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【北海道職員の仕事】決して楽ではない公務員の仕事について

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北海道は広い!公宅は古い!転勤が大変

北海道職員は管轄範囲が北海道全域・83,450平方kmに及ぶため、道内各地を数年ごとに転勤しながら仕事をすることになります。県内の移動が1~2時間で済むという他都府県とは異なり、道内の移動には時間がかかるので、転勤が大変なのです。

例えば、北海道庁の本庁舎がある札幌市から、道東の端にある根室市は、450kmほど離れています。休憩なしで車を運転したとしても、7時間はかかります。転勤になると、そんな大移動をすることも珍しくないのです。

そんな長距離移動が伴うことも多いのに、転勤先が発表されるのは大体3月下旬です。つまり、「あと2週間で引っ越し業者を手配して家を決めて、荷物をまとめて引っ越ししないといけない!」という状態になるのです。「ちょっと隣町に引っ越す」程度であれば家探しも休日に行えますが、450km離れている、片道7時間の移動が必要な地方への転勤となると、家探しもままなりません。

転勤する職員の負担を減らすべく、道内各地に独身寮や公宅が用意されていますが、これもまた問題があります。

独身寮や公宅を新しくしようと思っても、「公務員が済むところに無駄な金をかけている」という批判が多く寄せられるため、寮や公宅の多くは築何十年のボロボロ住宅ばかりです。家中ボロボロで夏は虫が湧き、お風呂のお湯を沸かすためには手動のハンドルを回さなくてはいけない。

転勤して慣れない土地で仕事をしなければならず、身体的にも精神的にも疲れるのに、こんな家では休むこともできませんよね。

さらに、近年女性の社会進出を進める国の政策に伴い、北海道職員も女性の採用数を増やし始めました。しかし昔から圧倒的に男性職員の方が多いので、女性向けの独身寮などは未だに整備されていません。

公宅は基本的に家庭を持つ職員が優先されますから、独身女性は慣れない土地でゆっくり吟味もできずに民間のアパートを契約することになります。このように、北海道職員の転勤は何かと大変なことが多いのです。

北海道ならではの悩み!移動が大変

都道府県庁に勤める職員は、管轄する都道府県内であればあちこちに移動して仕事をすることが多いです。移動も転勤と同様、北海道の広大な土地が職員を苦しめます。

「北海道内の移動」は、時に他都府県への移動よりも時間がかかるのです。例えば出張で稚内市から札幌市に行くとすると、片道5~6時間はかかります。13時から札幌市で行われる会議に、宗谷総合振興局勤務で稚内市在住の職員が出席するとなると、朝6時台のバスに乗って6時間かけて向かわなくてはいけません。

もちろん帰りも6時間かかります。移動にこれほどまでに時間がかかると、その日は自分のデスクで仕事はできませんよね。同じ北海道内の市町村に行くことが、自分の業務を圧迫することになるのです。


また、休日はイベント業務のために地方に出張しなければならないこともあります。札幌市の本庁舎に勤務する職員が、函館市のイベントに参加するとしましょう。行きに4時間、イベント業務に4時間、帰りに4時間かかり、日帰りで帰ります。細かい移動やイベントの準備時間などの含めると、休日は丸々1日潰れるわけですが、後日もらえる代休は、業務に費やした4時間分だけです。

代休は休日に仕事をした分のお休みなので、業務時間分だけになるのは当たり前ですが、往復に費やした8時間はなかったものとされるのです。丸1日移動と仕事で疲れた体が、4時間の代休で回復するわけがないですよね。このように、広大な北海道だからこそ移動が大変になり、疲弊する原因となるのです。

これも私の担当ですか?人手不足と年齢構成の歪さが大変

北海道庁は数年前から、新規採用職員数を増やし始めました。それまでは人件費削減のために採用数を減らしていたのですが、還暦を迎えた職員が大量に退職して人手不足に陥ったので、慌てて採用数を増やしたのです。最近になって職員数を増やしても、人手不足がすぐに解消されるわけではありません。そのため、1人で何人分もの業務をこなさなくては仕事が終わらないのです。

また、採用数を絞ったり、大量に採用したりと波があった結果、職員の年齢構成がおかしなことになりました。大量の職員を採用していたときに入庁した50代と、最近大量に採用された20代の職員数は多く、採用数を絞っていたときに入庁した30代の職員は極端に少ないという歪な年齢構成になっているのです。

知識も経験も豊富な50代の職員が毎年大量に退職していき、残るは数少ない30代と何も知らない大量の20代となれば、即戦力になる職員が足りないのは明らかです。そのため、これまで十分な知識や経験のある中堅職員が担当していた仕事を、若干22歳の新卒職員がいきなり担当することになります。

上司や先輩に質問しようにも、人手不足で自分の業務で手一杯なのは皆同じなので、なかなか仕事を教わる機会にも恵まれません。人手不足と年齢構成の歪さが、業務に悪影響をもたらしているのです。

残業せずに帰れ!?ワークライフバランスの推進が大変

人手不足のため職員1人ひとりの負担が増えることで、勤務時間内に仕事が終わらず、残業をする職員も多いです。もちろん配属される部署によっては全く残業の必要がなく、毎日定時で帰れる職員もいますが、忙しい部署や慢性的に人手が足りない部署は残業が当たり前になります。中には休日出勤をする職員もいるくらいです。

