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【災害大国 日本】全国の自治体の「防災活動」のまとめ

災害大国と呼ばれる日本では、いざという時の備えとして、防災訓練を始めとした防災活動を自治体や学校、企業などが主体となって各地で行われています。体験した事がある人も多い、日本全国の防災活動について今回は紹介しています。

2017年12月27日更新

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目次
幼稚園・保育園・小学校などで行われる防災活動
地域住民による防災活動
自治体による防災活動
消防本部が行っている市民への防災の取り組み「防災メール」
まとめ
【自衛の力を養おう】自治体や各機関で行っている防災活動について

幼稚園・保育園・小学校などで行われる防災活動

告知型と突発型がある防災訓練

幼稚園、保育園など未就学児の集まる教育機関や福祉施設、及び低学年時も在籍する小学校で災害が発生した時には、小さい子供だからこそパニックになってしまったり、教員や保育士の指示が通らなかったりして、大きな怪我や事故の原因にもなる危険性があります。

また、万が一津波や大地震などで幼稚園や保育園、小学校などの施設が孤立状態になった時には、その施設にいる教員や保育士たちは、自分たちだけでなく子供たちの身の安全も確保しなくてはいけません。特に小さい子供がいる施設は災害弱者が生まれやすいので、万が一の時の備えとして全国各地の幼稚園・保育園・小学校では定期的に防災訓練が行われています。

幼稚園・保育園・小学校での防災訓練は、あらかじめ保護者にも日時を知らせておく「告知型」の防災訓練と、園児や保護者には「今月のいずれかの日にちに防災訓練を行う」など、おおまかな防災訓練予定だけを知らせ、その期間のいずれかに防災訓練を突発的に行う「突発型」の2つがあります。幼稚園・保育園では新入園児も多い1学期の間は告知型の防災訓練を行い、ある程度園の生活にも慣れてきた2学期には突発型の防災訓練を行う事が多くなっています。災害時に保護者は各施設へ自分の子供を迎えに来る必要がありますので、告知型の防災訓練では保護者の防災訓練への参加や、各施設へ実際に迎えに来る訓練も行われています。

主な幼稚園・保育園・小学校での防災訓練は、授業や園での活動中にサイレンを鳴らす、放送で災害内容を呼びかける、その後適切な行動を取る、園庭や校庭に避難し、担任が幼児や児童の安全を確認後報告、という流れとなっています。災害内容は様々で、例えば大地震の場合は緊急地震速報の警報音と共に「震度〇度の地震が発生」と放送が入り、適切な行動は机の下に隠れる、火災の場合は火災報知サイレンと共に「給食室から出火」と放送が入り、適切な行動はハンカチで口元を抑えながら姿勢を低くし、担任の指示に従って外へ避難、などです。

自治体の消防署による防災教室

幼稚園や保育園、小学校の管轄内にある消防署から実際の消防官が施設まで出張し、防災教室も行われます。実際に火事や地震が起きた時にはどうするか、火事を起こさないためにはどうするか、などを消防官が子供たちの目線でレクチャーし、子供たちの防災意識を高める為の教室となっています。

消防官が施設へ出張して防災教室を開く事もありますし、社会科見学の一環として幼児や児童が管轄内の消防署へ足を運んで防災教室や講義を受ける事もあります。

幼年消防団・消防クラブなど、子供たちの防災組織の結成

日本全国の幼稚園や保育園の園児たちを対象とした幼年消防団や消防クラブ、およそ10歳から15歳までの児童生徒を対象とした少年消防団や消防クラブが、幼稚園や保育園、小学校単位で結成される事があります。

幼年消防団や消防クラブは、おおむね幼稚園年長相当になると結成される事が多く、結成式から始まり、近隣の幼稚園や保育園と防災を通じての交流や地域住民に防災の大切さを触れ回る為の活動を行う事によって、防災意識を地域ぐるみで高めるだけでなく、小さい子供の火遊びによる火事の発生の防止にも繋がっています。

少年消防団や消防クラブは、幼年消防団・消防クラブよりも多角的な防災に対する活動を行っており、防災教室への参加や居住地にある消防署への定期的な訪問、地域への防火標語版の設置などを行っています。

地域住民による防災活動

自治会ごとの防災訓練や備蓄管理など

居住地域の住民が色々な活動を行うために作られた組織が自治会です。一戸建てだけでなく、大きな団地やマンションごとに自治会を設けている場合もあります。

自治会の活動の中にも防災活動があります。自治会館を使用した防災訓練や、自治会で保管している備蓄管理、消火栓や防火水槽などの消火設備の管理などです。また、芋煮会などレクリエーションと災害時の炊き出しを想定した活動の両面を兼ね備えた催しも行われています。

婦人防火クラブの結成

幼年や少年消防団・消防クラブと同じく主に家庭の主婦で結成されている婦人防火クラブも各自治体では活動を行っています。万が一の災害時にも、地域の家庭ごとに力を合わせて災害を乗り越える組織づくりを目的としており、主婦の目線からの防災活動を行っているのが特徴です。例えば、仙台市の婦人防火クラブ連絡協議会では、災害時でも備蓄物を使ったサバイバル料理(通称サバメシ)や、卓上コンロで作るおいしいレシピ公開などを行っています。

卓上コンロでつくる簡単レシピ 仙台市婦人防火クラブ

自治体による防災活動

シェイクアウト訓練による大規模な防災訓練

市町村単位で行う大規模な防災訓練を、自治体や自治体消防本部が主導となって全国各地で行われています。大規模な防災訓練は、防災の日に制定されている毎年9月1日付近に行われている事が多いです。

