地方公務員の小中学校教育職の給料について(東京都の場合)
地方公務員の小中学校教育職(東京都)の給与は、東京都人事委員会の教育職給料表に基づいて計算されます。
月給与は、「給料の月額+特別調整額(管理職手当)+扶養手当+地域手当+住居手当+その他の手当」で計算されます。「給料の月額」については、「給料月額+給料の調整額+教職調整額」、地域手当は 「(給料の月額+特別調整額(管理職手当)+扶養手当) ×支給割合」で計算されます。さらに地域手当の支給割合は、都内区市町村(島しょ地域を除く。) 20/100、都外地域 12/100で計算されます。
「税金」や「社会保険」は、民間企業と同じく、給与から差し引かれます。
小中学校教育職の初任給例(平成29年4月1日東京都)
東京都の小中学校教育職の初任給は、大学卒採用が約247,500円、短大卒が約226,100円です。なお、特別支援学校の場合は大学卒で約260,400円、短大卒で約238,000円です。
この初任給は、平成29年4月1日適用の額で、給料月額、教職調整額、地域手当、義務教育等教員特別手当及び給料の調整額(該当者のみ)合わせた金額で、新卒者が都内(島しょ地域をのぞく。)の学校に採用された場合の例です。
高等学校卒業以降に有用な経験がある場合は、一定の基準により加算されます。ただし、前歴加算には限度があります。
扶養手当、住居手当、通勤手当、期末・勤勉手当等が支給されます。また、特別支援学級、へき地(島しょ等)の学校、定時制高等学校等に勤務する者及び農業・工業高等学校に勤務し、実習教科を担当する者には、別途手当等が支給されます。
地方公務員小中学校教育職(東京都)の平均給与データと年収例
地方公務員の小中学校教育職(東京都)の平均年齢は40.8歳で、平均給料月額は341,433円、それに諸手当を加えた平均給与月額は441,721円です。
※平成28年4月1日時点での東京都の状況です。
平均年収は、約707万円(※1)です。
※1:平均年収は、公務員総研の予測概算値です。月給与の12ヶ月分とボーナスは、おおよそ月給与4ヶ月分を仮に計算して、算入しています。
地方公務員の小中学校教育職(東京都)の福利厚生
地方公務員の小中学校教育職(東京都)の福利厚生は以下の通りです。
▼諸手当
地域手当のほか次のような諸手当が支給されます。
扶養手当、住居手当、通勤手当、期末・勤勉手当等が、条例に基づき支給されます。
特別支援学級、へき地(島しょ等)の学校に勤務する者等には、条例に基づき別途手当等が支給されます。
▼勤務時間
1週間について38時間45分です。
▼休日等
土曜日、日曜日、祝日、年末年始(12月29日~1月3日)
▼休暇等
年次有給休暇(4月1日採用の場合は年間20日)、病気休暇、妊娠出産休暇(16週間)、慶弔休暇、生理休暇、夏季休暇(5日)、介護休暇(無給)、育児休業(3歳未満の子を養育する者、無給)等
▼福利厚生
教職員や家族の福利厚生を目的として、健康保険、病気・負傷・出産等に関する短期給付、厚生年金・年金払い退職給付等の長期給付、貸付事業(一般・結婚・住宅等)、宿泊施設の割引利用や人間ドック等の福祉事業を行っています。
職員数の状況
東京都の教育職(高等学校も含む)の職員数は、平成28年で64,630人で、前年よりも507人増加しました。
主な増員理由としては、学級数および児童・生徒数の増などがあげられます。
また、東京都は年齢構成上50歳代の教員が多く、毎年2千人規模で退職します。新規で採用される教員が多く、全教員数に占める若手の教員の割合が高くなっています。
高等学校よりも、小中学校のほうが若手教員の割合は多くなっています。
退職手当
東京都の教育職をはじめとする地方公務員(東京都)の退職金は、退職手当基本額(退職時の給料月額×支給率)+退職手当調整額で計算されます。
基本額の支給率は、勤続年数(抄)によって変わり、勤続25年で31.5か月と30か月以上を超えて、35年以上で45.0か月分で計算されます。退職手当調整額については、点数式で1点1,075円で、在職1月ごとに70-10の点数が付与され、それが還元されます。なお、退職手当調整額は退職前20年分で計算され、自己都合などによる普通退職では、対象外になるのが特徴です。
平成28年の東京都の教育職(高等学校教育職を含む)の退職手当の平均は、全退職者で7,892,000円、60歳定年退職者で23,069,000円です。
訂正とお詫び
誤)…60歳定年退職者で2,3069,000円です。
正)…60歳定年退職者で23,069,000円です。
訂正してお詫び申し上げます。
(2022年7月13日訂正)
コメント
コメント一覧 (3件)
規定の1週間の勤務時間が意外にも短いことに驚きました。知ってよかったです。ただ、公務員だから残業は当たり前にしなければならないのがかわいそうです。
興味深い記事をありがとうございます。
記事末尾の「60歳定年退職者で2,3069,000円です。」のカンマの位置が違っているようです。
コメント、そしてご指摘ありがとうございます。
訂正してお詫び申し上げます。