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【目指せ!外交官】インダス文明にさかのぼる古い歴史のある「パキスタン・イスラム共和国」の基礎知識(2021年7月調査情報)

世界の国特集、今回紹介するのは、南アジアに位置する共和制国家である「パキスタン・イスラム共和国」です。

「パキスタン・イスラム共和国」は、東はインド、北東は中華人民共和国、北西はアフガニスタン、西はイランと国境を接し、南はインド洋に面している国です。

外交官になるなら押さえておきたい国の基本知識です。


「パキスタン・イスラム共和国」ってどんな国?

「パキスタン・イスラム共和国」の正式名称はウルドゥー語で「 اسلامی جمہوریہ پاکِستان‎」、英語では「Islamic Republic of Pakistan」です。漢字では「巴基斯担」と表記されます。

「パキスタン・イスラム共和国」の広さ 面積・場所について

「パキスタン・イスラム共和国」の面積は約79.6万平方キロメートルで、日本の約2倍の大きさです。

「パキスタン・イスラム共和国」の場所は、南アジアにあり、東はインド、北東は中華人民共和国、北西はアフガニスタン、西はイランと国境を接し、南はインド洋に面しています。

「パキスタン・イスラム共和国」の首都について

「パキスタン・イスラム共和国」の首都は「イスラマバード」で、「イスラマバード」は、北緯33度43分0秒、東経73度4分0秒に位置しています。

「イスラマバード」の人口は、2009年現在、約120万人です。

「パキスタン・イスラム共和国」の人口について

「パキスタン・イスラム共和国」の人口は、パキスタン統計省国勢調査が2017年に調べた時点で約2億777万人であり、人口密度は、約261.99人で、第37位です。

「パキスタン・イスラム共和国」の成り立ちについて

「パキスタン・イスラム共和国」は、1947年に英領インドより独立、第1次印パ戦争が勃発、1948年に「建国の父」ジンナーが死去、1952年に「パキスタン・イスラム共和国」と日本との国交が樹立されました。

1956年に「パキスタン・イスラム共和国憲法」(議院内閣制)が公布・施行、1958年にアユーブ・カーン陸軍大将によるクーデターが発生、アユーブ・カーン陸軍大将、大統領に就任しました。

1962年に「パキスタン共和国憲法」(大統領制)が公布・施行、1965年に第2次印パ戦争が勃発、1969年にアユーブ大統領が辞任、ヤヒヤー陸軍参謀長が大統領に就任しました。

1970年に初の総選挙が実施、1971年に第3次印パ戦争が勃発、Z・A・ブットー人民党(PPP)党首が大統領に就任、1973年に「パキスタン・イスラム共和国憲法」(議院内閣制)が公布・施行、Z・A・ブットー大統領が首相に就任しました。

1977年に総選挙が実施、ハック陸軍参謀長によるクーデターが発生、1978年にハック陸軍参謀長が大統領に就任、1979年にハック大統領による「イスラム化政策」が開始、1985年に総選挙が実施、ジュネージョ首相が就任、「憲法第8次修正」が成立しました。


1988年にハック大統領がジュネージョ首相を解任、ハック大統領が軍用搭乗機の墜落事故によって死去、G・I・カーン上院議長が大統領に就任、総選挙が実施、B・ブットー首相が就任しました。

1990年にG・I・カーン大統領がB・ブットー首相を解任、総選挙が実施、シャリフ首相が就任し、第1次シャリフ政権が発足、1993年にG・I・カーン大統領がシャリフ首相を解任、総選挙が実施、B・ブットー首相が就任し、第2次ブットー政権が発足されました。

1996年にレガーリ大統領がB・ブットー首相を解任、1997年に総選挙が実施、シャリフ首相が就任し、第2次シャリフ政権が発足、「憲法第13次修正」が成立、1998年にパキスタン核実験が実施されました。

1999年にカルギル紛争、ムシャラフ陸軍参謀総長によるクーデターが発生、ムシャラフ陸軍参謀長が行政長官に就任、2002年に総選挙が実施、2007年に大統領選挙が実施、ムシャラフ大統領が再選、非常事態宣言が発出されました。

2008年に総選挙が実施、ギラーニ首相が就任、ムシャラフ大統領が辞任、ザルダリ大統領が就任、2012年にギラーニ首相が辞任、アシュラフ首相が就任しました。

2013年に総選挙実施、シャリフ首相が就任、第3次シャリフ政権が発足、フセイン大統領が就任、2017年にシャリフ首相が辞任、アバシ首相が就任、2018年に総選挙が実施、カーン首相が就任、アルビ大統領が就任しました。

「パキスタン・イスラム共和国」の国民・宗教・言語について

「パキスタン・イスラム共和国」の国民について

「パキスタン・イスラム共和国」の人種割合は、パンジャーブ人が約56パーセント、パシュトゥーン人が約16パーセント、シンド人が約13パーセント、バローチ人が約4パーセント、そのほかカラシュ人などもいます。

「パキスタン・イスラム共和国」の宗教について

「パキスタン・イスラム共和国」の国家宗教は、イスラム教が約97パーセントで国教となっており、このほか、ヒンドゥー教が約1.5パーセント、キリスト教が約1.3パーセント、ゾロアスター教が約0.2パーセントなどで、少数としてシク教徒やアニミストも存在しています。

なお、ゾロアスター教の信者は、10万人程で、地方によってはカースト制度なども残っています。

「パキスタン・イスラム共和国」の言語について

「パキスタン・イスラム共和国」の公用語は、英語ですが、ウルドゥー語が国語とされています。

このほか、パンジャーブ語、シンド語、カシミール語、コワール語などのインド語群のほか、イラン語群のパシュトー語およびバローチー語、ドラヴィダ語族のブラーフーイー語、孤立した言語ブルシャスキー語などがあります。

