東京都で働く「消防士」に関する仕事内容・給料レポート

東京都で働く、男性の「消防士」によるキャリアレポートです。

今回は、その仕事内容や一日のスケジュール、年収(給料・ボーナス)や残業状況・職場恋愛などについて、インタビューしたものを編集して掲載します。


はじめに

東京都で働く、男性の「消防士」によるキャリアレポートです。

レポート者のプロフィール

公務員としての職業・勤務先:消防士 / 東京都
性別:男性
雇用体系:正規雇用
所有資格:大型自動車第一種運転免許 乙種第4類危険物取扱者 乙種第6類危険物取扱者

「消防士」を目指した理由

小さい頃から、漠然と消防士に憧れていました。大人になり、人の役に立つ仕事、自分らしく働ける場所を模索した中で、消防士が現実味を帯びました。数回の試験を経て、消防士になることができました。今でも、子供達の希望の職業であることを誇りに思います。

「消防士」の仕事内容について

消防署は、「現場で活動をする人」(当番勤務)と、「消防署内で働く事務をする人」(日勤・内勤)にわかれています。活動系は、大きく「消火活動」「救助活動」「救急活動」の3分野にわかれていて、私は「消火活動」をしています。

119番要請が入ると、消防車で現場へかけつけます。消防士の活動は、火災現場のみと思われがちですが、火災現場での消火活動以外にも、救助活動に多く出場しています。重機を必要とする現場では、消防車と救急車がともに連携して活動を行なっています。

活動時間ですが、火災現場では、1時間程度のものから、約10時間ほど長時間かかることもあります。また、後日、火災現場での調査もありますので、外での活動時間が長くあります。

日々、災害に備え、訓練も多く実施しています。消防署内に訓練施設があるため、要請が入ればすぐに出場できる体制を保ちつつ、訓練に取り組むことができます。年に数回は、各消防署員が大きな訓練施設に集まり、日頃の成果を発表する場もあります。

また、職場には食堂があり、食事当番があります。食材の手配、食事の支度、後片付けまでを行います。繁忙期は食事を作る時間の確保が難しく、各自事前に購入することもあります。

「消防士」の1日の仕事の流れ

当番勤務の場合

7:00出勤。バス・電車で通勤。

8:00到着。着替え、準備、交代

8:30 車両資機材等の点検整備


9:30 訓練

12:00 お昼休憩

13:00 体操、訓練、出向、防災訓練、建物の立入検査

17:15 夕食

18:15 車両資機材等の点検

18:30 会議ミーティング1時間、事務処理

22:00 お風呂

23:00 就寝時間

6:00 起床。清掃、朝ごはん、申し送り

8:00 交代。着替え、残業

10:00 帰宅

就寝時間は確保されてはいますが、その間に1時間ずつ勤務があり、順番に消防署内受付にて待機しています。その他、夜中の災害出場もあり、実際の睡眠時間は、2,3時間程度となります。

日勤の場合

7:00 出勤。バス・電車で通勤。

8:00 到着

お昼休憩(60分)


17:15 終業

19:00 帰宅

「消防士」の給料・残業・有給休暇について

勤続15年の士長クラスの場合、月給は約50万円(各種手当、残業代込)、ボーナスは約180万、年収は約750万でした。

手当には、休日手当、夜間出場手当があります。休日手当とは、暦上の祝祭日に出勤(当番勤務)した場合に付与されます。残業は平均すると約3時間あります。有給休暇は、比較的とりやすく、事前に申請しておけば取得できます。

この仕事で、働いているときに困ったこと

実際の災害現場での活動以外の業務範囲が広く、日々、業務に追われています。各種、専門知識が必要とされるものが多い中、すべてを網羅しなくてはならないため、困難が多いです。以前に比べると、各種マニュアルが整備されてきており、状況は改善されつつあります。

また、危険と隣り合わせの仕事のため、指導する際に、ハラスメントに陥る可能性が高いと感じています。外部からのクレームには真摯に対応するため、多忙な中で、さらに過剰サービスに向かっている側面があるように思います。

この仕事や職場でよかったこと

仕事柄、命の大切さを痛感することが多く、家族との絆、同僚との絆がより深まるように思います。また、当番勤務では、自分たちで掃除、炊事、洗濯等行うため、家族のような付き合いがあります。男性であっても、生活力が身につき、家庭での役割分担なども、スムーズに行えることが、良いことだと思っています。

給料面では、一般企業に比べ安定しており、住宅購入や老後の計画など、早い段階から先を見据えて行動することができ、人生設計が立てやすいことも、恵まれている点だと思います。

「消防士」の仕事エピソード

エピソードとして一番に思いつくのが、東日本大震災です。地震発生時は、家族と自宅付近におりましたが、その後、消防職員はすぐに参集されました。家族の無事を確認したあとは、余震が続く中でも職場へ出勤しなくてはなりませんでした。

電車等混乱している中で、職場へ出勤し、災害時に備えて待機していたところに、福島県への応援要請が入り、現地へ行くことになりました。自宅へ戻ることはできず、職場から直接福島へ向かった時の、家族の不安を思うと、今でも心が苦しくなります。

大変な思いをして福島へ入り、数日間現場での救助活動を行い、家族と再会した時は、感動しました。また、現地での子供達の笑顔が、何よりの応援になったことも、お伝えしておきたいです。

「消防士」の職場恋愛について

女性職員も増えてきているため、それに伴い、職場内での結婚は増えてきていると思います。お互いの仕事に理解があり、結婚後も円満な家庭を築かれているようです。結婚後は、同じ職場で勤務することは難しいため、どちらかが別の部署へと異動になります。

また、職場以外では、大学時代からの友人であったり、同僚からの紹介でお付き合いをされている方も大勢います。仕事に危険を伴うため、家族の支え、サポートが非常に必要で、若いうちに結婚する人も多いです。

まとめ ー「消防士」を目指す方へメッセージ

人の役に立ち、また、子供達に夢を与えることができる、素晴らしい仕事だと思います。消防士になるためには、一般知識のほか、体力面も要求されます。焦らず目標へ向かってチャレンジし、いつか憧れの消防士になれるよう、頑張ってください!

本記事は、2020年4月10日時点調査または公開された情報です。
記事内容の実施は、ご自身の責任のもと、安全性・有用性を考慮の上、ご利用ください。

災害派遣医療チーム
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