【日韓比較】韓国の国柄がわかるテレビ・マスコミの内容について

日本に住んでいると、他国のテレビ番組を視聴する機会はあまりありません。

本記事では、韓国に住む筆者が、韓国のテレビ・マスコミについて日本と比較して、まとめました。


在韓日本人によるコラム紹介(日韓比較)

日本ではずいぶん前から韓流ブームが続き、最近は下火になったと言われながらも、韓国ドラマを好んで見ている人は相変わらず多いようです。

韓国に関するニュースも、今は日本でも普通に目に耳に入ってくるようになりましたが、マスコミに関しては日本と違う部分が結構あります。

お国柄がよく分かる、韓国のテレビ・マスコミについてレポートです。
2019年2月1日執筆です)

お天気キャスターは皆ボディコンシャス

ニュース番組に付き物の天気予報コーナー。今日一日の天気、明日の天気や週間予報と、もはや日常生活に欠かすことのできない大切な情報ですよね。

さて、天気予報に出てくる、いわゆる「お天気お姉さん」。日本では時に気象予報士の男性が担当することもありますが、韓国では天気予報担当はなぜか全員女性です。

しかも!彼女たちの服装がまたすごいんです。型で押したように、揃いも揃ってみんなボディコンシャスなワンピース。もちろん、ニュース番組の1コーナーですから、日本のバブル時代のピチピチなボディコンではありませんが、体のラインにフィットした、くびれが良く分かる洋服なんですね。

ボディコンですから、当然ながらスカートはミニ丈または膝上丈ですらりと伸びた足にハイヒール、彼女たちのヘアスタイルはほとんどストレートに近い、毛先だけ少し巻いてある感じのロングヘアです。

日本のお天気お姉さんは、わりとふわっとした感じの親しみやすいファッションが多いと思うのですが、いかがでしょうか。膝が隠れるフレアスカートにきれいに編みこんだ髪型も、日本ではよく見られるスタイルですよね。

ところが韓国では、見目麗しい「お天気お姉さん」が、朝鮮半島の地図が映し出された天気予報図と一緒にほぼ全身が映し出されてお天気情報を伝えてくれます。まるで、彼女のスタイルの良さを強調するかのように…。

ここで話が少し脱線しますが、韓国の天気予報では、必ず朝鮮半島全土の地図が出てきます。つまり、北朝鮮まで含まれた地図を使い、韓国の領土である半島の南半分の要所要所にお天気マークや気温が表示されているのです。

そして、天気予報の時に韓国の首都ソウルを示す言葉は「中部地方」です。えっ、中部地方?ソウルは韓国の中でも北朝鮮寄り、つまり北部にあたるはずなのですが…しかし、朝鮮半島全図で見た場合、ソウルの位置は半島のちょうど中ほどにあるので中部地方になるわけですね。


最初にこれを知った時、私は軽いショックを受けました。

朝鮮戦争が休戦となってから60年以上経ちますが、これまで韓国では北朝鮮のことを敵国とみなしてきたわけです。それにもかかわらず、天気予報では朝鮮半島全図を映し(北朝鮮の天気は表示されませんが)、首都ソウルのある地域を半島の中部と表現している…。

日本の天気予報でも朝鮮半島を含めて大陸の地図が映りますから、半島全図が映し出されること自体はおかしいことではないのでしょうね。でも、私には少し理解が難しい部分です。

このように、天気予報を見ている私は深い考えをいろいろと巡らせているわけですが、当のお天気お姉さんは何の疑問もなく、今日も素敵なファッションでにこやかに天気予報を伝えています。

メダルの獲得に「失敗」?

