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【目指せ!外交官】旧ソビエト連邦から独立した中央アジアにある共和制国家「タジキスタン共和国」の基礎知識(2021年6月調査情報)

世界の国特集、今回紹介するのは、中央アジアに位置する共和制国家「タジキスタン共和国」です。

「タジキスタン共和国」は、南にアフガニスタン、東に中華人民共和国、北にキルギス、西にウズベキスタンと国境を接している国です。

外交官になるなら押さえておきたい国の基本知識です。


「タジキスタン共和国」ってどんな国?

「タジキスタン共和国」の正式名称は、タジク語で、「Ҷумҳурии Тоҷикистон」、英語では「Republic of Tajikistan」です。漢字では「塔吉克斯坦」と表記し、その他「塔吉克」などとも表記されます。

「タジキスタン共和国」の広さ 面積・場所について

「タジキスタン共和国」の面積は約14万3,100平方キロメートルで、日本の約40パーセント程度の面積になります。

「タジキスタン共和国」の場所は、中央アジアにあり、南にアフガニスタン、東に中華人民共和国、北にキルギス、西にウズベキスタンと国境を接しています。

「タジキスタン共和国」の首都について

「タジキスタン共和国」の首都は「ドゥシャンベ」で、「ドゥシャンベ」は、座標、北緯38度32分12秒、東経68度46分48秒に位置しています。

「ドゥシャンベ」の人口は、2008年現在、約67万9,400人です。

「タジキスタン共和国」の人口について

「タジキスタン共和国」の人口は、国連人口基金が2019年に調べた時点で約970万人であり、人口密度は、約65.75人で、第112位です。

「タジキスタン共和国」の成り立ちについて

「タジキスタン共和国」は、紀元前4世紀にアレクサンドロス大王によって制圧され、紀元前250頃にグレコ・バクトリア王国が成立、1~3世紀はクシャーン朝によって支配されていました。

6世紀中頃は、テュルク系遊牧民の侵入により、次第に住民のテュルク化が始まり、7世紀は、ソグド人の活動が最盛期を迎えました。

8世紀以降になると、アラブ勢力によって侵入され、土着のイラン系住民がイスラム教を受容、テュルク系諸民族がこれらイラン系住民をタジクと呼ぶようになりました。

9世紀後半~10世紀は、イラン系のサーマーン朝が成立、13世紀はモンゴル帝国によって支配、14世紀後半~15世紀は、ティムール帝国によって支配、16世紀は、シャイバーン朝によって支配、18~19世紀は、ブハラ・ハン国、コーカンド・ハン国によって支配されていました。

1860年代は、現在のタジキスタン北部がロシア帝国によって併合、1890年代は、パミール地方の大部分がロシア帝国によって併合、1924年は、中央アジアの民族・共和国境界画定により、ウズベク・ソビエト社会主義共和国内にタジク自治ソヴィエト社会主義共和国が成立しました。


1929年にウズベク共和国から分離し、タジク・ソビエト社会主義共和国に昇格、1990年2月にドゥシャンベ事件が発生、1990年8月23日に共和国主権宣言が発せられ、1991年8月31日に国名が「タジキスタン共和国」に変更されました。

1991年9月9日に共和国独立宣言が発動、1992年5月に内戦状態となり、1992年11月19日にラフモノフ最高会議議長が就任、1994年11月6日にラフモノフ大統領が選出、1997年6月27日にタジキスタン内戦の最終和平合意が成立しました。

1999年11月6日に大統領選挙が実施、ラフモノフ大統領が再選、2005年3月に議会選挙が実施、2006年11月6日に大統領選挙が実施、ラフモノフ大統領が再選、2010年2月に議会選挙が実施、2013年11月6日に大統領選挙が実施され、ラフモン大統領が再選されました。

2015年3月に議会選挙が実施、2016年5月に憲法改正により、ラフモン大統領によって大統領職任期制限が撤廃、大統領選の立候補年齢が引き下げられました。

2020年3月に議会選挙が実施、2020年10月に大統領選挙が実施され、ラフモン大統領が再選されました。

「タジキスタン共和国」の国民・宗教・言語について

「タジキスタン共和国」の国民について

「タジキスタン共和国」の人種割合は、タジク人が約84.3パーセント、ウズベク人が約13.8パーセント、キルギス人が約0.8パーセント、ロシア人が約0.5パーセント、そのほかが約1パーセントです。

「タジキスタン共和国」の宗教について

「タジキスタン共和国」の国家宗教は、タジキスタン国民の多くはムスリムで、約85パーセント、約5パーセントがシーア派ムスリム、約10パーセントはそのほかとなっています。

「タジキスタン共和国」の言語について

「タジキスタン共和国」の公用語は、ペルシア語方言のタジク語で、帝政ロシア~ソビエト連邦時代の共通語であったロシア語は第二言語として教育・ビジネスなどで多く使用されています。

ただし、2009年10月から国語法が成立し、公文書や看板、新聞はタジク語を用いることを義務づけられ、違反者には罰金が科されています。

ロシア語の通用度は、ソビエト連邦の崩壊後に起きたタジキスタン内戦によるロシア人の大量流出によって急激に低くなりましたが、現在では出稼ぎ先の大半はロシアであり、高等教育にはロシア語習得が不可欠であることから、ロシア語教育も重要視されており、国民の間ではロシア語学習熱が強い現状にあります。

