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【消防車が赤い理由は?】今日から使える『消防車両』の豆知識

赤いボディで現場に駆け付ける消防車両はとても頼れる存在。実は子供だけでなく大人のファンも多くなっています。ここでは、知っておくともっと消防車両が好きになれる、誰かに教えたくなる豆知識を集めてみました。

2018年02月03日更新

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目次
ポンプ車に関する豆知識
はしご車に関する豆知識
消防のちょっと珍しい特殊車両に関する豆知識
消防車両全般に関する豆知識
まとめ
【消防車が赤い理由は?】今日から使える『消防車両』の豆知識

ポンプ車に関する豆知識

水を組み上げるポンプ車と水槽付きポンプ車がある

火災現場に駆け付ける消防車両といえばポンプ車。ポンプから水を組み上げて放水するポンプ車は、消火栓や防火水槽、海や川などから水を組み上げますが、あらかじめ水を蓄えた水槽をつんだ水槽付きポンプ車もあります。また、高速道路の火災など消火栓が使えずかつ大量の水が必要な時には、10トンの水を積める動力ポンプ付き水槽車もあります。

ポンプ車の型式は3トントラックシャーシ型がCD-Ⅰ型、4トン以上のトラックシャーシ型がCD-Ⅱ型です。水槽付きポンプ車の型式は4から5トントラックシャーシに1,500Lの水槽を装備した水Ⅰ型、水Ⅰ型の中でも機動力が高くホイールベースの短いタイプが水Ⅰ-A型、その他のタイプが水Ⅰ-B型です。そして5トンから10トントラックシャーシに2,000Lから8,000Lの水槽を装備した水Ⅱ型、ワンボックスカーを改造した500Lの水槽を装備した速消小型水槽車の3つに分かれています。

放水ホースは細いほど水圧が高くなる

放水の時に使用するホースは40ミリ、50ミリ、65ミリと色々な太さがありますが、ホースが細ければ細いほど水圧が高くなり水の勢いが高くなります。また、水が出るのは銃口の様な形をした「フォグガン」と呼ばれる部分からですが、フォグガンにホースを回して止めるタイプの物もあれば、はめこむだけのタイプのものもあります。

ホースではなく、塔体やはしご、ブーム付きポンプ車もある

ポンプ車は、荷台部分にポンプ装置やホース、車体後方にホースを収容する為のホースカー、上部にはしごを備えたタイプが一般的です。

他にも、3段に伸縮する塔体の上に消火や救助の為に隊員が搭乗できるバスケットをそなえた塔体付き水槽付きポンプ車や、塔体の代わりにはしごがついたはしご付き水槽付きポンプ車、13.7mのブームの先に隊員が乗れるバスケットと、水や泡原液を噴射できる放水銃を備えた最新鋭の13mブーム付き多目的消防ポンプ車などがあります。

また、消火のスペシャリストである東京消防庁の特別消火中隊には、ポンプ車の前にフロントローダーと呼ばれる大きなショベルカーのバケットを取り付け、通行の妨げとなるものを排除したり、土砂を掘ったりしながら消火活動ができるフロントローダー付きポンプ車もあります。

はしご車に関する豆知識

日本一長いはしご車は54.7mはしご車 日本に3台のみ

はしご車のはしごの長さは30m級、40m級が一般的ですが、日本一長いはしご車は金沢市消防局、岡崎市消防局、徳島市消防局に配備されている54.7mのはしご車です。

はしご車を運用しているのは消火隊ではなく救助隊が多い

はしご車といえば高層ビルなどの高い建物火災の時に活躍する消防車両です。消防車両は、各消防署によって運用する部隊が決まっていますが、ほとんどの自治体では、はしご車は消火隊ではなくオレンジ色の活動服を着た救助隊が運用していて、はしご隊を救助隊が兼任している事が多いです。

なお、東京消防庁の場合は救助隊と同じくオレンジの活動服を着た隊員がはしご車を運用していますが、これは救助隊ではなくはしご車の運用とはしご車を使った活動を専任とした「はしご隊」です。救助隊と活動服は一緒ですが、はしご隊には救助隊のつけているワッペンはありません。

