はじめに – 「 国立環境研究所」とは?
「 国立環境研究所」は、環境情報の収集・整理・提供などを行っています。
設立:1990年7月
予算:20,554百万円(平成31年度)
組織:環境省所管
所在地:茨城県つくば市小野川16番地2
公式ホームページ:https://www.nies.go.jp/
「 国立環境研究所」の事業内容
「 国立環境研究所」の事業内容を、7つのポイントに分けて、ご紹介します。
ポイント1:衛星観測に関する研究
1つ目は、「衛星観測に関する研究」業務です。
この業務は、温室効果ガス観測技術衛星(2009年打上げ「いぶき/GOSAT」)や、その後継機(2017年度打上げ「GOSAT-2」)について、大気中の二酸化炭素やメタン、一酸化炭素、微小粒子状物質の濃度等を求めるデータ処理システムを開発・運用します。
また、得られたデータについて検証・保存・提供・広報活動を行い、炭素循環の科学的理解の深化や将来の気候予測の高精度化する業務も行われます。
なお、「GOSAT-2」以降の地球観測衛星についても科学的な検討が進められています。
ポイント2:子どもの健康と環境に関する全国調査の研究
2つ目は、「子どもの健康と環境に関する全国調査の研究」に関する業務です。
この業務は、研究実施の中心機関として進める大規模出生コホート疫学の調査・研究を行います。
具体的には、全国15 地域で、妊娠期間中や小児期の環境が子どもの健康と発達への影響について調査し、様々な情報や検査結果から血液などの生体試料を分析して赤ちゃんや子どもたちへの環境要因を調査します。
ポイント3:災害環境マネジメントの研究事業
3つ目は、「災害環境マネジメントの研究事業」に関する業務です。
この業務は、下記の5つの業務に細分化されています。
1)国内外の関連機関等との研究事業と連携した災害環境マネジメントの戦略づくりと基盤となる情報の整備
2)ネットワーク体制の構築・運営
3)実践的な専門性を有する人材の育成
4)災害対応の現地支援
5)研究の国際拠点化と研究者の育成
ポイント4:社会対話
4つ目は、「社会対話」に関する業務です。
この業務は、下記の3つの業務に細分化されています。
1)環境問題についての認識や環境研究のあり方について、経験の集約・分析
2)ソーシャルネットワーク等を活用した新たな広報コンテンツの開発および情報の発信
3)研究所の活動に関するステークホルダー会合などの設計・運営および社会からの声の研究活動へのフィードバック
ポイント5:リスク評価
5つ目は、「リスク評価」に関する業務です。
この業務は、下記の6つの業務に細分化されています。
1)行政施策に資する生態毒性の研究
2)国際的な連携の下での試験法の開発
3)試験実施の支援や標準化および基盤整備
4)関係機関と連携した科学的なリスク評価の実施
5)データベースの構築および知見・手法の提供
6)研究開発の成果を新たな行政施策形成の基礎として活用するための研究
ポイント6:国際連携・国際活動
6つ目は、「国際連携・国際活動」に関する業務です。
この業務は、世界各地でフィールド調査や共同観測などの国際共同研究を実施し、国際会議や国際ワークショップを主催、参加します。
また、アジア各国の研究機関と協力し、国際的な貢献や国際研究協定の締結、外国人研究者の受け入れ等に関する業務も行われています。
ポイント7:環境情報の収集・整理および提供
7つ目は、「環境情報の収集・整理および提供」に関する業務です。
この業務は、環境に関する情報を収集・整理し、これらの情報を、環境情報メディア「環境展望台」によってインターネット等を通じて広く提供します。
「 国立環境研究所」に就職するには?