自治体規模の防災訓練では、従来の様にあらかじめ防災訓練を行う会場を用意して、その場に住民が集まって行われる訓練に加えて、事前に広報などで日時を告知した上で自治体全域に防災無線や緊急地震速報の発生音などを鳴らし、自治体の住民全員がその場で防災訓練に参加できる「シェイクアウト訓練」という方法を採用する自治体も多くなりました。シェイクアウト訓練は、訓練の日時の告知と、防災無線の活用だけで自治体全域が防災訓練に参加できますので、仕事や育児などの都合で防災訓練に参加できない、予定が合わない人でも、その場で防災訓練に参加できる、また住民一人一人の状況に応じてその時に取るべき適切な行動が異なってくるので、より臨場感のある訓練ができる、日常生活の中で防災訓練を取り入れる事によって日ごろから防災意識を高めた生活ができる、といったメリットがあります。

あらかじめ災害状況を想定した上での防災訓練

地震や津波などの大災害だけでなく、ミサイル攻撃により着弾の恐れがある時の訓練など、色々な災害状況に応じた防災訓練も行われています。これらの訓練の時にも、防災無線を使用して災害の内容を自治体が告知し、その災害に対して適切な行動を行う為の訓練を行います。例えば、ミサイル攻撃を想定しての訓練の場合は、Jアラートの緊急警報音と共に、ミサイル発射の防災無線を流し、訓練に参加した住民は頑丈な建物の中に隠れる、建物がない時には身をかがめてできるだけ物陰に隠れる、などの適切な行動を行います。

災害状況を想定した上での防災訓練は、小学校の校庭や運動公園など広い場所で大規模な防災訓練として行われる事もあれば、前述のシェイクアウト訓練として行われる事もあります。

エリアメールを活用しての防災訓練

シェイクアウト訓練と共に自治体が取り入れている新しい防災訓練の方法として、エリアメールの活用があります。エリアメールとは、大地震発生の恐れがある時には緊急地震速報を、ミサイルの通過や着弾の恐れがある時にはJアラートの緊急速報を、当該地域へ携帯電話のメールを通じて自動的に発信する機能です。

エリアメールを使用した防災訓練では、緊急地震速報やJアラートの緊急速報音と共に、訓練と称したエリアメールが届きます。

例として、宮城県仙台市の沿岸地域で行われている津波避難訓練と同時に、「大津波警報発表」が発表された想定での訓練の為に当該地域住民に流された、訓練のエリアメールを紹介します。

緊急速報
訓練「大津波警報発表」訓練
Evacuation Drill.
こちらは仙台市です。津波避難訓練に伴いメールを配信しました。災害ではありません。
宮城県に「大津波警報」が発表されました。避難を指示します。
仙台東部道路より内陸側の安全な所、又は指定された避難場所などの直ちに避難してください。
津波は繰り返し来ますので、テレビ等の情報に注意してください。この情報は仙台市全域に配信しています。
これは訓練です。
(仙台市)

訓練である事、災害はない事が記載されていますが、文面は実際の大津波警報が発表された場合と同じエリアメールとなっています。また、エリアメールが届いた時の警報音も実際の大津波警報発令時と同じものでした。

消防本部が行っている市民への防災の取り組み「防災メール」

火災の鎮火や事故や災害での救助・救急活動を行うだけが消防組織の任務ではありません。火事を起こさないように火事予防の取り組みや、災害や事故が起きた時に対応できるように市民の防災意識を高める為の活動、そして災害が起きた時には直ちに市民へお知らせを配信し、災害による被害を防止する取り組みも行われています。

各自治体の消防組織で、防災の為に「防災メール」の配信を行っている所も多くなりました。防災メールの内容は、各自治体の消防組織によって異なりますが、市内やあらかじめ登録されている地域で事故や災害が起きている時のお知らせや、各注意報や警報が発令された時のお知らせ、消防車や救急車が出場している時にはその地区と災害や事故の内容のお知らせなどが自動的に配信されるようになっています。他にも、天気の週間予報や広報的なお知らせも配信している所もあります。

防災メールは、各自治体の消防組織の配信メールに空メールを送信すると、自動的にメールアドレスが登録され、配信されるようになります。

また、エリアメールと同じ内容を防災メールでも配信している自治体の消防組織もありますので、格安スマホユーザーなど、緊急災害の場合のエリアメールが届かない場合でも防災メールの登録をしておけば、エリアメールと同じ内容を瞬時に受け取る事ができます。

例として、宮城県仙台市消防局では「杜の都防災メール」を配信しています。ユーザーの居住地域近くで火災や事故、救急支援活動などで消防車が出動している時にはその情報が届きます。自宅にいる時に、杜の都防災メールで「〇〇(自宅近く)で火災が発生しているため消防車が出場しています」という内容が届いた後に、消防車が通過する音が聞こえる、という事もあります。

他にも、竜巻注意情報や各種注意報、警報が発令された時にはお知らせが届きます。地震が起きた時には、震度のお知らせが届きます。

週間天気予報も配信しています。なお、これらの配信メールの内容はユーザーが受け取りたい情報を選択する事ができますので、「近くの災害や事故などを知りたい」「警報や注意報だけ知りたい」など、用途に応じたメールだけを受信する事もできます。

まとめ

突発的な大災害は、人類の科学技術がどれだけ進歩しても予防する事はできません。ですが災害が起きた時により適切な行動ができるようにも人類は進化しました。警察や消防でも、大災害のたびに制度改革や新しい部隊の誕生などがありましたが、市民である私たちひとりひとりも防災意識を高め、災害大国の国民だからこその災害対応力を身に付ける必要があると感じます。今は参加しやすい自治体の取り組みや訓練も多く実施されていますので、参加してみてはいかがでしょうか。

(文:千谷 麻理子)

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