本独自の政治制度に対する英語訳や、アメリカなど他国の政治について説明するときなどに使う用語もありました。政治制度は国によって様々ですので、英語で説明できるだけの語学力を身につけておくことで、世界へ向けた仕事の幅も広がるでしょう。

今後、国会議員はもちろん、地方議員も世界へ向けて地元をPRする機会が増えていくことが予想されます。ここにまとめた英訳はほんの一部にすぎませんので、他にも必要な用語があればご自身で調べてみてください。

本記事は、2018年1月10日時点調査または公開された情報です。
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