※本記事は、2019年9月調査の内容です(今後更新予定です)。
はじめに
今回ご紹介する国立博物館「国立歴史民俗博物館」は、千葉県佐倉市(JR佐倉駅近く)にあり、1981年(昭和56年)に開館された国立博物館で、収蔵作品数は、約9,000点の展示資料と約22万点の収蔵資料が保存されていると公表されています。
今回は、公務員として働く「学芸員」向けに国立博物館「国立歴史民俗博物館」に関する基本的な情報についてご紹介します。
国立博物館「国立歴史民俗博物館」の沿革について
国立博物館「国立歴史民俗博物館」の沿革についてご紹介します。
国立博物館「国立歴史民俗博物館」は、1953年(昭和28年)に民俗博物館の設置が建議され、1981年(昭和56年)に開館され、1991年(平成3年)にシンボルマークが作成されました。
国立博物館「国立歴史民俗博物館」の概要について
国立博物館「国立歴史民俗博物館」は、大学共同利用機関法人人間文化研究機構が運営する国立の博物館です。
本館は、千葉県佐倉市にあり、愛称は「歴博」「れきはく」で、広さ、収蔵資料は約9,000点の展示資料と保存されている約22万点があり、常勤役職員が平成28年5月1日現在で96名です。
また、平成20年度の来館者数は、17万6,593人です。
参考URL:https://www.nihu.jp/ja/about/staff
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu4/010/siryo/__icsFiles/afieldfile/2010/04/02/1291651_7.pdf
国立博物館「国立歴史民俗博物館」の施設・展示について
国立博物館「国立歴史民俗博物館」の施設は、第1~第6展示室、企画展示室、くらしの植物苑があります。
第1~第6展示室について
国立博物館「国立歴史民俗博物館」の第1~第6展示室では、それぞれの年代に分けて展示されています。
・第1展示室(先史・古代)
日本列島での暮らしが始まり、日本国家が完成するまでが展示されています。
・第2展示室(中世)
日本文化が貴族、武士、庶民の立場から紹介されています。
・第3展示室(近世)
外国との交流や江戸社会の文化、旅行、物流、村の様子などが展示されています。
なお、第3展示室では、1年に数回、国立博物館「国立歴史民俗博物館」の所有している資料が展示されています。
・第4展示室(民俗)
昔から受け継がれてきた生活や文化を神様や妖怪などに対する畏れや祈り、幸せを願う祭りや呪術、自然と向き合うための技や知恵などについて紹介されています。
なお、第4展示室では、1年に数回、国立博物館「国立歴史民俗博物館」の所有している資料が展示されています。
・第5展示室(近代)
文明開化や作業の発展などに関する資料が展示されています。
・第6展示室(現代)
1930年~1970年代の戦争や日本の暮らしに関する資料が展示されています。
企画展示室について
国立博物館「国立歴史民俗博物館」の企画展示室は、1年に数回、特別なテーマの展示が行われており、2019年秋には「日本人移民の150年と憧れの島のなりたち」が開催される予定です。
くらしの植物苑
国立博物館「国立歴史民俗博物館」のくらしの植物苑は、博物館から歩いて10分程度のところにあり、人間が暮らしに利用している植物を育成しています。
これらの植物は、利用方法ごとに6つの地域に分けて植えられています。
1)食べる(食料にしている植物)
2)塗る・燃やす(塗料や燃料として利用する植物)
3)治す(薬に利用している植物)
4)染める(布や紙を染めるのに利用している植物)
5)織る・すく(糸や布、紙をつくるために利用している植物)
6)道具をつくる(道具の材料に利用している植物)
国立博物館「国立歴史民俗博物館」の研究について
国立博物館「国立歴史民俗博物館」では、歴史学・考古学に関する研究を行っており、積極的に共同研究や科学研究費補助金による研究なども行われています。
共同研究の最新研究活動は、2019年3月に刊行された1968年社会運動の資料と展示に関する総合的研究に発表されています。
2018年度に新規採択された科学研究補助金による研究は、下記の6つに分かれています。
1)新学術領域研究領域提案
・考古学データによるヤポネシア人の歴史の解明
2)基盤研究(A)一般
・琉球帝国からみた東アジア海域世界の流動的様態と国家
・考古学・人類学・文化財科学の学際的研究による縄文社会論の再構築
・単年輪14C測定による較正曲線の地域効果・微細構造の解明
3)基盤研究 (B)一般
・官衙機構の動態からみた古代日本における境域の特質
・高精度14C年代測定にもとづく先史時代の人類活動と古環境の総合的研究
・文化の主体的継承のための民俗誌の構築ーマルチメディアの活用と協働作業を通じて
4)基盤研究 (C)一般
・1970年代~80年代の消費者運動の再編成過程に関する実証的研究
