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G20大阪・福岡開催決定2019年 主要国会議「サミット」について

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目次

主要国会議 サミットについて

国際的な首脳会議のひとつ

私たちの住む世界には風土や文化の異なる多くの国があります。そして、世界の国同士が共存していくためのさまざまな取り組みの決定や、世界全体が抱えている問題解決のために、各国のリーダー同士が定期的に話し合いを持つのが、国際的な首脳会議です。サミットはその首脳会議のひとつです。

サミットの種類について

サミットは参加国数を表すGroupの頭文字をとって、「G〇サミット」と一般的に呼ばれています。現在主要なサミットにはG7サミット、G10サミット、G20サミットの3種類があります。

G7・G8サミットについて

主要国会議・先進国首脳会議とも呼ばれる

フランス・アメリカ合衆国・イギリス・ドイツ・日本・イタリア・カナダの7か国で行うサミットをG7サミット、この7か国にロシアが加わったサミットをG8サミットと呼びます。主要国会議もしくは先進国首脳会議とも呼ばれ、現在、ロシアはサミットの参加停止宣言を受けているため、G7サミットが行われています。

国際的な政治と経済の課題を討議する

上記7か国(または8か国)の政治的なリーダー、欧州理事会議長と欧州委員会委員長が参加します。年一回開催され、国際的な「政治」と「経済」の課題を取り扱う会議です。

G7・G8サミットの出席者について

▼参加国の政治的なリーダーが酸化
各国の政治的なリーダーであるフランス共和国大統領・アメリカ合衆国大統領・イギリス首相兼第一大蔵卿兼国家公務員担当大臣・ドイツ連邦共和国連邦首相・日本国内閣総理大臣・イタリア共和国閣僚評議会議長・カナダ首相・(G8はロシア連邦大統領も加わる)がG7(G8)サミットに出席します。

なお、日本では内閣総理大臣在任中にサミットに出席すると、内閣総理大臣としてのランクが上がると言われています。よって、内閣総理大臣は内閣総辞職や衆議院総選挙を行う前、つまり現職中にサミットにだけは参加しようとする傾向にあり、通称「サミットの花道説」とも言われています。そのため、内閣総辞職や衆議院総選挙の開催時期のおおよその予測にサミットの開催時期が使われることもしばしばあります。

▼その他の国のリーダー
また、議長の判断によってG7(G8)各国以外の国のリーダーが参加することがあります。2004年までは、O5(Outreach5)の中華人民共和国主席、インド首相、ブラジル大統領、メキシコ大統領、南アフリカ大統領の5か国5名が参加していました。

2010年6月に行われた拡大会合では、アルジェリア・エチオピア・マラウイ・ナイジェリア・セネガル・南アフリカ共和国のアフリカ諸国のリーダー、コロンビア・ハイチ・ジャマイカの中南米諸国のリーダーが参加しました。

▼国際機関のトップ
国際連合事務総長、欧州連合の欧州理事会議長および欧州委員会委員長の、各国際機関のトプも参加しています。また、経済分野における討議の際には、国際通貨基金専務理事も参加します。

G7・G8サミットの歴史

▼世界恐慌がきっかけで設立
アメリカと旧ソビエト連邦の東西冷戦下の1973年、オイルショックとそれに伴う世界恐慌が発生しました。世界各国で発生した経済的なトラブルに対処するために、ヨーロッパ諸国、アメリカ、日本の財務に関するリーダーが集まり経済的な討議をする「ライブラリーグループ」が生まれたのが、G7サミットの起源です。

▼西ドイツ、フランス、イタリアが加わり6か国で第一回首脳会議開催
1975年に西ドイツを加えた工業化された4つの主要民主主義国のグループが誕生、同年フランスがこの4か国を自国に招き、フランスを含めた5か国で第一回首脳会議を開催しました。ところが、これを不服としたイタリアが第一回首脳会議に乗り込んできたのがきっかけでイタリアが加入、6か国になります。1975年11月15日から17日までフランスのイヴリーヌ県ランブイエで開催された第一回首脳会議は、「ランブイエ・サミット」とも呼ばれています。


