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【学歴社会アメリカの教育事情】アメリカの大学事情と、人気大学ランキング

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アメリカの教育事情は州や都市で大きく異なる

アメリカは日本と違って「州」という括りがあります。国の方針もあれば、州の方針もあるため、何かを語る際に、一概に「アメリカでは…」とは言えないのが実情です。教育問題も然りで、アメリカの教育事情は州や都市によって大きく異なることを理解しておく必要があります。

平たく言えば、アメリカでは州によって「教育水準が高い州」と「教育水準が低い州」が別れています。もちろん、最低限の教育や、それぞれの州立大学などもあるため極端な差はありませんが、アメリカ人からすれば、州によって教育水準が違うという概念は暗黙の了解と言えます。

アメリカには各州の教育水準を格付けする団体が複数あり、それぞれの州の学校の質、卒業率、テストの成績、人種の差、男女差などを考慮して毎年格付けしています。

その調査によると、アメリカで教育水準が高い州とされるトップ3の州は、マサチューセッツ州、メリーランド州、コネティカット州とされています。反対に、教育水準が低い州ワースト3は、ルイジアナ州、ウェストバージニア州、ミシシッピ州という結果になっています。

日本人に馴染み深いカリフォルニア州は教育水準の差が激しく、都市によって大きく異なります。カリフォルニア州のサンノゼはアメリカでもトップ3に入るほどの教育水準が高い都市として知られていますが、隣り街であるサリナスは、アメリカで最も教育水準が低い都市とされています。

教育水準を図る基準は、格付け調査機関によって異なるため、必ずしもその調査結果を鵜呑みにする必要はありませんが、アメリカ人からすれば調査結果は妥当とする意見が多く、やはり州や都市によって教育水準が異なるのは事実なのです。

アメリカ特有とも言える同一国内での教育格差ですが、そんなアメリカだからこそ「学歴社会」という概念は厄介な存在と言えるでしょう。

日本とは違うアメリカの大学の背景

アメリカには国立大学に該当する連邦大学校はありますが、主に士官のための軍事学校です。一般的にアメリカの有名な大学は、私立大学または州立大学に属していると考えていいでしょう。

日本では一般的に国立大学の方が教育水準が高いとされていますが、アメリカでは私立大学の方が教育水準が高いとされており、学生からも私立大学のほうが圧倒的に支持されています。

そもそも、アメリカで人気があるような伝統的な大学は、建国以前から優秀な人材を育てるために有志たちによって私費で作られました。その代表的な学校がハーバード大学です。有名大学には個人に限らず企業からも寄付が集まるため、有能な教授や研究施設、さらには卒業後の進路に名だたる企業との繋がりが出来るのです。

これに対して日本では、国からの援助が大きい国立大学があらゆる環境面で優れていることから、私立大学よりも国立大学のほうが教育水準が上という見方が浸透しているのです。アメリカと日本の大学では、背景そのものが違うのです。


アメリカで大学などの教育環境が重要であることが広く浸透した頃、アメリカ国内の富豪や、教育に価値を感じた人たちが寄付をし、私立大学が増えていきました。そのため私立大学の学校名は、寄付をした人や大学設立に貢献した人の名前が付けられていることが多いのです。

一方で、州立大学は南北戦争などで戦地に赴いていた軍人たちを対象に、帰郷後の教育の場を提供し社会復帰しやすくすることを目的に作られました。その当時の州立大学は教養がない人や貧困層が通うような学校でした。

そんな州立大学は政府や州の援助もあることから、有名私立大学と比較して、学費や入学のハードルが低いのが特徴です。とはいえ、州立大学の恵まれた教育環境やブランド価値も人気があり、大学によっては私立大学以上に難関とされる学校もあります。

学歴社会アメリカで人気がある大学

アメリカ独特とも言える州によって異なる教育水準や、私立大学や州立大学の成り立ちは日本とは異なりますが、そんなアメリカでどのような大学が人気があるのか「US News and World Report」が発表した「Best Colleges」を元にしてご紹介します。

大学人気ランキング第1位 ニュージャージー州「プリンストン大学」

日本ではハーバード大学などが1位と思われがちですが、アメリカではプリンストン大学の方が人気があります。

アイビーリーグと呼ばれるアメリカの名門8校のなかのひとつで、物理や数学に強い学校としても知られています。その証拠に、ノーベル物理学賞を20人輩出しています。

プリンストン大学がアメリカで人気がある秘密のひとつが「奨学金制度」です。2001年からアイビーリーグのなかでも初めて返済不要の奨学金制度を導入したことや、在学生の60%超が学校から何かしらの奨学金を受けていることも人気のひとつです。

