【自衛隊の給料】自衛隊の給料は階級・勤続年数・号捧・手当がポイント

自衛隊は、日本の防衛を行う特殊国家公務員です。今回は、自衛隊の給料・年収や福利厚生、退職金、年金などについてご紹介します。自衛隊の給料は、「階級」「勤続年数」「号捧」「手当」の4つをポイントにして決定します。


自衛隊の給料はどれくらい?「階級」がポイントとなる

「自衛隊」は、国家公務員であることから給与が安定しており、一派企業のように学歴による給与格差がありませんが、階級に基づき、給料が計算されます。さらに、号俸と呼ばれる昇給額が定められており、基本的には1年で4段階アップし、成績が良いと6、8段階アップするといったような制度になっています。

それに加えて、各種手当が加算されるため、例えば、パイロットや戦闘機操縦などの「特殊な技能」を必要とするポジションほど、給与が高くなります。しかし、当然、職務上、有事の際はそれだけ危険が身に降りかかる可能性が高まりますので、それに相応しい給与制度が構築されています。

そして、また、自衛隊は妻帯者には扶養手当が付きくのも特徴で、そのため、独身の自衛官の平均年収が300万円程に対し、子持ちの自衛官の平均年収は500万円程だといわれています。

自衛隊の入隊区分で「階級」が変わる

自衛隊に入隊する方法は、主に、自衛官候補生、一般曹候補生、一般幹部候補生、防衛大学校卒者の大きく4つ挙げられます。

幹部(キャリア)の方が、給料は高めに設定されている

この4つのうち一般幹部候補生、防衛大学校卒者は、自衛隊幹部としてのスタートとなるので、自衛官候補生、一般曹候補生よりも給料が高く設定されています。自衛官候補生、一般曹候補生で入隊した後に試験を受けることで幹部になることも可能ですが、一般幹部候補生、防衛大学校卒者よりも幹部になるまでに時間がかかるので昇給にも差が生まれます。

自衛隊の給与は他の公務員に比べると給与が高め

また、自衛隊は危険を伴う任務が多いことから、他の公務員と比べると給与が高く設定されています。さらに、自衛隊員(自衛官など)は、特別職国家公務員に定められているため、通常の給与にプラスして手当が充実しています。

自衛隊の初任給

自衛隊に入隊したばかりの候補生は、おおよそ16万円程の初任給ですが、自衛隊の一番下の階級である士官は平均20万円、曹階級ともなると22万円、准尉にもなれば235万円ほどになり、幹部以上になれば40万円以上もの給与を受け取ることができます(2017年現在)。

自衛隊ではどのようにして給料が上がる?

自衛隊は、階級により給与が異なっており、努力や勤続年数により階級を上げることができれば、それに伴い給与が上がることもあります。

基本給の他にも任務などに応じて手当がつく

基本給のほかにもボーナスにあたる期末手当や夜勤手当、扶養手当などの各種手当が付きます。また、災害時に被災地に派遣されると災害派遣手当や不発弾など爆発物の処理を行えば爆発物取扱作業等手当など、自衛隊ならではの特殊手当が加算されることもあります。

自衛隊の福利厚生について

自衛官は、特殊な任務につくことも多いため、各種手当や年金が他の公務員よりも恵まれています。

手当は地域手当や扶養手当などの一般的なものから、災害派遣手当や爆発物処理手当などの任務に応じた手当が支給されます。そのほかにも、住居費や食費、医療費、医療費が無料なため、生活する上でお金を使う場面が少ないため貯金もしやすい環境です。


自衛隊の年金について

また、年金も充実しており、定年となる50代前半を過ぎても、生活保障が整っています。

自衛隊は、公務員のため共済年金に加入し、定年後に支払われる年金は勤続年数で異なります。例えば20歳で入隊し、定年となる50代前半で退職したとします。年金は、65歳から支払われ、およそ月額15万円程を受け取ることができます。

ここで問題となるのが、年金が支払われるまでにおよそ10年のブランクがあることです。ほとんどの自衛官が50代で定年を迎えるのに対して、年金の受給開始は65歳から。この10年間を生きるために、再就職やアルバイトをしてしのぐ自衛官もいます。

しかし、若年退職給付金という制度を使用すれば、受給タイミングより早く年金を受け取ることができます。若年退職給付金とは、年金が支払われるまでの間に支払われる給付金で、2回に渡って支払われます。

若年退職給付金は、年金が支払われるまでのおよそ10年の生活費になるように、勤続年数などで異なりますが、平均して1000万円程支払われます。後にご紹介する退職金と合わせれば、年金が支払われるまでの期間、生活することができるでしょう。ただし、再就職先の賃金が高額な場合は、受給できる金額が減る可能性もあります。

「元自衛官」の肩書は再就職で有利に

そして、福利厚生とは異なるのですが、「元自衛官」という肩書は、再就職の際に強みとなります。在職中に様々な資格を取得できるので、その資格を生かした仕事に就くことができるほか、任期中にになった体力を生かした仕事に就くこともできるでしょう。

自衛官が死亡または重度の障害が残ってしてしまった場合

危険な任務に付くこともある自衛官は、時として命にかかわることもあります。もし自衛官が死亡または重度の障害が残ってしまった場合には、法律に規定された賞じゅつ金として、最大で約3000万円が支払われます。

命を落とすことは決してあってはならないことですが、後に残された生活・家族のことを思えば賞じゅつ金が支払われることを把握しておきましょう。

賞じゅつ金に関する訓令

自衛隊の退職金について

自衛隊の退職金は、給料と同じく号捧と勤続年数で計算します。まず勤続年数に対して倍率が決まっており、その倍率を号捧にかけた額が退職金です。さらに、これに階級ごとの調整額というものがあり、調整額は調整月額 × 60月で求めます。

つまり、自衛隊の退職金は、号捧×勤続年数+調整額で決まります。例えば勤続年数30年の1曹の場合、倍率は約40倍、号捧は約38万です。そこに調整額をプラスした、約2000万円が退職金として計算されます。

これだけを見ると退職金は多いように感じますが、自衛官の定年は50前半代と早めです。そう考えると、退職金だけではその後の生活に不安を感じてしまうかもしれませんが、定年年齢が早いことからその後、再就職がしやすくもあります。

まとめ

今回は、自衛隊の給料や福利厚生についてご紹介しました。

日本を防衛するという特殊な仕事を行う自衛隊は、給料や福利厚生の面で、他の公務員よりも恵まれています。それを理由に自衛隊を選ぶという方も少なくないそうです。もちろん、日本の防衛を行うことを強い志として掲げて働かれている方もいます。

そして、同じ自衛隊でも、任期が定められている「自衛官候補生」、終身雇用が保障される「一般曹候補生」という2つの働き方があります。自衛隊として勤務を行う方法はさまざまです。あなたにあった方法で自衛隊での勤務を目指してくださいね。


本記事は、2018年2月17日時点調査または公開された情報です。
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