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警察・消防の歴史に触れる「警察博物館」「消防博物館」について

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目次

警察博物館・消防博物館とは?

私たちの生活の中でも特に親しみのある公務員職として警察官、消防官があります。警察官、消防官の仕事内容や今までの組織の歴史や変遷の様子を、楽しみながら学べる博物館が警察博物館と消防博物館です。

警察博物館とは、警視庁が市民に警視庁や警察組織についてより知ってもらう為に設置した博物館で、東京都中央区京橋にあります。

消防博物館とは、東京消防庁が市民に今までの消防組織の歴史的変遷や車両、そして活動を楽しく学べる博物館として設置し、東京都新宿区四谷にあります。

警察博物館と消防博物館、それぞれについて解説していきます。

警察博物館について見てみよう

オープンは平成6年から

警察博物館とは、警察関係の資料や実際に使用している車両の展示や、小さい子供から大人まで楽しめる体験コーナーを設置した博物館です。平成6年にオープンし、平成28年からリニューアル工事の為に一時閉鎖、平成29年4月から「ポリスミュージアム」の名称に変更しリニューアルオープン、同年10月には累計来場者数が300万人を突破しました。

大人も子供も楽しめる博物館

警察博物館は1階から6階までの構造になっており、それぞれの階ごとに展示やイベント、体験コーナーを設けています。「来て、見て、学ぶ ポリスミュージアム」がコンセプトとなっており、大人も子供も楽しみながら警察の仕事や歴史、組織について触れる事ができます。

警察博物館の内部を見てみよう

1階の「ピーポくんホール」では車両展示と制服着用ができる

警察博物館の正面玄関には警らパトカーが展示され、上部のオーロラビジョンでは管内施設案内が流れています。

中にある「ピーポくんホール」には現在警察で使用しているホンダVR白バイ、白バイの前に配備されていた赤バイ、日本で初めての警察に導入されたヘリコプター「はるかぜ」も展示されており、これらの車両は実際に乗る事もできます。

また、子供用の警察官の制服も用意されていて、制服を着用して車両に乗って記念撮影ももちろん可能です。一般的な男女別の警察官の制服の他、白バイ隊員の制服、ヘルメットもブーツも用意されていて本格的な子供用の制服となっています。

2階は「人と街をともにまもる」防災と交通安全がテーマ

2階では、正しい自転車の乗り方を画面に連動した自転車を運転しながら学べる自転車シミュレーターや、街のジオラマと一緒に連動している画面の丸い部分をタッチすると、その場所に潜んでいる危険を学べるジオラマシミュレーション、受話器を取って110番通報の体験ができる、子供・大人用それぞれの110番通報体験、空き巣などから自宅を守る為の対策が学べる体験コーナーなど、交通安全と防災に関する事を楽しみながら学べる、充実した体験コンテンツが楽しめます。

3階「事件・事故を解決する力」は現場で活躍する警察官の体験ができる

3階に入ると、本格的な現場で働く警察官の体験ができるコンテンツが楽しめます。交番も設置されていて、交番の中はどうなっているのかや、交番勤務の警察官の職務内容が学べる交番疑似体験や、ディスプレイの前に立つと色々な警察官の制服が画面に映ってスタンプ上に加工され、まるで制服を着ている様に楽しめる「いつのまにか警察官」が楽しめます。


刑事や科学捜査官の体験ができるコンテンツでは、初級中級上級の難易度別に、画面に映し出される写真を元に指名手配犯を見つける「指名手配犯を探せ」、用意されている本物のタイヤと靴を使い、犯人の残したタイヤ痕と足跡を照合させて痕跡調査が体験できる「タイヤ痕を調べろ!」、目撃者の証言に合わせて目や鼻、口など顔のパーツを画面上で選択して犯人の顔を作る「似顔絵捜査官に挑戦」、属性、行動が画面上に表示される数人の聞き込みをしながらメモを取り、聞き込み調査が体験できる「基本は聞き込み」、画面上をはけで払って犯人の指紋を取る「容疑者の指紋をさがせ!」が用意されています。

4階「首都をまもる 警視庁の今とこれから」は現在の警視庁を知れる

4階は現在の警視庁管轄内の区と市に分けて交通事故件数と事件発生件数を表したプロジェクションマッピングが中央にあり、それを囲むように現在の警視庁の各部署活動紹介が見られるコーナーが設けられています。各部署活動紹介では、現場で活躍する警察官たちの姿や生の声を映像で見たり聞いたりできます。

フロアの奥には、実在の警察官の体験に基づいて作られた、10分間のアニメ作品3本が座って鑑賞できるミニシアターと、警察の各部署や部門ごとの制服が展示されています。特に、制服展示は鑑識や水難救助隊、機動救助隊などテレビドラマや映画などでも登場する制服も見る事ができます。