現行の1973年憲法251条は、「パキスタン・イスラム共和国」の国語をウルドゥー語としており、15年以内に英語に代えてウルドゥー語を公用語化することになっていましたが、2020年現在も実現にいたっていません。

同時にウルドゥー語が公用語化されるまでは英語を公用語とする旨が規定されています。

憲法を始めとする全ての法令や公文書では、英語が用いられ、政府の公式ウェブサイトは英語でだけ書かれており、全ての高等教育機関が英語を教授言語としています。

ただ、ほとんどの初等中等教育はウルドゥー語で行われているため、英語を自由に操るパキスタン国民はあまり多くありません。


母語を異にするもの同士が会話する時は、ウルドゥー語が用いられることが多く、ウルドゥー語を母語にするパキスタン人は、全人口の一割以下となっています。

ウルドゥー語は北部諸語とはやや近いもののシンド語とは離れており、さらに南部でウルドゥー語を母語とするムハージル人とシンド語を母語とするシンド人との間に対立があるため、ウルドゥー語の公用語化は特に南部での反対が強いようです。

「パキスタン・イスラム共和国」の経済状況について

「パキスタン・イスラム共和国」の通貨は、パキスタン・ルピーで、GDPは約3,145億米ドルで、世界45位です。そして、一人当たりのGDPは約1,260.01米ドルで、世界159位です。

「パキスタン・イスラム共和国」の貿易について

「パキスタン・イスラム共和国」の貿易相手は主に、輸出が米国、中国、英国、UAE、アフガニスタン、ドイツで、輸入が中国、UAE、シンガポール、サウジアラビア、インド、日本となっています。

「パキスタン・イスラム共和国」の主な輸出品目は、繊維製品、農産品、食料品で、輸入品目は、石油製品、原油、機械類、農業・化学品、食料品、パーム油です。

「パキスタン・イスラム共和国」の政治・政策について

政治体制について

「パキスタン・イスラム共和国」は、連邦共和制で、議会は2院制です。

「パキスタン・イスラム共和国」の政策

「パキスタン・イスラム共和国」は、2018年5月31日、下院議会が任期満了のため解散され、7月25日に実施された総選挙の結果、パキスタン正義党(PTI)が勝利し、8月18日、イムラン・カーンPTI党首が首相に就任した。

「パキスタン・イスラム共和国」の元首・首相・外相について

「パキスタン・イスラム共和国」の元首について

「パキスタン・イスラム共和国」の元首は、アリフ・アルビ大統領です。

「パキスタン・イスラム共和国」の首相・外相について

「パキスタン・イスラム共和国」の首相は、イムラン・カーンで、外相は、マクドゥーム・シャー・マヘムード・クレーシです。

「パキスタン・イスラム共和国」の国防・軍事制度・兵役について

「パキスタン・イスラム共和国」は、東西冷戦時代から、米国を始めとする西側諸国との友好関係を維持する一方、インドへの対抗上、1960年代から元々緊密だった中国との関係が、「中国・パキスタン経済回廊(CPEC)」事業等を通して更に強化されています。

また、世界第2位のイスラム教徒人口を抱える国として、他のイスラム諸国との連帯が重視されています。

2001年9月の米国同時多発テロ事件以降は、国際社会と協力してテロ対策に取り組んでいます。

米国との関係は、2017年にトランプ大統領が南アジア新戦略を発表し、パキスタンのテロ対策に対する厳しい姿勢を示し、2018年にはパキスタンへの一部支援停止を発表するなど停滞傾向にありましたが、米・タリバーン交渉など、アフガニスタン和平プロセスへの支援を通じ、現在は改善傾向にあります。

カーン政権はインド及びアフガニスタン等近隣国との関係を重視し、関係改善に向けた取組を継続しているが、インドとの関係については、現下のカシミール問題等を巡る緊張によって、改善の見通しは立っていません。

軍事力は、予算は、2019年現在、約1兆1,525億ルピー、兵役は、志願制で、兵力は、陸軍が約56万人、海軍が約23,800人、空軍が約7万人です。

なお、「パキスタン・イスラム共和国」は、インドが1998年5月中旬に2度にわたり地下核実験を実施したことへの対抗措置であるとして、同月下旬2度の地下核実験が行われました。

「パキスタン・イスラム共和国」と「日本」の関係は?

「パキスタン・イスラム共和国」と「日本」の政治関係は、経済協力関係を軸として国交樹立以来の友好関係を維持しています。

経済関係は、対日貿易において、貿易額は、2018年現在、対日輸出が約2.02億円、対日輸入が約22.84億円で、主要品目は、対日輸出は織物用糸および繊維製品、有機化合物、衣類・同附属品、対日輸入は輸送用機器、一般機械、鉄鋼で、日本からの直接投資は、2018年~2019年は約117.3百万ドルでした。

文化関係は、文化無償協力、モヘンジョダロ遺跡修復事業協力、南西アジア青年招聘、講演、展示などが実施され、日本においては、1984年ガンダーラ美術展、1986年インダス文明展、1998年ブッダ展、2000年インダス文明展が開催されました。


在留邦人数は、2018年10月1日現在、1,048人で、在日当該国人数は、2019年6月末現在、18,362人で、日系企業数は、2019年11月現在で、74社

まとめ

以上、国特集「パキスタン・イスラム共和国」でした。

ちなみに、「パキスタン・イスラム共和国」の男子サッカーFIFAランキングでは、2020年11月の時点では「199位」でした。

FIFAデータ

https://fifaranking.net/ranking/

本記事は、2023年4月11日時点調査または公開された情報です。
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