大統領になるまでの長い道のり
予備選挙
アメリカ大統領選挙は、大まかに分けて予備選挙と本選挙の2段階に分かれています。まずは党公認の候補者(各党の大統領候補)を選出する代議員を決めるため、党員集会や予備選挙が州ごとに行なわれます。党員集会は大体1月から6月にかけて行われ、2月から3月初旬の火曜日に、予備選挙が多くの州で行われます。この予備選挙が行われる火曜日は、大統領選挙の第一歩になるとても重要な日で、アメリカではスーパー・チューズデー(Super Tuesday)と呼ばれています。
党内の予備選挙で決まるのは代議員であって、まだ正式な大統領候補は指名されていません。しかしなぜ、代議員が決まる日がそんなに重要なのかというと、どの代議員が誰を支持し、誰が大統領候補になりそうなのか、またどの大統領候補が選挙で有利になりそうなのかなど、ある程度予測可能になるからです。
次に予備選挙で選ばれた全米約4000人の代議員は、夏に開かれる全国党大会に出席します。各党の正副大統領候補は全国党大会中に正式に発表され、本選挙に向けた選挙活動がここから本格的にスタートします。
各党の大統領候補は、全国各地をくまなく遊説し直接有権者に会いに行くなど、精力的に活動します。また本戦までに複数回、正副大統領候補によるテレビ討論会もおこなわれ、さまざまな争点に対してライバルとの違いを国民にアピールします。
本選挙
本選挙は11月の第一月曜日の翌日の火曜日に実施されます。この法律ができたのは約150年前で、その頃多くのアメリカ国民は農業従事者で敬虔なキリスト教徒でした。そのため農繁期の春から秋にかけての時期と、教会に行く毎週日曜日には、投票に行けませんでした。また投票所に行くには途中で宿泊しなければならない人も多かったため、投票日は農繁期が終わった11月の火曜日に決められました。
本選挙の投票用紙はマークシート方式で、自分が支持する大統領候補者の名前の横にあるサークルを黒く塗りつぶし投票します。そのため有権者も自分が直接大統領を選んでいるように錯覚しがちですが、アメリカの大統領選では選挙人団制度が採用されているため、この選挙(一般投票)で有権者が本当に投票しているのは、各州の選挙人に対してであって、厳密には大統領候補者にではありません。
一般投票の後、12月15日に今度は選挙人団投票が行われます。ここでは国民に選ばれた選挙人が州を代表する形で大統領候補に投票し、その後1月の開票を経て、初めて新大統領が選ばれるのです。
まとめ
このようにアメリカでは、約1年もかけた長い戦いの末に大統領が選出されます。次回のアメリカ大統領選挙は2024年ですが、実際には来年2023年には、もう次の選挙が始まります。
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