5階「警察のあゆみ」では警察組織の歴史が学べる

5階は、明治時代から現在までの警察組織の歴史を展示とパネルで学べるフロアです。警察組織の創生者である川路大警視について学べる専門コーナーや、戦前の資料や楽器などの貴重な展示物、明治から平成までの有名事件をまとめて学べる明治から平成事件史コーナー、歴代の警察官の各種制服の展示などが見られます。

6階はイベントホール、休憩所としても使える

6階はイベントホールとなっており、各種イベントが開催されますが、イベントなどがない場合には、休憩所として使えます。イベントの開催については警視庁のホームページにて告知されます。

警察博物館「ポリスミュージアム」の概要

月曜日と年末年始がお休み 最寄り駅は京橋駅

警察博物館は、最寄り駅の東京メトロ銀座線京橋駅から徒歩2分の立地にあり、毎週月曜日と年末年始12月28日から1月4日が休館日です。入場料は無料です。

いつでも入館できますが、社会科見学など団体で利用したい時には、警察博物館に事前予約をしておくとスムーズに入館できます。

参考:警視庁 「来て、見て、学ぶ ポリスミュージアム」
http://www.keishicho.metro.tokyo.jp/about_mpd/welcome/welcome/museum_tour.html

消防博物館について見てみよう

オープンは平成4年から

消防博物館とは、東京消防庁の歴史資料や活動内容、実際に使用していた消防車両の展示や乗車ができる博物館です。平成4年12月にオープンし、「東京消防庁消防防災資料センター」とも呼ばれています。

地下1階から地上10階まで、5階には屋上もある

消防博物館は、地下1階が最寄り駅の四谷三丁目駅から直通となっており、地上階は10階までの見ごたえのある博物館です。

消防博物館の内部を見てみよう

地下1階は地下鉄直通 「消防自動車の変遷ゾーン」

地下1階では、大正時代に導入された消防車両から平成まで活躍していた消防車両まで展示されており、消防自動車が時代とともにどのように変わっていたのかが学べるフロアです。

スタッツ消防ポンプ自動車やベンツ・メッツ梯子自動車、いすゞ・メッツ梯子自動車、アーレンス・フォックス消防ポンプ自動車、ニッサン180型消防ポンプ自動車、スタッツ消防ポンプ自動車、マキシム消防ポンプ自動車などのクラシック消防車から、志村消防署に配置され、平成12年まで活躍していたイベコ・マギルス梯子自動車、平成8年まで赤羽消防署で活躍していたトヨタ救急自動車まで展示されています。なお、消防車両の近くには着用できる大人用・子供用の消防士の防火服も用意されているので、着用の上での記念撮影も可能です。消防博物館のマスコットキャラクターである「ファイヤーくん」と一緒に座って写真撮影ができる子供用の消防車もあります。

また、地下1階にはミュージアムショップがあり、消防関連のグッズやお土産、防災用品の購入もできます。

1階のエントランスでは消防ヘリコプター「ちどり」がお迎え

地上部分の玄関である1階の玄関には、昭和57年まで活躍していた消防ヘリコプターの「ちどり」が展示されています。また、消防組織の国際化に関する展示や座って鑑賞できるミニシアターが用意されており、防災アニメや消防隊員の活躍の様子を見られます。

3階「現代の消防ゾーン」では、体験型コーナーもたくさん

3階には、1階とおなじく平成12年まで活躍していた消防ヘリコプター「ちどり」が、エンジンやテールローターなどのパーツと一緒に空の消防隊コーナーに展示されています。また、こちらのちどりは運転席に乗る事もできます。


フロアの中央に位置する消火や救急活動をアニメと模型で学べる模型ショーステージや、防災や防火のアニメを日本語版・英語版で見られるミニシアター、災害の甚大な被害や備えに対する重要性を映像と展示で学べる自然災害とその備えコーナー、パネルや映像で実際の消化活動や出場の様子や、最新の消防装備や資機材の展示が見られる災害に立ち向かうコーナー、実際に救助隊が使用しているエンジンカッターなどの救助用資機材に触れられ、子供用、大人用の防火衣を着用して消防車に乗って記念撮影もできる消防隊に変身コーナー、東京消防庁のデータを元に作られた家庭のリビングを再現したコーナーで、家庭内で起きやすい子供の事故を防止するため中に入って危険な場所を調べて事故防止に努める我が家の安全チェックコーナーがあります。