一般的にアイビーリーグの学校の授業料は高く、最低でも年間400万円以上するとされています。さらに、多くの学生が利用することになる寮費も年間で150万円ほどかかります。この高額な学費が有能な人材を埋没させていることに目をつけたプリンストン大学の卒業生たちが寄付をして、新たな奨学金制度を構築したのです。

有能な人材が、経済的な事情を理由に学ぶことを諦めるということを防ぐ姿勢がアメリカ国内から高く評価されています。さらに、実際に有能な人材を輩出し続けていることから人気は増しています。

ただし、入学へのハードルは極めて高く、GPA平均は3.9以上(4が最大値)、TOEFLのIBTテストの要求スコアは109点以上(120点満点)、現役の新入生しか受け付けないなど厳しい条件があります。さらに、学風と合う人物であるかも問われます。

大学人気ランキング第2位マサチューセッツ州「ハーバード大学」

日本でも知られた「アメリカの東大」と言われるハーバード大学は、アメリカのなかでも教育水準が高いマサチューセッツ州にあります。アメリカで最も古い教育機関で、アメリカ建国前の1636年に設立されました。

ハーバード大学では、成績優秀であることは最低条件で、家庭の経済状況や家庭環境も審査対象になっていると噂されるほど厳しい書類審査があります。世界中から入学希望者が殺到し、毎年30,000人以上が出願、合格できるのは2,000人程度で合格率は毎年6%程度とされています。

ハーバード大学が人気な理由は、世界的権威とされる優秀な教授陣や整った研究施設、そして世界的なネームバリューです。3,000以上の科目が展開されており、それぞれの分野で「異なった考え」と「リーダーシップ」を磨き上げることに重点が置かれています。

この教育方針を証明するかのように、ハーバード大学の出身者たちは世の中になかったようなサービスや商品を社会に送り出しています。厳密に言うと卒業生ではありませんが、Microsoftのビル・ゲイツやFacebookのマーク・ザッカーバーグなどはその代表でしょう。

1位のプリンストン大学よりも学費が高く、寮費も含めると年間700万円を超えます。さらに、あまりにも優秀すぎることから、アメリカ国内では嫉妬に似た冷ややかな目を向けられることもあるほどです。


大学人気ランキング第3位イリノイ州「シカゴ大学」

890年設立のシカゴ大学はアイビーリーグには属していない大学の中で最も上位の大学です。近年、アイビーリーグ人気の風潮や、理不尽なまでに高額な学費制度を快く思わない人たちから人気を集めています。

シカゴ大学が人気の秘密は、徹底した研究に対する姿勢です。特に大学院教育はアメリカで1位と評判で、学部生が6,000人程度に対し、大学院生は10,000人を超えています。学ぶことよりも研究することに重点が置かれているため、高いレベルで特定の分野を極めたい学生から支持されています。

シカゴ大学の研究を追求する姿勢は、実際にノーベル賞受賞者を過去に80名以上輩出するなど輝かしい研究実績をあげています。また、卒業生のなかには起業家が多く、マッキンゼー・アンド・カンパニーやゴールドマン・サックス日本支社など、世界的なコンサルタント会社の創始者を輩出しているのも特徴です。

アイビーリーグとは一線を画す教育方針の背景は、創立時にイギリス型の教育課程とドイツ型の大学院教育課程を組み合わせたことにあります。当時は、このような教育方針は珍しく、その当時の教育方針を現代でも貫いています。また、設立時から女性への教育や、少数民族の受け入れもしてきた大学として知られています。

まとめ

アメリカの大学は大学院課程がある総合大学や、基礎的な教育研究を行うリベラルアーツと呼ばれる大学などがあり、日本とは大学の仕組みが異なるため一概に比較できません。

アメリカの名門校を卒業していても就職できない人や、社会からドロップアウトする人も多く、日本と同様の事象が起きているのも事実です。

アメリカでも、名門校を目指すことよりも、人生を賭けて取り組みたいことが実現できる大学選びの時代を迎えています。

本記事は、2018年7月2日時点調査または公開された情報です。
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この記事を書いた人

公務員総研の編集部です。公務員の方、公務員を目指す方、公務員を応援する方のチカラになれるよう活動してまいります。

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