一方で、はしご車の運用を紺色の活動服を着た隊員が行っている場合もありますが、これは自治体によっては「乗り換え運用」を取り入れているからです。乗り換え運用とは、はしご車の様に特別な運転技術や性能の知識が必要な特殊車両に対して、あらかじめ専任の隊員を決めておく方法です。専任の隊員が消火隊員なら紺色の活動服、救助隊員ならオレンジの活動服の隊員がはしご車を運用する事になります。

消防のちょっと珍しい特殊車両に関する豆知識

消防車と救急車両方の機能を持つ「消救車」がある

救急車利用の需要が高まり、救急車不足を補うために生まれた特殊車両が消救車です。消防車と救急車両方の機能を持った消救車の車体の色は赤と白、ウィング式のドアが採用されており、車体の後部にはポンプやホースカーを備え、普通ポンプ車と同じく1分間に2,000Lの放水が可能です。車体中央にはストレッチャーを備え、もちろん車内には救急活動ができる設備も備わっています。

消防救急車は第一号が千葉県松戸市消防局六実消防署に配備され、その後京都市消防局北消防署中川消防出張所、青森県むつ市大畑町の大畑消防団本部付分団、福井県の嶺北消防組合、福岡市消防局、北九州市消防局の計6台が現在活躍しています。

東京消防庁のスーパーアンビュランスは3台、第一号は引退済み

東京消防庁の特別高度救助隊である消防救助機動部隊(ハイパーレスキュー)が運用する特殊救急車がスーパーアンビュランスです。大規模災害時には車体の横部分を開いて8台のベッドを置ける、大きな救護室として使用できます。

スーパーアンビュランスの第一号は実はハイパーレスキュー発足前の1994年10月千代田区丸の内消防署に配備されました。その後、ハイパーレスキュー発足に伴って大田区の東京消防庁第二消防方面本部に配置転換、2006年の引退まで地下鉄サリン事件や営団日比谷線脱線衝突事故、歌舞伎町ビル火災など都内の大規模事故や災害に出動し、活躍しました。

第二号は2004年から東京消防庁第二消防方面本部に配備、現在まで活躍しています。また、DMATをテーマとしたテレビドラマへの出演も果たし、毎年開催される東京マラソンではゴール付近で待機しています。

第三号は2006年から東京消防庁第二消防方面本部に配備、同じく現在まで活躍しています。

日本で1台のみの全地形対応車「レッドサラマンダー」は岡崎市消防本部にある

全地形対応車、通称「レッドサラマンダー」は車輪のクローラーを利用して車両を浮かせることなく最大1.2mまでの水深を走行できる特殊車両です。浸水地帯やがれきの散乱した箇所など、四輪駆動車でも侵入が難しい場所へも侵入でき今後の救助活動の幅拡大が期待できます。車両の構造は操縦席があり4人搭乗できる前の車両、更に人員と物資などが搭載できる後ろの車両に分かれていて、この二つは分離できますので、航空機を使用して運ぶこともできます。

レッドサラマンダーは、東日本大震災の教訓を踏まえて開発された車両で、特定の消防本部が所有しているのではなく日本国内での大規模災害時に被災地へ各地の消防本部から集まり活動を行う、緊急消防援助隊の所有車両です。しかし、普段は愛知県岡崎市消防局に総務省消防庁から貸与されています。これは、岡崎市が日本全体で見ると中央部分に位置している事と、消防署が高速道路に近い事で全国の被災地へアクセスしやすい理由から、配備場所として選ばれたからです。

消防車両全般に関する豆知識

消防車が赤い理由は諸説ある

国土交通省の省令「道路運送車両の保安基準」では、「緊急自動車の車体の塗色は、消防自動車にあっては、朱色とし、その他の緊急自動車にあっては、白色とする」としています。ですが、消防車がなぜ赤になったかという理由は定かになっていません。一説には初めて日本に輸入された消防車が赤色だったから、火事を連想させる赤色にする事で警戒心や緊急性をあおるため、などが理由とされています。

