【陸上自衛隊に新部隊】新編された「陸上総隊」と「水陸機動団」とは?

2018年の3月、陸上自衛隊に新たに「陸上総隊」と「水陸機動団」が設置されました。自衛隊に新たな部隊が設置されるのは、なんと昭和29年(1954年)の創隊以来のことだそうです。

今回は、新編された「陸上総隊」と「水陸機動団」についてご紹介します。

陸上自衛隊に新編された「陸上総隊」と「水陸機動団」とは?

今年の3月、全国の陸上自衛隊部隊を統一で指揮する「陸上総隊」と、離島奪還作戦の専門部隊「水陸機動団」が新たに設置されました。

陸上自衛隊に新たな部隊が設置されるのは、自衛隊が発足した昭和29年(1954年)以来のことです。

それでは、この新たに加わった「陸上総隊」と「水陸機動団」についてご紹介します。

「陸上総隊」とは?

「陸上総隊」とは、全国に5つある「方面隊」を統括し、迅速・柔軟に各部隊を運用することを目的に設置された総司令部のようなものです。

「方面隊」とは、陸上自衛隊における最大の部隊で、全国に5つ配置されています。全国に北部方面隊(北海道担当)、東北方面隊(東北地方担当)、東部方面隊(広域関東圏担当)、中部方面隊(広域関東圏以西の本州全域と四国地方担当)西部方面隊(九州地方・沖縄県担当)の5つがあります。

この5つの方面隊を指揮する陸上総体の司令部は、「朝霞駐屯地」に置かれます。朝霧駐屯地の場所は、東京都練馬区、埼玉県朝霞市、和光市、新座市にまたがって設置されています。

リンク:陸上総隊公式サイト
http://www.mod.go.jp/gsdf/gcc/index.html

なぜ「陸上総隊」が新編されたのか

陸上自衛隊には、設立当初から「総司令官」が存在しません。そのため、陸上自衛隊内での指揮を一元化するために「陸上総隊」が新編されました。

有事の際、自衛隊が属する防衛省を管轄する「防衛大臣」より、命令が自衛隊に下ります。その際、海上自衛隊は「自衛艦隊司令官」、航空自衛隊は「航空総隊司令官」にのみ命令が伝われば、海上自衛隊・航空自衛隊の全部隊を展開することが可能です。

しかし、「総司令官」が存在しない陸上自衛隊では、「北部方面隊」、「東北方面隊」、「東部方面隊」、「中部方面隊」、「西部方面隊」と5つの方面隊の総監に命令を下さなければなりません。加えて、この5つの部隊で指揮権を持つ総監の意見が異なる場合があります。

例えば北部方面隊では【Aプラン】を、西部方面隊では【Bプラン】を採用するなど方面隊によって意見が異なる場合があります。この場合、全体的に調整を行わなければならず、非効率であると考えられていました。

こうした背景から、陸上自衛隊内での命令伝達を効率化するために「陸上総隊」が生まれました。これまでは、防衛大臣からの命令を5つの方面隊の総監に発する必要がありましたが、陸上総隊に司令官を置くことで、各方面隊で意見が異なった場合も強制的に従わせることができます。

ただし、「方面隊」は、「陸上総隊」に所属しているわけではありません。陸上総隊は、有事の際の「調整役」であり、「防衛大臣の命令」によって方面隊の一部または全部を指揮することができます。そのため、普段は方面隊の指揮を行うことはありません。

陸上自衛隊に新説された「水陸機動団」とは?

「水陸機動団」とは、尖閣諸島や沖縄諸島など、日本にある島が他国に占領された場合に奪還作戦を行う「離島奪還作戦」の専門部隊です。

島国である日本は、他国から攻め込まれる際には、他国から近い島が真っ先に狙われる確率が高いといわれています。つまり、日本を防衛する上で、島の防衛は欠かせない任務です。

また、最近では尖閣諸島の所有権問題など「島を巡る情勢」が問題となっています。こうした背景から、これまで陸上自衛隊にはなかった、本格的な「水陸両用作戦」を可能とする水陸機動団が誕生しました。

水陸機動団の組織体制について

水陸機動団は、「陸上総隊」の直轄部隊として、相浦駐屯地(長崎県佐世保市)に設置されています。普通科を中心とする2つの水陸機動連隊で編成されていて、およそ 2100人の自衛官が所属しています。

現在、水陸機動団では、海上での行動に必須となる技術の取得や水陸両用車を使用した訓練、ボートを使用した水路潜入訓練など、水陸両用作戦を行うための訓練が行われています。さらに、海上自衛隊や航空自衛隊、米軍との連携の向上のため、国内外の演習にも参加しています。

「水陸機動団」に導入された「AAV7」に注目

水陸機動団では、水陸両用車「AAV7」を導入しています。

「AAV7」とは、アメリカ海兵隊がイラク戦争などで使用した水陸両用車です。AAV7は、海上の輸送艦から発信すると、自力で海上を移動して上陸し、隊員を下車させた後は、搭載する機関銃などで隊員を援護する能力を持っています。まさに水陸両用で活躍する「水陸機動団」に最適な車両です。

陸上自衛隊を含む自衛隊では、平成25年まで水陸両用車を所持していませんでした。それまでは、航空からパラシュートで降下、または海上からボートで上陸するという方法を用いていました。

今回、導入されたAAV7を用いることで、迅速に作戦実行することができるのではないでしょうか。水陸機動団はもちろん、AAV7の活躍にも注目です。

まとめ

今回は、陸上自衛隊に新編された「陸上総隊」と「水陸機動団」についてご紹介しました。

陸上自衛隊に新編された「陸上総隊」と「水陸機動団」は、安全保障環境の悪化や東日本大震災の経験を経たことで必要性が高まったものだといわれています。

新編されたばかりの「陸上総隊」と「水陸機動団」が活躍に期待しています。

本記事は、2018年5月28日時点調査または公開された情報です。
記事内容の実施は、ご自身の責任のもと、安全性・有用性を考慮の上、ご利用ください。

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