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【目指せ!外交官】世界初の女性首相が誕生した「スリランカ民主社会主義共和国」の基礎知識(2021年6月調査情報)

世界の国特集、今回紹介するのは、南アジアのインド亜大陸の南東にポーク海峡を隔てて位置する共和制国家「スリランカ民主社会主義共和国」です。

「スリランカ民主社会主義共和国」は、セイロン島はインド洋にあり、ベンガル湾の南西、アラビア海の南東に位置している国です。

外交官になるなら押さえておきたい国の基本知識です。


「スリランカ民主社会主義共和国」ってどんな国?

「スリランカ民主社会主義共和国」の正式名称はシンハラ語で「ශ්‍රී ලංකා ප්‍රජාතාන්ත්‍රික සමාජවාදී ජනරජය 」、タミル語で「இலங்கை சனநாயக சோஷலிசக் குடியரசு 」、英語では「Democratic Socialist Republic of Sri Lanka」です。漢字では「錫蘭」と表記し、その他「錫狼、錫崙、西崙、西倫、細蘭、獅子国、則意蘭、則蘭、則狼、斉狼」などとも表記されます。

「スリランカ民主社会主義共和国」の広さ 面積・場所について

「スリランカ民主社会主義共和国」の面積は、約6万5,610平方キロメートルで、北海道の約0.8倍の大きさです。

「スリランカ民主社会主義共和国」の場所は、南アジアのインド亜大陸の南東にポーク海峡を隔てて位置しており、この島を占めている主たる島は「セイロン島」と呼ばれています。

セイロン島はインド洋にあり、ベンガル湾の南西、アラビア海の南東に位置しており、インド亜大陸とはマンナール湾とポーク海峡が隔てており島の北部は平坦地が続き、南部に向かうにつれて山地が多くなっています。

「スリランカ民主社会主義共和国」の首都について

「スリランカ民主社会主義共和国」の首都は「スリ・ジャヤワルダナプラ・コッテ」で、「スリ・ジャヤワルダナプラ・コッテ」は、州の南北中央西部、県の西部に位置しており、北西で旧首都にしてスリランカ最大の都市コロンボと接しています。

「スリ・ジャヤワルダナプラ・コッテ」の人口は、、2014年時点で約12万8千人です。

「スリランカ民主社会主義共和国」の人口について

「スリランカ民主社会主義共和国」の人口は、2016年に調べた時点で約2,103万人であり、人口密度は、約334.35人で、第26位です。

「スリランカ民主社会主義共和国」の成り立ちについて

「スリランカ民主社会主義共和国」は、紀元前483年にヴィジャヤ王子がスリランカ上陸し、シンハラ王朝が建設、紀元前250年に仏教が伝来、紀元1505年にポルトガル人が来航し、海岸地帯が植民地化されました。

1658年にオランダ人が来航、海岸地帯が植民地化、1802年にアミアン条約によりスリランカは英国植民地となり、1815年にキャンディー王朝が滅亡し、全島が英国の植民地化され、1948年に英連邦内の自治領として独立、1956年にバンダラナイケ首相が就任、シンハラ語のみを公用語とする公用語法が成立されました。

1972年に国名がスリランカ共和国に改称、1978年2月にジャヤワルダナ大統領が就任、1978年9月に国名が「スリランカ民主社会主義共和国」に改称、1983年7月に大騒擾事件、タミル・イーラム解放の虎(LTTE)との内戦が本格化されました。

1987年7月にスリランカ・インド平和協定が成立、インド平和維持軍(IPKF)がスリランカへ進駐、1987年11月に憲法が改正、1989年1月にプレマダーサ大統領が就任、1990年3月にIPKFが完全撤退、1991年5月にラジブ・ガンディー印元首相が暗殺されました。


1993年5月にプレマダーサ大統領が暗殺、ウィジェートゥンガ大統領が就任、1994年11月に大統領選挙が実施、クマーラトゥンガ大統領が就任しました。

1999年12月に大統領選挙が実施、クマーラトゥンガ大統領が再選、2001年12月に総選挙で野党統一国民党(UNP)が大勝、ウィクラマシンハ首相が就任、2002年2月に政府とLTTEとの停戦合意が成立しました。

2002年9月に政府とLTTEとの和平交渉が開始、2003年4月に LTTEによる和平交渉の一時中断の表明、2003年6月にスリランカ復興開発に関する東京会議が開催、2004年4月に総選挙で野党統一人民自由連合(UPFA)が勝利。ラージャパクサ首相が就任しました。

2004年12月にスマトラ沖大地震およびインド洋津波により、スリランカ北西部を除く全ての沿岸が被災し、3万人以上が犠牲、2005年11月にラージャパクサ大統領が就任、2008年1月に停戦合意が失効、2009年5月に政府軍、北部LTTE支配地域を全て奪取、紛争が終結しました。