4階は消防の近代化が学べる「消防の変遷ゾーン」

4階では、明治から平成までの消防組織の変遷を展示で学べます。

現在の消防組織の基礎ともいえる、明治時代の消防組織や消防活動の資料展示として、当時の蒸気ポンプや消防組織の装備品や模型、錦絵を見られる近代消防のあけぼの・はじまりコーナー、消防組織の増強のきっかけとなった関東大震災の当時の映像や写真、全国的に普及が始まった当時の消防車両の模型展示が見られる消防の躍進コーナー、戦中戦後の消防活動の様子や高度経済成長を経て増加した高層ビルの火災など、多様化する災害への対応の様子、消火だけでなく救急業務が開始した事、火災への対処ではなく災害を未然に防ぐ予防活動が発展した消防の近代化の様子が見られる消防組織の拡大や自治体消防の始まりコーナーが設けられています。また、当時活躍していた消防バイク通称赤バイも展示されています。

5階は消防組織の元になった「江戸の火消しコーナー」

5階では、江戸時代の火消しの活動や当時の火消し組織の様子を、江戸火消の誕生、武家の火消、町方の火消コーナーに分かれた各組織別に資料や錦絵、衣装や道具などを展示しています。

また、江戸火消しのシンボルである纏(まとい)を本物の2分の1サイズの模型にして、いろは48組、本所深川16組の全てを展示しています。当時の江戸の街を精巧に表したジオラマでは、火事の現場に駆け付けて、破壊消防にて消火を行う火消したちの活躍を浄瑠璃で見られます。

5階の屋上には昭和63年まで東京消防庁航空隊で活躍していた消防ヘリコプター「かもめ」が展示されており、こちらも運転席に乗る事ができますが、雨天など天候によっては屋上に入れませんので気を付けましょう。

6階は企画展示室と映像室、キッズスペースもあり

6階には特別展示会などの企画を開催する企画展示室や映画の上映を行っている映像室があり、6階で行われている企画は「消防博物館だより」で紹介されています。例えば、東日本大震災のあった平成23年3月11日から6年にあたる、平成29年3月11日からは「防災教育動画 君の命を守りたい -自助・共助~首都直下地震への備えー」が上映されています。

参考:消防博物館だより
http://www.tfd.metro.tokyo.jp/ts/mus/mus-tayori.html

また、6階にはキッズスペースもあり子供用の消防バイクの乗り物や消防関係の絵本なども用意してあります。

7階は図書資料室

7階は図書資料室となっていて、水曜日・金曜日・日曜日の午後1時から4時半まで開放されています。なお、図書や資料のコピーは取れず、閲覧のみとなっています。

10階は、飲食も可能な展望休憩室

※ 平成29年12月18日から翌平成30年2月13日の間、リニューアル工事のために10階展望休憩室のリニューアル工事のために10階部分は閉鎖されています、ご注意ください。

10階は見晴らしの良い展望休憩室で、近隣の六本木ヒルズや新宿副都心ビルを眺める事もでき、晴れていれば富士山も見えます。また、消防博物館内で唯一飲食可能なフロアとなっています。お弁当や買ってきた飲食物の持ち込みも可能ですし、飲料自動販売機もありますが、必ずゴミは持ち帰りましょう。

消防博物館の概要

休館日は警察博物館と同じ、最寄り駅は四谷三丁目駅

消防博物館は、警察博物館と同じく毎週月曜日及び年末年始の12月28日から1月4日までが休館日となっていますが、月曜日が祝日の場合は開館し翌日火曜日が休みになります。また、毎年9月1日の防災の日、10月1日の東京都民の日、1月17日の防災とボランティアの日が月曜日の場合でも開館します。

最寄り駅は東京メトロ丸の内線の四谷三丁目駅で、地下1階と直結になっています。

10名以上で来館する時にはあらかじめ団体予約が必要になります。消防博物館に電話で予約後、「消防博物館見学申請書」を郵送かFAXで消防博物館へ送って予約を取ります。

参考:消防博物館見学申請書ダウンロード
http://www.tfd.metro.tokyo.jp/ts/mus/mus_sinseisho.pdf

参考:東京消防庁 江戸時代から現代までの消防の歴史に触れながら防火・防災を学べる消防博物館!
http://www.tfd.metro.tokyo.jp/ts/museum.html

まとめ

警察、消防組織の活躍や歴史が楽しみながら学べる警察博物館、消防博物館についてご紹介しました。いずれの博物館共に大人は防犯や防災について学べる機会が得られ、子供たちは憧れの警察や消防の車両、制服や活動内容に触れられる充実の施設となっていますが、何と無料で入館できます。夏休み・冬休みなどに、親子で出かけるのもお勧めです。

(文:千谷 麻理子)


本記事は、2017年12月21日時点調査または公開された情報です。
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この記事を書いた人

憧れの職業から時事問題まで、母親と女性の視点から。子供達の成長と被災地復興を見守る「千谷麻理子」さんの執筆する解説記事・エッセイ・コラム記事です。

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