暑くても意外に快適で住みやすいアリゾナ
アリゾナ州はアメリカ大陸の中でも砂漠地帯に位置します。その中でもフェニックスエリアは、アメリカで最も暑い都市として知られていて、夏の日中最高気温は毎日40℃超え、それが4ヶ月以上続きます。
夏の気温のだけ聞くと、とても人間が住む所ではないと思うかもしれません。しかし湿度が年間を通して15〜30%前後とかなり低いため、一年中カラッとしていて、高温多湿な日本の夏よりかなり快適に過ごせます。またフェニックスは地理的に、地震や竜巻、台風や豪雨による水害、冬の大寒波など、緊急避難が必要になるような災害がほとんど起こらない地域でもあります。
災害の心配が少なく、商業施設や医療サービスが充実していて生活に便利なわりに、物価が他の大都市より比較的安いフェニックスは、コロナ禍の働き方改革でテレワークに移行した人達の間でも、移住したい街として注目を浴びています。
アリゾナの夏はエアコンも破壊する
フェニックスの夏は暑いのが普通なので、家から出て車に乗るまでと、車から降りて駐車場から建物に入るまでの間以外、全てエアコンが効いています。しかしアリゾナの夏を快適に過ごせるのは、エアコンがあってのこと。もしエアコンが故障して機能しなくなれば、昼間なら約2時間で家の中が灼熱地獄と化します。
こちらでは華氏100℉(摂氏37.8℃)を超えると夏到来と言われます。例年では6月になりますが、気候温暖化の影響なのか、今年は1ヶ月半も早い5月7日に100℉を超えました。
コロナ禍でインフレが進み、今ではどこの家庭でも、以前よりエアコンの設定温度を1〜2度高くして、電気代を節約しているのが普通です。設定温度を上げる以外にも、節約のためにギリギリまで暑さを我慢して、熱波が来てからエアコンを作動させる人もいます。しかしそういうときに限って、冷媒ガス漏れで冷房が効かない!ということも起こります。そうならないためも、日頃からエアコンのメンテナンスは非常に重要です。
写真は我が家のエアコン表示パネルです。以前は日中78℉(26℃)だった設定温度を81℉(27℃)にしています。パネルの表示によると夕方5:47pmで外気温は45℃となっているので、この日の日中最高気温は多分48℃位だったはずです。
このように日中最高気温が45℃を超える熱波が続く7月には、エアコンが24時間ほぼ休みなく稼働するため、どんなにメンテナンスしていてもオーバーロードでユニット本体が壊れてしまいます。
フェニックスの夏にエアコンなしで部屋を涼しくする方法は、残念ながらほとんどありません。窓を開けても、壁の輻射熱で50℃以上になった熱風が外から入ってくるので、家の中がさらに暑くなるだけなので、修理に来てくれる日が決まるまでホテルに宿泊して、修理日は車のエアコンで涼を取りながら終わるのを待つのが普通です。
エアコンの修理依頼が殺到する夏は、早くても修理に2〜3日かります。しかし運が悪ければ、部品の取り寄せだけで2週間待ちという事も起こり、予期せぬ出費に泣くことにもなります。
車の中も絶対安全とはいえない
熱波の中でも車があれば移動は簡単、暑さに関係なく生活できます。
しかし家のエアコン同様、夏は車が故障する確率も上がります。夏の太陽に熱せられた路面温度は約90℃まで上昇し、古いタイヤや空気圧の低いタイヤはすぐに破裂してしまいます。
走行中にタイヤが破裂すると、事故を起こし易くなります。しかしタイヤの破裂自体は大した問題ではありません。問題なのは、郊外の高速道路上で走行不能になると、炎天下の中で助けを待たなければならないという点です。
もし直射日光が当たる高速道路上で助けを待っている間にバッテリーが上がって、車のエンジンを停止すると、車内温度はすぐに70℃を越えます。金属部分が皮膚に触れると火傷をしてしまうほど熱く、ボンネットで目玉焼きが焼けるほど高温になります。
ひどい脱水症状になれば命の危険もある
日本でも熱中症予防のため、こまめな水分補給を心がけるように言われていますが、アリゾナでは脱水症状にも気をつけなければなりません。
脱水症状を防ぐために必要な水分量は、1日最低1ガロン(約3.8リットル)と言われています。随分多いように思われますが、アリゾナは空気が乾燥しているので、油断すると体からどんどん水分を奪われ、気付かないうちに脱水症状を引き起こします。ひどい脱水症状を起こした場合は意識を失い、そのまま亡くなってしまう可能性も大いにあります。
脱水症状で被害に遭うのは建設作業員やホームレスなど、屋外に長時間いる人達が多いのは勿論ですが、アリゾナの夏の暑さに慣れていない旅行者などが、十分な水分を取らずに脱水症状を起こして亡くなる場合や、暑いけどなんとかなると思って、住居内でエアコンの修理業者を待っている間に、水分が不足し亡くなってしまった人もいます。
まとめ
アリゾナの長い夏を快適に乗り切るには、エアコンが正常に機能していることが大前提。
真夏に長時間の外出は非常に危険です。
しかしもし突然のトラブルでエアコンが使えなくなれば、屋内にいても生死に関わる大惨事に繋がります。
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