2010年1月に大統領選挙が実施、ラージャパクサ大統領が再選、2010年4月に総選挙で与党統一人民自由連合(UPFA)が圧勝、2015年1月に大統領選挙が実施、シリセーナ大統領が就任、統一国民党(UNP)政権が樹立、ウィクラマシンハ首相が就任しました。

2015年8月に総選挙でUNPが勝利、第二党のスリランカ自由党(SLFP)と大連立形成、ウィクラマシンハ首相が再任、2019年11月に大統領選挙が実施、ゴタバヤ・ラージャパクサ大統領が就任、マヒンダ・ラージャパクサ元大統領が首相に就任しました。

2020年8月に総選挙で与党スリランカ人民戦線(SLPP)が圧勝し、マヒンダ・ラージャパクサ首相が再任しました。

「スリランカ民主社会主義共和国」の国民・宗教・言語について

「スリランカ民主社会主義共和国」の国民について

「スリランカ民主社会主義共和国」の人種割合は、総人口約2,027万人のうち、シンハラ人は約1,517万人で約74.9パーセント、タミル人は約311万人で約15.4パーセント、ムーア人が約187万人で約9.2パーセント、混血のバーガー人とユーラシアンが3万7千人、その他に含められる先住民のヴェッダ人などとなっています。

タミル人の内部も、古代以来の移住で形成されたスリランカ・タミルと、19世紀半ばにイギリスが南インドからプランテーション経営のために労働者として連れてこられたインド・タミルに分かれています。

また、ムーア人も9-10世紀ごろに島に住み着いたアラブ系の人々を主体とするスリランカ・ムーアと、インドから移住してきたインド・ムーアに分かれています。

なお、統計上では、マレーシアから傭兵として連れてこられたマレー人が計上され、ヴェッダ人は、そのほかに含められています。

「スリランカ民主社会主義共和国」の宗教について

「スリランカ民主社会主義共和国」の国家宗教は、国民の約7割を仏教が占め、2番目に多いのはヒンドゥー教です。

そのほかに、イスラム教、キリスト教も約1割弱が存在しています。

シンハラ人とタミル人の中には、キリスト教徒もおり、特にシンハラ人の漁師は、仏教の五戒のひとつ「不殺生戒」を守ることができないため、キリスト教に帰依しているものが少なくありません。

ムーア人やマレー人はイスラム教で、バーガー人やユーラシアンはキリスト教徒で、独立後の民族紛争、1983年の大規模な民族対立以来、ヒンドゥー教徒のタミル人と仏教徒のシンハラ人の対立が深まっているとされていますが、民族と宗教を結びつけて考える動きは近代になって生み出された言説です。


「スリランカ民主社会主義共和国」の言語について

「スリランカ民主社会主義共和国」の公用語は、シンハラ語とタミル語で、連結語として英語も憲法上認められています。

日常的には、ほとんどの国民がそれぞれの民族語が使用され、シンハラ人によってシンハラ語が、タミル人によってタミル語が使用されています。

「スリランカ民主社会主義共和国」の経済状況について

「スリランカ民主社会主義共和国」の通貨はルピーで、GDPは約840億米ドルで、世界66位です。そして、一人当たりのGDPは約3,678.73米ドルで、世界117位です。

「スリランカ民主社会主義共和国」の貿易について

「スリランカ民主社会主義共和国」の貿易相手は主に、輸出は、米国、英国、インド、ドイツ、イタリアで、輸入は、中国、インド、UAE、シンガポール、日本となっています。

「スリランカ民主社会主義共和国」の主な輸出品目は、工業製品(繊維・衣類製品等)、農業製品、鉱物、そのほかで、輸入品目は、中間財(燃料・繊維関連等)、消費財(食料品等)、資本財、そのほかです。

「スリランカ民主社会主義共和国」の政治・政策について

政治体制について

「スリランカ民主社会主義共和国」は、共和制で、議会は、定数225議席の一院制です。

「スリランカ民主社会主義共和国」の政策

「スリランカ民主社会主義共和国」は、1983年以降25年以上にわたり、スリランカ北・東部を中心に居住する少数派タミル人の反政府武装勢力である「タミル・イーラム解放の虎(LTTE)」が北・東部の分離独立を目指して活動し、政府側との間で紛争状態でしたが、2009年5月に政府軍がLTTEを制圧して終結されました。

紛争終結後、ラージャパクサ大統領は任期を2年残し、大統領選挙の繰り上げ実施が決定、2010年1月に大統領選挙が実施、同大統領が再選されました。

その後、同年4月に総選挙が実施され、同大統領率いるスリランカ自由党(SLFP)を中核とする与党統一人民自由連合(UPFA)が過半数を大きく上回る144議席を獲得して、引き続き政権運営にあたることとなりました。

2010年11月、ラージャパクサ大統領は2期目の任期を開始し、2014年、再びラージャパクサ大統領は大統領選挙の繰り上げ実施が決定されました。

2015年1月に大統領選挙が実施され、前保健相でもあるシリセーナ野党統一候補がラージャパクサ大統領を破り当選、シリセーナ大統領は、統一国民党(UNP)と政権が樹立され、ウィクラマシンハUNP総裁が首相に就任しました。

