北朝鮮の建国
1945年に第2次世界大戦が終戦し、日本に統治されていた朝鮮半島は、北緯38度線を境に北側をソ連が、南側をアメリカが一時的に統治することになりました。当初の予定では、1947年に半島を統一するはずでしたが、1948年に半島北側が独立を宣言し、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)が誕生しました。
ソ連の半島占領軍が監督する中で、1958年の第1回労働党代表会議までに、金日成による体制を確立しました。その後、金日成体制は自主独立路線を宣言、1972年に制定した新憲法の中にチュチェ (主体)思想が記され、それまで首相だった金日成が国家主席の地位につきました。
北朝鮮の政治体制
建国以来、北朝鮮の政治体制は、チュチェ思想に基づく社会主義体制をとっています。それに加え、2016年に国務委員会が国家の最高機関として設置され、朝鮮労働党が主導する一党独裁体制の政治が行われています。
北朝鮮の最高指導者は、建国の父とされている金日成にはじまり、永遠の総書記と呼ばれる金正日、そして現在は金正恩委員長と、3代に渡り世襲されてきました。第3代最高指導者の地位にある金正恩は、朝鮮労働党委員長・朝鮮民主主義人民共和国国務委員長・朝鮮労働党中央委員会政治局常務委員・朝鮮労働党中央軍事委員会委員長・朝鮮人民軍最高司令官と、国家、党、軍の最高職位を兼務し、個人独裁体制を敷いています。
北朝鮮の選挙
北朝鮮の立法府で日本の国会にあたる最高人民会議は、一院制で議員の任期は5年、解散はありません。成人であれば誰でも選挙に立候補できるとされていますが、議員は朝鮮労働党中央委員会が指名した人が立候補することになっているようです。
北朝鮮では17歳以上の人に選挙権があります。しかし北朝鮮での選挙は、政治的というよりも、国民を監視するという意味合いが強いようです。例えば、もし選挙人名簿に名前が載っている人が投票に来なければ、脱北した可能性を疑われます。また立候補者の当選に反対の意志を表す行為は、政府への反乱と捉えられ、逮捕の対象になりかねません。政府からあらぬ疑いをかけられたくなければ、投票に行くしかないのです。そのため有権者の投票率、候補者への支持率は、ほぼ100%に達するそうです。
まとめ
北朝鮮は建国以来、チュチェ思想に基づく社会主義体制をとりながら、朝鮮労働党が主導する一党独裁体制の政治が行われています。国民の自由や行動に対して厳しい制限があり、現在も厳しい監視のもとで政治体制が維持されています。
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