▼カナダが加わり、現在のG7に
翌年1976年、参加国の傾向が欧州に偏っていたので、更にカナダを加えた7か国となり、第二回首脳会議が開催されました。1976年6月27日から28日までアメリカ合衆国プエルトリコのサンファンで開催された第二回首脳会議は、「サンファン・サミット」とも呼ばれています。

▼冷戦終結後、ロシアが参加
1991年東西冷戦の終結に伴い、G7諸国と対立していた旧ソ連はサミットの枠を超えて各種会合をおこなうようになりました。旧ソ連がロシアとなった1994年のナポリサミットからロシアが政治会議に参加し、1997年のデンバーサミットからは世界経済や金融などの一部の会合を除いて全日程ロシアが参加するようになりました。これに伴って、翌年1998年のバーミンガムサミットからはロシアも加えてG8の名称に変更されました。

▼ハーグ宣言により、ロシアの参加停止中
2004年3月、オランダのハーグで開かれた「核セキュリティーサミット」に合わせてロシアを除いたG7の臨時サミットが開催されます。その場で、ロシアのクリミア半島掌握やウクライナの軍事介入に対する非難が集まります。これを受けて、2014年6月のロシアのソチで開催予定だったG7サミットをベルギーのブリュッセルへ開催場所変更、および「ロシアが態度を改めない限りG8への参加を停止する」という趣旨のハーグ宣言の元、ロシアのG8参加が停止され、G7に戻り現在に至ります。

G7・G8の開催国について

G7・G8は毎年1回、参加国の間で持ち回りにて議長国が決定されます。

▼日本での開催
日本では、1979年6月28日~29日の第五回首脳会議および1986年5月4日 ~ 6日の第12回首脳会議、1993年7月7日 ~9日の第19回首脳会議を東京で、2000年7月21日 ~ 23日の第26回首脳会議を沖縄県名護市で(九州・沖縄サミット)、2008年7月7日 ~9日の第34回首脳会議を北海道洞爺湖町で(北海道・洞爺湖サミット)、2016年5月26日・27日の第42回首脳会議を三重県志摩市で(伊勢志摩サミット)開催した実績があります。

▼サミット開催年=衆議院解散総選挙のジンクス
2008年北海道洞爺湖サミットの年と、2016年伊勢志摩サミットの年の2回を除いた全ての日本でのサミット開催年において、衆議院解散総選挙が行われています。

▼記念写真撮影の並び順
サミットで行われる記念写真には並び方にルールがあり、開催国のリーダーが中央に立ち、大統領か首相か、在任年数の長さによって左右に並んでいきます。なお、アメリカが開催国の場合のみ、アメリカ大統領との個人的な関係の差によって立ち位置が決まることがあります。

G10について

国際通貨基金(IMF)の一般借入取極に参加同意した国のグループ

国際連合には様々な専門組織がありますが、国際金融と為替取引の安定化を目的としている組織が国際通貨基金(International Monetary Fund, IMF)です。

国際通貨基金の制度として、一定の状況下で国際通貨基金が特定の精神国(またはその各国の中央銀行)から、特定額の通貨を市場に連動した利率で借り入れることができる「一般借入取決」があります。1964年、この一般借入取決への参加に同意したアメリカ合衆国、イギリス、フランス、ドイツ、日本、イタリア、カナダ、オランダ、ベルギー、スウェーデンを指すのがG10です。

1984年に新しくスイスも加わり、現在の参加国は11か国ですが名称はG10のままです。この11か国が開催する財務大臣・中央銀行総裁会議がG10やG10サミットと呼ばれることがあります。

参考:
国際通貨基金 委員会、グループ、クラブに関するガイド
http://www.imf.org/external/japanese/np/exr/facts/groupsj.htm