また、独立後にトルコ語系のウズベク語やトルクメン語がキリル文字からラテン文字に変わりましたが、ペルシャ語系のタジク語はキリル文字のままです。

なお、ペルシャ文字風のキリル文字表記もみられ、ペルシャ文字への表記への移行も議論されています。

このほか、ウズベク語、キルギス語、コワール語、シュグニー語、パミール諸語、ヤグノビ語なども使用されています。

「タジキスタン共和国」の経済状況について

「タジキスタン共和国」の通貨はソモニで、GDPは約80.0億米ドルで、世界147位です。そして、一人当たりのGDPは約843.97米ドルで、世界172位です。

「タジキスタン共和国」の貿易について

「タジキスタン共和国」の貿易相手は主に、輸出が、トルコ、スイス、カザフスタン、ウズベキスタンで、輸入が、ロシア、カザフスタン、中国となっています。


「タジキスタン共和国」の主な輸出品目は、アルミニウム線、綿繊維、綿糸、輸入品目は、電気、酸化アルミニウム、石油製品です。

「タジキスタン共和国」の政治・政策について

政治体制について

「タジキスタン共和国」は、共和制で、議会は二院制です。

上院は国民議会で、定数は33議席、任期は5年で、下院は代表者会議で、定数は63議席、任期は5年です。

「タジキスタン共和国」の政策

「タジキスタン共和国」は、独立直後の1992年、政権側の旧共産党勢力とイスラム勢力を含む反政府勢力との対立から内戦が発生しました。

この混乱の中でラフモノフ最高会議議長によって、CIS合同平和維持軍の派遣要請な、国内和平達成を目指して積極的な外交が展開され、1994年の暫定停戦合意の後も内戦はしばらく継続し、多くの犠牲者が発生しました。

同年11月には大統領制が復活、それに伴う大統領選でラフモノフ最高会議議長が当選、その後も断続的な戦闘状態が続きましたが、1997年6月に最終和平合意が達成され、国内情勢は安定化に向かいました。

1999年9月に憲法改正の国民投票が実施、同年11月に大統領選挙が実施、2000年に議会選挙が行われ、和平のプロセスが完了されました。

国連タジキスタン監視団(UNMOT)はその任務を終了し、同国復興支援のため新たに国連タジキスタン和平構築事務所(UNTOP)が設立されました。

隣接するアフガニスタンの情勢がタジキスタンに与える影響は大きく、タリバン政権崩壊後、治安上の脅威は低減しましたが、テロ、武器・麻薬流入問題が深刻でああり、国内でのイスラム過激勢力の影響拡大阻止が課題となりました。

2013年11月に大統領選挙が実施され、ラフモン大統領が80パーセントを超える得票率を得て圧勝し、再選されました。

2020年3月に実質的な野党勢力が不在の中、上院・下院ともに議会選挙が実施され、ラフモン大統領が党首を務める与党・人民民主党が勝利し、同年10月に大統領選挙が実施され、ラフモン大統領が90パーセントを超える圧倒的な得票率を得て、再選されました。

「タジキスタン共和国」の元首・首相について

「タジキスタン共和国」の元首について

「タジキスタン共和国」の元首は、エモマリ・ラフモン大統領です。

「タジキスタン共和国」の首相・外相について

「タジキスタン共和国」の首相は、コヒル・ラスルゾーダで、外相は、シロジッディン・ムフリッディンです。

「タジキスタン共和国」の国防・軍事制度・兵役について

「タジキスタン共和国」は、全方位的外交を模索していますが、ロシアへの労働移民からの送金、ロシア軍の国内駐留等、経済・軍事面でロシアへの依存度は大きいといえます。

中国からは、多額の借款供与、インフラ整備支援を受けており、関係を深めており、アジアインフラ投資銀行(AIIB)に加盟しています。

アフガニスタンとは、国境を接しているため、同国の安定化に強い関心を有し、同国復興への国際社会の協力を呼びかけています。

また、ウズベキスタン共和国とは、双方とも自国内に相手国民族を抱え、また双方が相手国の反政府勢力を匿っているとの主張を行う複雑な関係でした。

しかし、2016年12月にウズベキスタン共和国で発足したミルジヨーエフ政権による中央アジア諸国との関係強化の取組を背景に、2017年3月にウズベキスタン共和国と「タジキスタン共和国」の間で航空路や国境ゲートの再開が実現するなど、現在は関係改善の傾向にあります。

軍事力は、2021年現在、総兵力は約8,800人で、その内訳は、陸軍が約7,300人、空軍が約1,500人で、準兵力は約7,500人、ロシア陸軍が駐留しています。


「タジキスタン共和国」と「日本」の関係は?

「タジキスタン共和国」と「日本」の政治関係は、国家承認日は1991年12月28日、外交関係開始日は1992年2月2日、日本大使館(駐在官事務所)の開館は2002年1月16日、大使館への格上げは2016年1月1日で、在日タジキスタン大使館の開設は、2007年11月28日です。

経済関係は、日本の対タジキスタン貿易通関において、2020年現在、輸出が約3.9億円で、主な品目は肉類、自動車、電気機器で、輸入は約1.5億円、主な品目は、植物性原材料、衣類となっています。

また、2006年12月に官民合同のタジキスタン経済ミッションを派遣、2017年4月に日・タジキスタン経済・技術・科学協力政府間委員会第1回会合を開催した実績があります。

文化関係は、一般および草の根文化無償資金協力は、2019年度現在、計17件で計3.30億円です。

在留邦人数は、2019年10月現在で40人、在日当該国人数は、2020年6月で199人です。

まとめ

以上、国特集「タジキスタン共和国」でした。

ちなみに、「タジキスタン共和国」の男子サッカーFIFAランキングでは、2020年11月の時点では「121位」でした。

本記事は、2023年2月16日時点調査または公開された情報です。
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