2015年8月に総選挙が実施されUNPが勝利、単独過半数には達さなかったが、第二党のスリランカ自由党(SLFP)と大連立が形成、ウィクラマシンハ首相が再任されました。

シリセーナ大統領の5年の大統領任期満了に伴い、2019年11月に大統領選挙が実施され、ゴタバヤ・ラージャパクサ・スリランカ人民戦線(SLPP)候補が当選し、新政権の樹立に際し、マヒンダ・ラージャパクサ元大統領が首相に就任しました。

2020年8月に総選挙が実施され、SLPPが過半数を大きく上回る議席を獲得して勝利し、マヒンダ・ラージャパクサ首相が再任されました。

「スリランカ民主社会主義共和国」の元首・首相について

「スリランカ民主社会主義共和国」の元首について

「スリランカ民主社会主義共和国」の元首は、ゴタバヤ・ラージャパクサ大統領です。

「スリランカ民主社会主義共和国」の首相・外相について

「スリランカ民主社会主義共和国」の首相は、マヒンダ・ラージャパクサで、外相は、ディネーシュ・グナワルダナです。

「スリランカ民主社会主義共和国」の国防・軍事制度・兵役について

「スリランカ民主社会主義共和国」は、スリランカは非同盟の立場を維持しつつ、歴史的、文化的にも関係が深い隣国インドとは、政治・安全保障上極めて重要な国として良好な関係維持に努めています。

また経済社会開発の観点から日本を含む先進諸国との関係強化を重視しており、紛争終結前後から、中国との関係も強化されてきています。

また、南アジア地域協力連合(SAARC)の加盟国であり、発足当初よりその発展に積極的に関与し、2006年にはアセアン地域フォーラム(ARF)にも加盟するなど、域内および東南アジア諸国との協力関係強化にも力を入れています。


軍事力は、予算は、2019年現在、約16億6800万ドル、兵役は志願制、兵力は、2020年現在、約25万5,000人で、陸軍が約17万7,000人、海軍が約50,000人、空軍が約28,000人です。

「スリランカ民主社会主義共和国」と「日本」の関係は?

「スリランカ民主社会主義共和国」と「日本」の政治関係は、1952年の国交樹立以来、日本とスリランカとの間には、特に大きな政治的懸案もなく、貿易、経済・技術協力を中心に良好な関係が続いています。

経済関係は、貿易額は、2019年現在、約1,052億円で、日本はスリランカにとって重要な貿易相手国で、輸入は第5位、輸出は第8位となっています。

2019年現在、日本の輸出は、約689億円で、主要輸出品目は、自動車、一般機械、電気機器、織物用糸および繊維製品、プラスチックで、日本の輸入は、約363億円で、主要輸入品目は、紅茶、衣類および同付属品、魚介類(まぐろ、えび等)、植物性原材料、非金属鉱物製品(宝石)などです。

2019年10月現在、日系進出企業は97社で、製造業、商社・サービス業、建設業が進出しています。

文化関係は、文化無償協力については、2020年度までの累計で計29件、累計約1,149.03百万円を供与しています。

文化・交流・教育の事業としては、21世紀東アジア青少年大交流計画、各種国費留学生の選考、各種日本語教育促進、各種文化展示などが実施されています。

日本文化への理解や関心を大きく促進することを期して、国際交流基金の協力を得て2017年2月から映画「男はつらいよ」のテレビ放送が開始され、同年中に文化無償事業として「プロジェクトX」などのNHK番組のテレビ放送が開始されました。

更に、2020年には、国際交流基金放送コンテンツ紹介事業の一環として、「あさが来た」が放送されています。

なお、2016年10月からは主要ケーブルテレビの1つにおいて「WAKUWAKU JAPAN」チャンネルが設定され、グルメ番組や旅番組など日本の民放番組が24時間を通じて視聴できるようになり、更なる訪日観光への追い風として期待されています。

スポーツ交流の分野では、2016年3月にスリランカにおいて「スポーツ・フォー・トゥモロー」事業の1つとして、日本・スリランカ両国サッカー協会共催で「南アジア 日本U-16サッカー・トーナメント」が、2019年9月には、日本・スリランカ両国ラグビー協会共催で7人制ラグビー・アジア大会が開催され、男女ともに日本チームが優勝を飾りました。

2021年の東京オリンピック・パラリンピックに向け、更なるスポーツ交流の促進が望まれています。

在留邦人数は、2019年現在、732人、在日当該国人数は、2020年6月現在で2万7,735人です。

まとめ

以上、国特集「スリランカ民主社会主義共和国」でした。

ちなみに、「スリランカ民主社会主義共和国」の男子サッカーFIFAランキングでは、2020年11月の時点では「206位」でした。

FIFAデータ

https://fifaranking.net/ranking/

本記事は、2023年1月19日時点調査または公開された情報です。
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