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国立大学で働く大学教員(心理学)の仕事内容・給料レポート

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目次

はじめに

茨城県の国立大学で働く「大学教員(心理学)」(女性)によるキャリアレポートです。

レポート者のプロフィール

公務員としての職業・勤務先:大学教員(心理学) / 茨城県にある国立大学
性別:女性
雇用体系:常勤(任期付き)
所有資格:博士号

「大学教員」を目指した理由

研究を続けたかったということが一番の理由です。自分の興味のある研究テーマがありそれをライフワークとして研究し続けたかったので大学教員になりました。

「大学教員(心理学)」仕事内容について

大学教員の仕事の1つは、大学での教育です。主に、学生に心理学に関する授業の講義や実験実習を行います。実際に授業を行うだけでなく、講義の資料やスライド、実習で行う課題を作ったり、学期末試験の問題の作成、採点などがあります。

また、空いている時間を見つけて自分の研究を行います。実験を行い、得られた結果は所属している学会で発表します。ある程度結果がたまったら、論文にして学術雑誌に投稿を行います。

また、社会貢献として所属する学会の役員として学会運営に関わったりもします。その他、大学説明会で会場案内を行ったり、一般入試やセンター試験の試験監督の業務もあります。

また、大学では紀要という学内の研究者が論文を投稿できる雑誌を発行しています。その編集業務として、著者から原稿を集め、印刷業者と連絡を取りながら校正をしたりして、雑誌を完成させます。

また、月に1回定例会議があり、そこで学内の色々な情報を他の教員と共有したり、問題点を議論する場があります。その会議のための資料を作成したり、会議で議事録を取ることも仕事の1つです。

「大学教員(心理学)」の1日の仕事の流れ

授業や会議のある場合

9時30分:自宅を出て、電車で通勤する
10時30分:到着
10時30分〜12時:授業資料や会議資料の確認、印刷
12時〜16時:授業または会議
16時〜18時:授業で集めた課題の確認・採点または会議の議事録作成 (この間に仕事をしながら10分程度で昼食)
18時〜21時30分:その他の事務業務
21時30分:大学を出る

授業や会議のない場合

9時30分:自宅を出て、電車で通勤する
10時30分:到着
10時30分〜15時30分:実験
15時30分〜16時:昼食をとりながらその日の実験データの処理
16時〜21時30分:事務業務(メールの処理、授業や会議資料の作成、紀要編集業務等)
21時30分:大学を出る

「大学教員(心理学)」の給料・残業・有給休暇について

月給34万円、賞与無しで年収408万円でした。裁量労働制なので、残業代という概念がありません。勤務時間に関わらず1日7時間45分勤務したものとみなされます。実際は、1日平均11時間程度勤務しているので、週に16時間程度は残業が発生していることになります。


また、土日祝日も研究等で出勤します。有給休暇は制度としてはありますが、取得したことはありませんし、周りでとっている先生もいません。

この仕事で、働いているときに困ったこと

教育や研究以外の業務についてはチームで仕事をするということがほとんどなく、全て一人でするということが多いです。任期付きの教員だったので、前任者から引き継いだ業務をすることになりますが、他の教員はその業務内容を全く把握できていないので、何か分からなかったことがあったときには既に退職した前任者に問い合わせるか、自分で過去の資料等を引っ張り出して調べるしかありません。

また、割り当てられる仕事にもかなり人によって差があります。色々な理由を付けて仕事をしない教員もいるので、特定の教員に業務が集中しているということがよくあります。しかも、業務の差は給与に反映されないので不公平感があります。

この仕事や職場でよかったこと

大学教員なので、服装規定などがありません。特に国立大学は私立大学と比較するとかなりラフな格好の教員もいて、ジーンズにスニーカー、パーカーというような格好でも何か言われることが無いので、好きな服装で仕事ができるという点はとても良いと思います。

また、裁量労働制ということもあり出退勤時間については報告の必要もありませんし、完全に自由で個人に任されています。電車通勤だったので、通勤ラッシュの時間を避けて遅い時間に出勤することができるところはとても恵まれていると思います。

また、研究設備が充実していたので、時間さえあれば自分の好きな実験を自由に行えるというところが非常に恵まれています。

「大学教員(心理学)」の仕事エピソード

とにかく、教育や研究以外の業務が膨大です。その他の業務が多い時期になると、自分の研究をする時間は全く取れず、帰宅も終電ということが多くなります。

また、常勤であってもほとんどの大学教員が1〜5年程度の任期付きでの採用となります。そのため、大量な業務をこなしながら任期が切れる前に次の仕事を見つけるために就職活動をする必要があります。そのためには、研究業績が必要ですが業務が多く、研究時間を十分に取れないので、土日祝日も出勤して研究を行わなければいけないので全く休めないので、かなり体力的にも精神的にも負担で大変です。

「大学教員(心理学)」の職場恋愛について

職場恋愛はまず聞いたことがありません。一般的に博士号を取得できるのが30歳前後、その後ポスドク等を経て大学教員になる人が多いので、最初に大学教員になるのは若くても30代前半、遅いと40代になってからです。そのため、大学教員になってから同僚と付き合ったり結婚するという話は聞いたことがありません。

ただ、夫婦で大学教員という人は一定数います。大体は大学院生時代から付き合っていたとか、ポスドクの時に研究室の学生と付き合っていてそのまま結婚したということが多いようです。

まとめ – 「大学教員」を目指す方へメッセージ

少子化や国からの大学への予算削減の影響などもあり、大学教員になるのは年々難しくなっています。大学教員になるためにはまずは博士号を取って、その後も地道に研究を続けて業績を出し続ける必要があります。

また、業績だけでなく、最終的に教員として採用されるにはコネが重要になってくる場合も多いので、学会などに積極的に参加して自分をアピールするようにしましょう。

本記事は、2020年10月10日時点調査または公開された情報です。
記事内容の実施は、ご自身の責任のもと、安全性・有用性を考慮の上、ご利用ください。

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この記事を書いた人

公務員総研の編集部です。公務員の方、公務員を目指す方、公務員を応援する方のチカラになれるよう活動してまいります。

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