なお、救急車は「その他の緊急自動車」に該当するので白色の車体ですが赤い横線が入っていますが、これも消防の車両である事を表すため、東京消防庁が救急業務を開始した時、日本赤十字の救急車と区別するために赤い線の入った救急車が寄贈されたため、など諸説あります。

消防車両の運転手は「機関員」と呼ばれる

消防車両を運転する人は、運転手ではなく「機関員」と呼ばれています。機関員は消防車両の運転を担う専任の隊員で、国が定める緊急自動車の運転資格を満たした上で、各消防本部が定めている機関員の内部資格を取得した隊員です。

また、ポンプ操作のない救急車などの運転を行う「普通機関員」、ポンプ車の運転と操作を行う「ポンプ機関員」、大型科学車などの大型の消防車両の運転と操作を行う「大型機関員」、はしご車の運転と操作を行う「はしご機関員」に分かれています。

消防車両は2列シート 隊長の座る位置は助手席

通常トラック型の車両は運転席と助手席のみの一列シートですが、消防車両は2列シートになっています。運転席には運転を行う機関員、助手席には隊長が必ず座ります。後ろの席に隊員が座りますが、どこに誰が座るのかは、その部隊によって決まっている事が多いです。

なお、緊急走行時の「消防車が通ります、道を開けてください」とアナウンスするのは隊長の役目でしたが、今はデジタルのアナウンスができる車両も多くなりました。

赤色灯はLEDへの切り替えが行われている

消防車や救急車の上についている、緊急走行時に点灯する赤いランプは赤色灯と呼ばれています。近年省エネの観点から、新しく作られる消防車は今までの電灯ではなくLED電灯への切り替えが行われています。

救急車はサイレンを鳴らさずに来ることはできない

深夜の住宅街などから救急車を呼ぶ時、他の住民の人の迷惑にならないように「サイレンを鳴らさないで来てください」とお願いする、という話を聞きますがこれはできません。なぜなら、救急車を緊急車両として運用するには、赤色灯の点灯やサイレンの吹鳴などの定められた条件を満たさなければいけないので、「サイレンを鳴らさないで患者さんの元に駆け付ける」ことはできないのです。

ただし、住宅事情や搬送されるご本人や家族のことを考え、救急隊員は現場に到着したらできるだけ早くサイレンを止めるようにしている事が多いそうです。

消防車は火事ではなく救急車と一緒の出場が一番多い

消防車が緊急通報を受けて出場する機会は、実は火災通報ではなく救急通報が一番多いです。救急通報の時に、使用する資機材や急病人の数によっては救急車に乗れる人数では対応が難しい事があります。その時には、救急救命に必要な酸素吸入器や人工呼吸器、AEDなどを積んだ消防車が救急車と一緒に出場します。消防車に搭乗する消火隊や救急隊員の中でも、救急救命士資格を持つ隊員が先着すれば、救急車が到着する前に救急救命措置を迅速に行うこともできます。

また、救急通報によって救急車が出場している時に別の救急通報が入った時には、近くの消防署から救急車が出場しますが、その時にも救急救命資機材と救急救命士資格を持つ隊員が乗った消防車が先着すれば、先に救急救命措置を行うこともできます。

この様に、救急車と消防車が一緒に救急通報案件に出場し、連携を取って活動する事をPumpとAmbulanceの頭文字から「PA連携」と呼び、多くの自治体で採用されています。

消防車両の車体側部にある番号の意味

消防車両の側面ドア付近には、「R20105」などの番号が書かれています。これは、車両の種類・車両の製造年度・番号を意味していて、頭文字のRは救助車(Rescue)、Aは救急車(Ambulance)、Pはポンプ車(Pump)それぞれの略称、次の2桁の数字は平成年度(R20なら平成20年製の救助車)、最後の3桁は車両番号を意味します。

まとめ

消防に関して知られていない豆知識は他にもたくさんあり、本日はその一部を紹介したのに過ぎません。消火、救助、救急を担う消防組織では色々な工夫や取り組みの元に日々の活動が行われているのです。

(文:千谷 麻理子)

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