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【目指せ!外交官】チベット語で「竜の国」を意味する「ブータン王国」の基礎知識(2021年7月調査情報)

世界の国特集、今回紹介するのは、南アジアに位置する立憲君主制国家「ブータン王国」です。

「ブータン王国」は、北は中国、東西南はインドと国境を接している国です。

外交官になるなら押さえておきたい国の基本知識です。


「ブータン王国」ってどんな国?

「ブータン王国」の正式名称は、ゾンカ語で「འབྲུག་ཡུལ(ドゥク・ユル)」、英語では「Kingdom of Bhutan」です。漢字では「不丹」と表記されます。

「ブータン王国」の広さ 面積・場所について

「ブータン王国」の面積は約38,394平方キロメートルで、九州とほぼ同じ面積です。

「ブータン王国」の場所は、南アジアにあり、北は中国、東西南はインドと国境を接、インドとは東をアルナーチャル・プラデーシュ州と、西をシッキム州と、南を西ベンガル州とアッサム州で接しています。

「ブータン王国」の首都について

「ブータン王国」の首都は「ティンプー」で、「ティンプー」は首都としては、ブータン西部、ヒマラヤ山脈の南東にある盆地の底に位置し、標高は、約2,320メートルです。

「ティンプー」の人口は、2005年現在、約98,676人です。

「ブータン王国」の人口について

「ブータン王国」の人口は、世界銀行が2017年に調べた時点で約75.4万人であり、人口密度は、約19.40人で、第162位です。

「ブータン王国」の成り立ちについて

「ブータン王国」は、17世紀に、この地域に移住したチベットの高僧ガワン・ナムゲルが、各地に割拠する群雄を征服し、ほぼ現在の国土に相当する地域で聖俗界の実権を掌握しました。

19世紀末に至り東部トンサ郡の豪族ウゲン・ワンチュクが支配的郡長として台頭し、1907年に同ウゲン・ワンチュクがラマ僧や住民に推され初代の世襲藩王に就任、現王国の基礎が確立されました。

1952年に即位した第3代国王は、農奴解放、教育の普及などの制度改革を行い、近代化政策が開始されました。

しあし、1964年、地方豪族間の争いに起因する当時の首相暗殺や、その後に任命された首相による宮廷革命の企み発覚を契機に首相職が廃止され、国王親政となりました。

1972年に16歳で即位した第4代国王は、第3代国王が敷いた近代化、民主化路線を継承・発展させ、王政から立憲君主制への移行準備を主導しました。


2006年12月に第4代国王の退位により、現国王(第5代目)が王位を継承、2007年12月および2008年の総選挙を経て、2008年4月に民主的に選出されたティンレイ政権が誕生し、5月には国会が召集され、7月に憲法が施行され、王政から議会制民主主義を基本とする立憲君主制に移行されました。

2008年11月に、現国王の戴冠式が行われ、2013年には、第2回総選挙が実施され、また、2018年11月の第3回総選挙を経てロティ・ツェリン・ブータン協同党(DNT)党首が首相に就任しました。

「ブータン王国」の国民・宗教・言語について

「ブータン王国」の国民について

「ブータン王国」の人種割合は、ドゥクパは、ガロン、ブムタンパ、ツァンラの3つに分けられます。

南部低地地帯(タライ平原)には、ネパール系ローツァンパが居住しているほか、そのほか、北部や南部には独自の文化を持つ少数民族の存在が確認されています。

「ブータン王国」の宗教について

「ブータン王国」の国家宗教は、チベット仏教で、ドゥク派、ニンマ派、ヒンドゥー教徒の3つの宗教集団に大別されます。

「ブータン王国」の言語について

「ブータン王国」の公用語は、チベット語系のゾンカ語が公用語で、このほか、ネパール語と英語も広く使われています。

また、ツァンラカ語、シッキム語、ザラ語、リンブー語、ケン語、バンタワ語なども使用されています。

1949年までの長い間イギリスの保護国であったことから、政府の公式な文書などは英語で書かれるため、英語は準公用語的な地位にあります。

また、1980年代半ばにほぼ全ての教育機関で英語が教授言語となり、ゾンカ語は国語という科目名で教えられています。

なお、国内の言語分布は、西部はゾンカ語、東部はツァンラカ語、南部はネパール語が主要言語となっています。

「ブータン王国」の経済状況について

「ブータン王国」の通貨は、ニュルタムで、GDPは約24.5億米ドル…億米ドルで、世界163位です。そして、一人当たりのGDPは約3,358.96米ドルで、世界123位です。

「ブータン王国」の貿易について

「ブータン王国」の貿易相手は主に、輸出がインド、バングラデシュ、イタリア、オランダ、ネパール、ドイツで、輸入がインド、韓国、中国、シンガポール、タイ、日本となっています。

「ブータン王国」の主な輸出品目は、シリコン、電力、石類セメントなどで、輸入品目は、軽油、ガソリン、鉄製品、米などです。

「ブータン王国」の政治・政策について

政治体制について

「ブータン王国」は、立憲君主制で、議会は、二院制、議席は、上院が25議席、下院が47議席です。

「ブータン王国」の政策

「ブータン王国」は、第4代国王主導により、90年代末から憲法制定委員会の設置など、議会制民主主義への移行準備が進められ、2006年12月に即位した第5代国王の下、2007年12月に上院議員選挙が、2008年3月に下院議員選挙が実施されました。