しかし、長時間労働による過労死や健康被害が話題になっている世の中ですから、近年北海道庁も「ワークライフバランスの推進」を積極的に行っています。具体的には、夏と冬それぞれ1カ月ずつをワークライフバランスの推進を強化する期間に設定し、時間外勤務を減らしたり、有給休暇の取得を促すというもの。期間中は極力残業をせず、定時に帰るように指示されます。管理職員による見回りも強化され、残業をする職員を減らすようにしています。

しかし、ワークライフバランスの推進が強化される期間だからといって、他の月よりも仕事量が少なくなるわけではありません。仕事量は変わらないのに、「残業しないで早く帰ってくれ」と言われるのです。今まで残業して何とか終わらせていた仕事量が、いきなり勤務時間内に終わるわけがありません。結果、「残業がダメなら家に仕事を持ち帰ろう」「朝早く職場に来て仕事をしよう」となるのです。

普通に残業をしていたらもらえたはずの残業代は、自宅で仕事をしたり早朝勤務をしたりすることでもらえなくなります。つまり、日々業務に追われる職員にとってワークライフバランス推進期間は、仕事量は変わらないのに残業代をカットされて給料が減る期間となるのです。

時間外労働を強制的に減らす前に、1人ひとりの仕事量の見直しと適切な人員配置を行わなければ、職員の負担は増える一方ですよね。北海道職員だけではなく、公務員は働き方改革を率先して行うのが一般的ですから、上手く付き合っていかなくてはいけません。

ちゃんと仕事してるのに……。クレームが大変

北海道職員は国や市町村、道民の方々と広く連携することで、北海道の発展を目指しています。しかし、道民の方と接するときには、公務員としての対応にクレームがつけられることも珍しくありません。

非常によく言われるのが、「北海道職員はお役所仕事の公務員だから、頭が固くて融通がきかない」というものです。確かに、臨機応変に対応するより前例踏襲が採用されますし、決められたルールに従っていない書類などは受け付けることができません。筆者は実際に提出された書類に記載漏れが見つかったので電話で再提出を依頼したところ、融通がきかないと怒られたこともあります。

しかし、「仕方ないなぁ。じゃあ、今回は特別ですよ」と勝手に判断して、不備のある書類をそのまま受理することはできません。なぜなら、他の人と判断基準が違ってしまうからです。北海道職員に限らず、公務員の仕事は公平性を保たなくてはなりません。そのため、自分たちも頭が固いとわかっていながらも、決められた基準から外れたものを受けるわけにはいかないのです。

また、特に年配の方から北海道職員のあり方についてクレームを受けることもあります。イベント業務で地方に若い職員が行くと、現地の年配の方も最初はにこやかにお話してくれるのですが、北海道職員であるとわかった途端に冷たくなる方もいるのです。筆者は、「お前ら北海道職員がちゃんと働かないから、北海道はいつまで経っても発展しないんだ!」と面と向かって説教されたこともあります。


実際には定時で帰ることが幻だと思ってしまうくらい、毎日必死に働いているのですが、そんなことはその方には伝わっていないのでしょう。楽して給料をもらっていると勘違いされ、理不尽なクレームや暴言を浴びることは、公務員あるあるかもしれませんね。北海道職員に限らず、公務員になると身内は喜びますが、世間の目線は厳しいですよ。

大変だけどやりがいのある北海道職員

実際に北海道職員として働いていた筆者が、北海道職員の大変なところを紹介しました。今回は大変なところだけをピックアップして紹介しましたが、実際はやりがいもたくさんあり、「北海道職員として働いていて良かった」と思えることも多いですよ。

転勤や移動は大変ですが、地方によって異なる人や生活習慣、グルメなどを経験することができます。道民の方も冷たい人ばかりではありませんし、休日返上で働いていることを労ってくれる優しい人もたくさんいます。北海道の発展に貢献したいという公務員志望の方は、是非北海道職員を目指してくださいね。

本記事は、2018年1月22日時点調査または公開された情報です。
記事内容の実施は、ご自身の責任のもと、安全性・有用性を考慮の上、ご利用ください。

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この記事を書いた人

公務員総研の編集部です。公務員の方、公務員を目指す方、公務員を応援する方のチカラになれるよう活動してまいります。

コメント

コメント一覧 (1件)

  • 北海道行政職員
    40代半ばで配置転換で学校事務職員になりましたが、ここ10年でブラック化はひどくなりました。
    新しい業務はなぜか年々間違いなく増えていく中で、定数(配置人員)は減りました。定時退勤は都市伝説となっている部署は普通と思った方が良いです。働き方改革(勤務時間管理)と言うことで出退勤管理のために、QRコードを使ったシステムを導入しましたが、中古パソコンが送らてきてシステムを無理やり乗せさせ、設定設置は現場に丸投げ、当然不都合やトラブルが起こります、その解決のために相当な時間外(ただ働き)をされた方がたくさんおられたと思います。この様にイレギュラーな事柄はよくありますが、通常業務だけでも勤務時間内に終わらないわけですから、当然休日出勤(ただ働き)しなければなりません。12時間労働当然で休みは月2日と言うことも普通に経験しました。
    当然、休日出勤の時は前述した出退勤システムはスルーします。表面上は業務は勤務時間に終わっていなければ都合が悪いためです。まともに記録してしまうと月100時間などは簡単に超えてしまう職員は普通にいるのが現実です。北海道職員の採用辞退率が異常と言われますが当然です、新採用の職員も配置人員が足りてないため経験が無いとできないような重い仕事も採用当日から担当し、長時間労働が当然となります、それは当然公務員を目指す大学等の後輩に伝わるのですから。知合いのお子さんの公務員志望の受験者達は「道職員は公務員試験の滑り止め」と公然と言っておりました。

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