・博物館展示の要素を取り入れた歴史資料画像Web閲覧の新手法の構築
5)挑戦的研究(萌芽)
・前近代の和紙の混入物分析にもとづく「古文書科学」の可能性探索
6)若手研究
・幕末維新期の角館地域を中核とした知的関係と政治意識の形成
・クラウドソーシングと機械学習を統合した歴史資料翻刻システムの開発
・日中戦争期華中における占領地統治の進展と現地秩序の改変過程
・説話伝承と地域文化に関する研究ー東海地域における疫神信仰の形成と展開
キャッチコピー・シンボルマークについて
国立博物館「国立歴史民俗博物館」のシンボルマークは、1991年に創設10周年記念を機に杉浦 康平さんと谷村 彰彦さんによってデザインされました。
このシンボルマークは、3つの「うねり」の形が重なり合ったデザインで、「うねり」とは、時間の流れ、空間の移りかわり、生命あるもののざわめきのことです。
マークの最上層は「天」、中間層は「地」、最下層は「生命あるもの」の3つのうねを表し、歴史の流れを生みだす「三つの世界(過去、現在、未来)」の時の推移が表現されています。
なお、「天」のうねりは、湧きたつ雲を、「地」のうねりは、連続する山や海の波を、「生命あるもの」のうねりは、巴・勾玉・胎児のイメージを象徴しています。
シンボルマーク:https://www.rekihaku.ac.jp/outline/img/symbolmark.jpg
引用ページ:国立歴史民俗博物館
https://www.rekihaku.ac.jp/outline/aboutus.html
国立博物館「国立歴史民俗博物館」の館長について
現在の国立博物館「国立歴史民俗博物館」の館長は、「久留島 浩(くるしま ひろし)」さんです。
「久留島 浩」さんの経歴は、1977年(昭和52年)に東京大学文学部を卒業、1983年に同大学大学院文学研究科博士課程単位取得退学、同大学文学部助手に就任、1985年に千葉大学教育学部講師に就任、1987年に同大学教育学部助教授を就任しました。
その後、1998年(平成10年)に国立歴史民俗博物館歴史研究部助教授に就任、1999年に総合研究大学院大学文化科学研究科日本歴史研究専攻助教授を併任、2003年に国立歴史民俗博物館歴史研究部教授に就任、2003年東京大学博士(文学)を取得、 総合研究大学院大学文化科学研究科日本歴史研究専攻教授を併任しました。
2004年(平成16年)に大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立歴史民俗博物館研究部教授に就任、2010年同博物館副館長に就任した後、2014年に国立歴史民俗博物館館長に就任しました。
なお、「久留島 浩」さんは、国立博物館「国立歴史民俗博物館」の第7代目の館長です。
国立博物館「国立歴史民俗博物館」のアクセス・営業時間について
国立博物館「国立歴史民俗博物館」は、千葉県佐倉市にあり、最寄り駅は、「JR佐倉駅」「京成佐倉駅」です。
開館時間は、3月~9月は、9:30~17:00、10月~2月は、9:30~16:30です。
休館日は、毎週月曜日(休日の場合には翌日)、年末年始(12月27日~1月4日まで)です。
詳細な情報については、国立博物館「国立科学博物館」のホームページなどをご確認ください。
国立博物館「国立歴史民俗博物館」の入館料について
通常展示普通入館者は、一般は600円、大学生は250円、団体入館者は、一般は350円、大学生は200円です。
なお、小・中・高校生および障がい者の方と介助者は無料です。
詳細な情報については、国立博物館「国立歴史民俗博物館」のホームページなどをご確認ください。
国立博物館「国立歴史民俗博物館」の職員数
平成28年5月1日現在、国立博物館「国立歴史民俗博物館」の職員数は、96名です。
参考URL:https://www.nihu.jp/ja/about/staff
国立博物館「国立歴史民俗博物館」の採用人数
平成31年度事務系職員募集は終了しました。
国立博物館「国立歴史民俗博物館」の財務状況について
平成27年度の国立博物館「国立歴史民俗博物館」を運営する大学共同利用機関法人人間文化研究機構の運営費は、128億7,600万円でした。
その主な内訳は、運営費交付金、施設整備費補助金などです。
参考URL:http://www.nihu.jp/sites/default/files/kh29.pdf
なお、上記は、国立歴史民俗博物館、国立民族学博物館、国文学研究資料館、国立国語研究所、国際日本文化研究センター、総合地球環境学研究所との合算です。
まとめ
いかがでしたか?
国立博物館「国立歴史民俗博物館」は、人類が日本列島にあらわれた数万年前から1970年代までの日本の歴史や文化に関する資料があり、房総の魅力500選に選定されている博物館です。
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