「 国立環境研究所」には、毎年定期・不定期に行われる採用試験に合格し採用されることで、就職することができます。
新卒採用から社会人採用まであり、新卒採用は毎年採用試験があり、社会人採用やアシスタントスタッフの採用など、その他の職種は、不定期で募集があります。
「 国立環境研究所」の募集職種
「 国立環境研究所」には、研究系職員・事務系職員・研究系契約職員・高度技能専門員・アシスタントスタッフの職種があります。
事務系職員以外は、年度によって募集している職種等は異なります。くわしくは、公式ホームページをご参照ください。
直近の募集・採用情報
参考までに、2020年上半期に募集のあった職種をご紹介します。
事務系職員
「事務系職員」とは、2021年4月1日に入所する職員で、業務内容は、企画・総務関連業務です。
応募資格は、大学院・大学・短期大学・高等専門学校又は専修学校を2021年3月までに卒業する見込みの人など、諸条件がありますので、くわしくは、ホームページをご確認ください。
この「事務系職員」は、書類審査・テストセンター形式総合適性検査の1次試験、面接による2次試験に合格し、採用されれば就職できます。
研究系契約職員
「研究系契約職員」は、下記の4つの部門で募集があります。
1)衛星搭載ライダー等による大気遠隔計測データを用いた大気粒子解析に関する研究業務
2)大気汚染物質データ同化手法を用いた数値モデリングに関する研究
3)震災復興地域における地域エネルギーマネジメントシステムの計画・評価に関する研究
4)海洋環境のメチル水銀の挙動・動態解明に関する研究
応募期限は、2)のみ2020年5月22日ですが、ほかは随時受け付けています。
採用予定時期は、令和2年5月1日以降のあるべく早い時期で、雇用期間は、令和3年3月31日までで、令和5~7年まで年度単位で更新されることがあります。
雇用期間の更新については、上記の業務によって異なります。
また、応募資格は、採用時に博士号あるいは修士号またはこれらに準ずる業績を有することなど、諸条件がありますので、くわしくは、ホームページをご確認ください。
この「研究系契約職員」は、書類審査後、面接に合格し、採用されれば就職できます。
高度技能専門員(契約職員)
「高度技能専門員」(契約職員)は、下記の6つの業務で募集があります。
1)「子どもの健康と環境に関する全国調査(エコチル調査)」における乳歯分析業務
2)地域生態系の気候変動適応に関する国内の情報収集・整理・GIS 解析業務
3)遠隔計測データセットの構築と大気データ解析に関する業務
4)「子どもの健康と環境に関する全国調査(エコチル調査)」のデータ管理システムの運用・管理並びにソフトウエア保守の統括およびデータ処理業務
5)気候変動適応に関する国内外の情報収集・整理・提供支援業務
6)環境標準物質の作製に係る業務
応募期限は、1)は2020年6月30日、2)は2020年6月23日、4)は2020年5月29日で、そのほかは随時受け付けています。
採用予定時期は、令和2年4月~9月1日以降のなるべく早い時期で、雇用期間は3年3月31日までで、業務によっては、令和5~12年3月31日まで年度単位での更新があります。
応募資格は、各業務によって諸条件がありますので、先の採用予定時期および雇用期間を含め、くわしくは、ホームページをご確認ください。
書類審査の後、必要に応じて面接試験があり、合格すれば就職できます。
アシスタントスタッフ(契約職員)
「アシスタントスタッフ」(契約職員)は、令和2年6月1日以降なるべく早い時期に入所する職員です。
雇用期間は、令和3年3月31日までで、令和7年3月31日まで年度単位での更新があります。
業務内容は、主に下記の4つです。
1)検疫終了後の野生動物試料の細胞培養・凍結保存等に関する業務(培養液の調整、細胞培養・継代、凍結保存チューブの液体窒素への移動およびデータ管理等)
2)凍結保存試料の品質検査等に関する業務(微生物学的・遺伝的モニタリング等)
3)凍結保存試料の分譲・発送等に関する業務
4)実験に関連した消耗品類の準備ならびに実験室の環境整備等
この「アシスタントスタッフ」(契約職員)は、書類審査の後、面接に合格し、採用されれば就職できます。
採用に関する詳細
上記に記載してある情報は、2020年5月に調査したものです。詳細は、公式ホームページの採用情報をご覧ください。
▼参考URL:https://www.nies.go.jp/osirase/saiyo/
まとめ
いかがでしたでしょうか?
「 国立環境研究所」は、環境情報の収集・整理・提供などを行う役割を担っています。
「 国立環境研究所」への就職を希望されている方は、ぜひこの記事をご参考ください。
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