おりしも冬季オリンピックシーズン。そろそろ、韓国で開催される平昌オリンピックが始まりますが、冬季だからか、国民の盛り上がりはイマイチといった印象です。街中ではオリンピックの広告を目にすることができますが、自国開催とは思えないほどに人々は冷めている気がします。

私が韓国に来てから、夏季、冬季含めてもう何度もオリンピックシーズンが過ぎました。オリンピックといえば金・銀・銅のメダルですね!オリンピックに出場するだけでも血のにじむような努力の賜物なのに、その中でメダルを取る選手は、本当に尊敬に値すると思います。

ところで韓国でのオリンピック報道を見ていると、私は毎回、不満に感じることがあるのです。

その日のオリンピックの結果を報道する番組で、韓国のキャスターたちは日本のような表現はしません。どういうことかと言うと、例えば3位決定戦で韓国選手が敗れた場合。日本では「惜しくも銅メダルを逃しました」、「銅メダルに手が届きませんでした」といった言い方をしますよね。

日本では「頑張ったのに残念でした。お疲れ様でした」というニュアンスが充分に込められた表現を使う一方、韓国では「銅メダルの獲得に失敗しました」と、選手を一刀両断してしまうんですね。

失敗って…ひどくないですか?大体、メダルを取るのに成功とか失敗ってあるんでしょうか?

もちろん、オリンピックに出場するからには、選手の皆さんはメダルを取ることを最終目標とし、国民もまた期待してはいるでしょう。でも、選手本人の口から成功・失敗という言葉が出るならともかく、報道の立場で「失敗した」なんて言うとは…なんだか悲しくなりますよね。

私の夫にこの話をしたら、夫は私の意見に同調してくれました。「そう言われてみればそうだよね」と。しかし、何年もずっと韓国の報道でこのような表現がされているということは、一般的な韓国国民は特に疑問に感じるものではないのでしょう。

バラエティ番組はどこまでも穏やか

私は韓国に来る前、日本で働いていた時にも韓国人の友人がたくさんいました。彼(彼女)らはほとんどが韓国からの留学生で若者だったので、日本のバラエティ番組を好んでよく見ていたようです。

当時、韓国人の友人から何度か聞かれたことがあります。日本の番組では、どうしてあんなに出演者の頭を殴るのか?と。殴られたほうはどうして怒らないのか?と…。

子供の頃から日本のバラエティ番組に慣れ親しんできた私としては特に疑問に思わない部分だったので、そのような指摘を受けて何と答えたらいいか考え込んでしまいました。


友人の問いに最終的に出した答えは憶えていないのですが、きっと日本の文化だの、面白いからやっているんだくらいのことを言ってやり過ごしたのではないでしょうか。

その後韓国に住み始め、こちらのお笑いやバラエティ番組を見るようになって、当時、韓国の友人たちからどうしてそのような質問を受けたのか理由が分かったのです。

韓国のバラエティ番組は、それはそれは和やかというか穏やかで、もちろん大爆笑の場面が目白押しではあるのですが、日本のように人をぶったり、言葉でひどく貶めたりといった過激な場面は一切ありません。また、エッチな要素も全く盛り込まれていないのです。

刺激に慣れている日本人の私にとっては、ちょっと物足りなさすら感じるほど、品行方正で教科書のような構成のバラエティ番組になっています。それが面白いのかどうかというと…内容的には面白いのですが、枠にはまっている感じは否めません。

日本も最近は規制が厳しくなり、昔に比べるとあまり過激なコンテンツは放送されなくなったように思います。あるタレントにいじめに近いようなチャレンジをさせ、それを周りで観察しているようなものはだんだん無くなりつつあるようです。

そうは言っても、韓国の穏やかなバラエティ番組と比べるとまだまだ刺激的です。

国民性を見ると、日本人よりも韓国人のほうがよほど激しい性格なのですが、テレビ番組を見るとまったく反対なのが不思議です。

まとめ

今日は、韓国のテレビ・マスコミの一部分に触れてみました。似ているようで似ていない日本と韓国のマスコミ、いかがでしたか?

日韓では番組にかけられる予算の違いが大きいという話も聞いたことがあり、未だに日本の番組を真似したような内容のものも見られます。

韓国も、日本のようにテレビ離れがどんどん進んでいるようです。マスコミ業界はどうなって行くのでしょうか、興味深いところですね。

本記事は、2021年2月14日時点調査または公開された情報です。
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