これを受けて、憲法草案に基づき、2008年4月に下院議員選挙において勝利したブータン調和党(DPT)のジグミ・ティンレイ党首が国王により首相に任命され、新内閣が発足されました。

2008年5月に新国会が召集され、憲法等の法案審議が開始され、7月に憲法が採択されました。

2018年10月に第3回総選挙が実施され、ブータン協同党(DNT)が第一党の座を獲得。ロティ・ツェリンDNT党首が国王により首相に任命されました。

「ブータン王国」の元首・首相・外相について

「ブータン王国」の元首について

「ブータン王国」の元首は、ジグミ・ケサル・ナムギャル・ワンチュク国王陛下です。

「ブータン王国」の首相・外相について

「ブータン王国」の首相は、ロティ・ツェリンで、外相は、タンディ・ドルジです。

「ブータン王国」の国防・軍事制度・兵役について

「ブータン王国」は、非同盟中立政策を外交の基本方針としつつ、近隣諸国との関係強化を図っています。

1971年に国連に加盟し、1980年代に入るとバングラデシュ、ネパールを始めとする近隣諸国の他、日本、西欧等との間で外交関係を樹立する等対外関係を拡大しており、国連安保理常任理事国とは外交関係を有していません。

地域協力機構として1985年12月に発足したSAARC(南アジア地域協力連合)を重視し、その発展のため積極的な対応が行われてきています。

2010年4月には、首都ティンプーにてSAARC首脳会合が開催、2004年4月にはACD(アジア協力対話)に加盟したほか、2004年8月にはBIMSTEC(多面的技術経済協力のためのベンガル湾構想)に加盟しました。

インドとは、1949年のインド・ブータン条約により特殊な関係(対外政策に関するインドの助言)にありましたが、2007年3月の改定により同助言に関する条項は廃止され、経済協力、教育、保健、文化、スポーツおよび科学技術の分野での協力関係の促進を謳った新たな規定が盛り込まれました。

軍事力は、予算は、2006年現在、約17百万米ドルで、兵力は、約1万名で、その内訳は、ブータン国王軍が約7,000名、ブータン国王親衛隊が約2,000名、ブータン警察が約1,000名で、ブータン国王軍は志願兵制です。

兵力は、小規模な陸軍部隊で、駐留外国軍は、インド軍事顧問団でティンプーその他主要地点に駐留し、軍事支援を提供しています。

「ブータン王国」と「日本」の関係は?

「ブータン王国」と「日本」の政治関係は、1986年3月28日に外交関係が樹立され、1971年9月国連にてブータンの国連加盟の共同提案国となったことにより、我が国は同国に対する黙示の国家承認が行われました。

それ以来、我が国とブータンとの関係は、皇室・王室間を含む要人の交流、故西岡京治氏の農業振興指導をはじめとする経済協力を通じ、友好な関係が構築されてきた。

「ブータン王国」にとって、日本は重要なドナー国であり、国際機関での選挙・決議等において日本を支持してきています。

その後は、1988年3月に在大阪ブータン王国名誉領事館が設置、2000年3月に在大阪ブータン王国名誉総領事館となり、2003年に閉鎖、2004年12月に東京ブータン王国名誉領事が任命、2007年2月に閉鎖されました。

2010年4月に在東京ブータン王国名誉総領事館、在大阪ブータン王国名誉領事館、在鹿児島ブータン王国名誉領事館が設置されました。

経済関係については、対日貿易において、貿易額は、2018年現在、日本への輸出が約74百万円、日本からの輸入が約682百万円で、主要品目は、輸出が生鮮・冷蔵野菜、合金鉄などで、輸入が小型掘削機、合金鉄・非合金鋼・鉄製品、自動車関連部品などです。

経済協力は、日本の援助実績は、無償資金協力が2017年現在、約390.99億円、技術協力が約211.15億円、有償資金協力は、「ブータンへ王国」の初の円借款となり、「地方電化計画」として約35.76億円の供与が決定されました。


また、2011年6月に「地方電化計画第2フェーズ」において、約21.87億円に関する交換公文に署名しました。

なお、主要援助国は、2016年現在、日本、オーストラリア、スイス、オーストリア、韓国です。

文化関係は、例年ティンプーを中心に、日本文化紹介や映画上映などの行事を「ブータン日本週間」として1週間程度実施されています。

我が国より文化無償協力として、これまで一般文化無償資金協力5件計約2.2億円が実施され。2018年には、我が国初の対ブータン草の根文化無償協力案件である「ブータン柔道場建設計画」の贈与契約(G/C)署名式が行われました。

2019年には、ブータンでの日本語学習環境整備の一環として、日本語能力試験が開始されました。

政府間の文化交流活動(各種留学・研修・招聘事業)の他、日本ブータン友好協会(1981年1月設立)および神戸ブータン友好協会(1981年1月設立)等が友好親善と文化交流の促進に努めています。

在留邦人数は、2019年現在、130人、在日ブータン人数は、2018年6月現在、836人です。

まとめ

以上、国特集「ブータン王国」でした。

ちなみに、「ブータン王国」の男子サッカーFIFAランキングでは、2020年11月の時点では「187位」でした。

本記事は、2023年5月11日時点調査または公開された情報です。
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