はじめに
千葉県にある大学で働く「大学教員(女性)」によるキャリアレポートです。
公務員としての職業・勤務先:大学教員(准教授) / 千葉県にある私立大学
性別:女性
雇用体系:常勤
所有資格:TESOL、学芸員、メンタル心理カウンセラー資格取得、メディカルハーブインストラクタープライマリー、上級心理カウンセラー資格、アロマセラピー&ハンドセラピストインストラクタープライマリーなど
「大学教員」を目指した理由
幼い頃から読むことが好きで「1人の部屋でできる仕事」で自分の好きな題材で「本を書くことができる仕事」は?作家?批評家?と思い目指しているうちに大学教員への道が先に開けました。
長く体育会系だったこともあり、結束力やリーダーみたいなところから抜け切れず大学院生になっても学部生におせっかいをしていました。 1人でコツコツという作業が好きな反面、大人数でワイワイ何かを創り出すという作業も好きでした。 そうした取り組みを見た大学の先生方から「大学教員はどうだ?」と声をかけていただいたのもきっかけです。
「大学教員」の仕事内容について
研究発表の準備や研究の仕事はもちろん、学会にも所属していますので担当の仕事はこなさなければなりません。
ただ、これを仕事というカテゴリに入れるかどうかは分かりませんが、研究は「大学の仕事」とは言えないものの大学で教員をするのであれば研究業績として必ず必要な部分です。 普段の授業準備、授業に関することで言えば、定期試験問題作成や試験監督、レポートチェックなどは授業担当分しなければならない仕事です。 学生指導や成績表作成、部活動を担当していれば普段の練習態度や部費の流れのチェック、遠征などがあればついていくなど顧問としての仕事もあります。
また、入試に関しては、試験問題作成、入学試験面接官、試験監督などがあり入試シーズンは土曜、日曜の出勤は当たり前です。 このほか、海外研修引率(海外研修では、どの国にどのような教育目的でどういった成果が得られるかを考え、自分で対外的な打ち合わせ等も行いルートを作成します。)、就職指導(時には企業の方とお話も)、その他委員会活動などさまざまな仕事があります。
「大学教員」の1日の仕事の流れ
9時00分 大学到着
9時30分 1限授業
11時00分 2限授業
12時50分 学生たちとランチミーティング
13時30分 授業準備
17時00分 学部会議
18時30分 研究室を訪ねてきた学生の指導 担当授業が、2限からという場合もありますが、ほとんどの場合、先生方は9時頃には出勤しています。 大学によっては、出校した時間を書くところもあるようです。 帰宅は7時頃という場合もあれば10時頃という場合もあります。
授業は常勤で1日3コマくらいが平均です。 また、1週間のうち1日研究日を指定することができますが、これも受け持ち授業の日程によって曜日の希望が叶うとは言えません。 夏休みなど長期休業中は、例えば海外研修引率で2週間(引率の場合は、ずっと学生と一緒に行動することになりますのでほぼ自由な時間はないと思った方がいいです)、集中講義(例:1限から5限)などが入るため特に若いうちは、上記よりもハードな場合もあります。
「大学教員」の給料・残業・有給休暇について
私の場合ですが、月給は40万円程度でした。ただし、いくら遅く帰ったとしても残業代は付きません。
ボーナスは年間に2回で、1度に3カ月分が支給されますので一回につき120万円程で年間に240万円くらいいただける計算になります。 大学教員の場合、大学や契約にもよりますが有給休暇はないと思っていた方がいいでしょう。
この仕事で、働いているときに困ったこと
私が妊娠した時、育児休暇を取った教員の前例がなく2カ月の産休の後どうするべきかとても迷ったことです。 研究が途中で途切れてしまうことや授業期間中の途中で授業担当を外れることなどどのように対応すればいいのかと随分悩みましたが、いろいろな方が相談にのってくれたこともあって、初めて育児休暇を取った教員になりました。
大学職員の場合は、1年の育児休暇取得の前例が何件もあったため、先輩ママさんに相談できたことなどもとても恵まれた環境でラッキーだったと思っています。
この仕事や職場でよかったこと
研究費で自分の好きな本を購入して読むことができることや最新の研究の情報が常に入ってくることです。 また、一般企業で朝から本を広げているなど「仕事してんのか!」と怒られそうな場面ではありますが、教員の場合は、本を読んで研究し教えることも仕事なのでそういったことが堂々とできる点も嬉しいポイントです。
大学生を相手にしているため、同世代の友人と話をするといつも話題が若い!と褒められることも大学教員の特権だと思います。
「大学教員」の仕事エピソード
大学教員をしていて感動する場面はたくさんあります。 特に自分のゼミの学生が頑張って就職を決めた時や卒業する時、結婚する時や子供が生まれたと連絡をもらう時は「大学の先生でよかった」と思いますし、それまでの努力を見てきたからこそ喜びもひとしおです。
就職活動をしている学生の中には、明日がエントリーシートの提出日なんです!などと夜になって泣きついてくる学生が多数います。 そうした学生をどこまでフォローするべきか?はとても悩むところで、あまりに過保護に面倒を見過ぎて企業側の担当者の方から「先生、面倒見過ぎですよ」と指摘を受けたことがあり、自立する機会を削いでしまったかなと反省する場面もありました。
「大学教員」の職場恋愛について
大学教員同士の結婚はあると思います。 ただ、私の周りではその多くは、大学院生時代からお付き合いしていたという方々です。 また、同じ職場内での恋愛や結婚はあるか?ということで言えば、同じ大学内で先生同士が恋愛をしているというのは聞いたことがありませんし、夫婦で教鞭をとっているというケースは(私だけかもしれませんが)見たことがありません。
職場以外でどういった縁でお付き合いをして結婚に至ったか?といったお話をする機会がないというのもありますが、特に女性研究者はシングルも多いのであまり話題になりません。
まとめ -「大学教員」を目指す方へメッセージ
自分が「これになりたい!」と思ったら誰が何と言おうと突き進んでみたらいいと思います。捨てる神あれば拾う神あり、もし駄目なら縁がなかったと思って次へ進んでみると、きっとどこかで繋がる縁があるはずです。何不利かまわず挑戦できるのは何者でもない若いうちの特権だから。
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