G20サミットについて

主要先進に新興市場国・地域からなるグループ

G7に欧州連合(EU)、ロシア、新興国11か国を加えたのがG20サミットです。現在、アメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、日本、イタリア、カナダ、EU、ロシア、中国、インド、ブラジル、メキシコ、南アフリカ、オーストラリア、韓国、インドネシア、サウジアラビア、トルコ、アルゼンチンの各国が参加しています。

G20の歴史

▼世界経済危機がきっかけに設立
G20は1990年代後半の世界経済危機をきっかけに、参加国間の政策協調の強化と国際金融の安定化を目的として設立されました。20か国地域首脳会合(G20首脳会合)および20か国地域財務大臣・中央銀行総裁会議(G20財務相・中央銀行総裁会議)の各会議を開催し、各国の政治的・財務的なリーダーだけでなく国際通貨基金、世界銀行、国際エネルギー機関、欧州中央銀行など、関係する国際機関も参加しています。

▼世界経済危機の新国家から、G20サミットも同時開催
2007年にはアメリカのサブプライムローン問題から住宅バブルの崩壊、翌年2008年のリーマンショックを受けて更に世界経済危機が深刻化します。これを受けて2008年からは20か国・地域首脳会合(G20サミット)も開催されるようになりました。この会合の正式名称は「金融・世界経済に関する首脳会合」(Summit on Financial Markets and the World Economy)ですので、G20サミットのほか「金融サミット」とも呼ばれています。

G20は参加各国の政策協調の強化と国際金融の安定化が目的のグループですので、各会合ではその時金融、経済に関する問題だけでなく、貿易・投資、開発、気候・エネルギーなど環境に関わる問題や、デジタル化、雇用問題、テロ対策、移民・難民問題まで幅広い問題を討議します。例えば、2010年6月、カナダのトロントで行われた4回目のG20サミットでは「欧米諸国の財政・金融政策の健全化の達成」「途上国の開発援助」「地球温暖化問題」などが焦点となりました。


また、G20の参加国の国内総生産(GDP)を合計すると、世界のGDPの90%以上を占めていますので、G20サミットは「国際経済協調の第一のフォーラム」として世界経済に大きな影響を与えています。

G20サミットの開催国について

G20の議長は参加国の持ち回り制で、12月~翌年11月の一年間が任期です。議長国が任期中にG20の事務局的な役割も担っていますので、恒久的な機関は配置されていません。

▼日本での開催について
2019年G20サミットが、日本の大阪市および福岡市で開催されることが決定されました。2019年G20サミット首脳会議は大阪市で、G20財務相・中央銀行総裁会議は福岡市で開催されます。日程は2日間で、2019年6月初旬から7月の間の開催で検討されています。

2019年のG20サミット開催決定を受けて、大阪府警察本部では正式決定の連絡を受けた後G20サミット専門の警備を取り仕切る担当部署の新設を計画しています。また、新たにテロの警戒を専門とする警備犬を導入し、テロの標的となりやすい大勢の人が集まる施設や公共機関への警戒態勢も強めていく方針です。

参考:
大阪市 2019年G20サミット首脳会議の大阪開催決定について
http://www.city.osaka.lg.jp/keizaisenryaku/page/0000426974.html

まとめ

G20サミットの日本での開催を受け、大阪市と福岡市では警察などの関連機関の協力のほか、宿泊施設の確保などさまざまなサミット成功のための取り組みを進めています。世界を取り巻く環境も様々に変化していますが、2019年の日本でのG20サミットが成功に終わることを期待しています。

(文:千谷 麻理子)

本記事は、2018年4月14日時点調査または公開された情報です。
記事内容の実施は、ご自身の責任のもと、安全性・有用性を考慮の上、ご利用ください。

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この記事を書いた人

憧れの職業から時事問題まで、母親と女性の視点から。子供達の成長と被災地復興を見守る「千谷麻理子」さんの執筆する解説記事・エッセイ・コラム記事です。

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