地方公務員「消防職」(キャリア7年)の仕事内容や給料について

消防署で働く、キャリア7年の消防職員によるキャリアレポートです。

今回は、その消防職員の仕事内容や一日のスケジュール、年収(給料・ボーナス)や残業状況・職場恋愛などについてインタビューしたものを編集して掲載します。


はじめに

消防署で働く、キャリア7年の消防職によるキャリアレポートです。

なお、今回の方は、「危険物取扱者甲種」の資格を持っているそうです。

この職業を目指した理由

今まで培ってきた自分の体力を生かせそうな職業であること、そして知り合いが多数消防職員として勤務していたこと、さらには私にとって身近な職業だったということが、この職業を目指した理由です。

また、幼い頃、祖母が体調を崩したときに自宅にきた消防職員が親切丁寧に対応してくれたので、その憧れもありました。

公務員のなかで、市民から感謝される仕事というのは実は少ないですが、その中でも消防職員というのは市民から感謝される職業でもあるので、消防職員を目指す動機になりました。加えて地元に恩返しをしたいという気持ちもありました。

「消防署で働く消防職」の仕事内容について

私は、総合庁舎のなかの消防署で勤務しており、基本は24時間当直勤務です。

仕事内容は多岐にわたり、基本は救急車に乗る救急隊員として勤務しておりますが、消防隊員として消防車にのることもあります。

指令が入れば、救急対応、災害対応のために出場します。

災害対応以外では、それに付随した事務処理、市民からの届け出への対応、事業者などへの立ち入り検査等があります。その月々によっても仕事内容のウエイトは変化しますが、春から夏にかけては救助訓練等が主になります。

市民のかたから要請があれば防災指導等に出向することもあります。

公務員であるため、災害出場等、防災指導等の市民サービスが最優先となります。たまに、消防団の人とも交流があり、それも重要な仕事です。


「消防署で働く消防職」の1日の仕事の流れ

当直の場合

6:30:自宅を出て、電車で通勤(たまにバイク)
7:30:職場到着、着替え、装備準備
8:30:引き継ぎ点検、車両チェック
8:40:示達、ミーティング
9:00:訓練、災害出場、事務処理等(配置によって違う)
12:30:お昼休憩(60分)
13:30:訓練、災害出場、事務処理等
17:00:夕方の休憩
18:00:訓練、災害出場、事務処理等
24:00~6:00:休憩、災害出場
6:00~8:30:災害出場、朝食等

「消防署で働く消防職」の給料・残業・有給休暇について

私の場合ですが、「消防署で働く消防職」の月給は35万円(手当等込み)、ボーナスは1回約60万円で年収は560万円でした。

人が足りない時は休みの日でも当直することがあったり、救急隊員の時は夜間でも働くのでその分の手当は多くあります。

最近公務員でもライフワークバランスに厳しくなってきたので、比較的休みは取りやすいです。

この仕事で、働いているときに困ったこと

出場先での市民のかたと接触することがありますが、簡単な言葉のかけ違いで苦情等につながることがあります。

また、タクシーがわりで救急車を使用するなど不適切な119番通報が多くなってきているので、それで心身とも疲弊してしまいます。

感謝されることも多いですが、同じくらい苦情や文句を言われることもあります。また、職場の人間関係ですが、良くも悪くも閉鎖的で、体育会系のような雰囲気もあるので、そういった人間関係に、よく苦労しました。

パワハラぎりぎりのものも多かったですが、最近はハラスメント等にもうるさくなってきたので、管理職が目を光らせてくれています。

事務処理等では公務員にありがちなお役所仕事的なものも多いので、とにかく書類が多く、公務員独特の言い回しにも苦労しました。前例踏襲なところも多く無駄な仕事も多いと思います。

この仕事や職場でよかったこと

福利厚生はもちろんしっかりしていると思います。家賃手当や、提携しているいろんな施設が安くなるのが嬉しいです。

また、病気や鬱になっても手厚く職場がフォローしてくれるので、職を失う不安もないところが一番恵まれていると感じます。

最近少しずつうるさくなってきましたが、残業も働いた分は必ず支給されるので、サービス残業はほとんどありません。

例えば、家を買うときも、公務員という属性で見られるのでいい条件で融資をうけることができます。この仕事はクビになりづらいということからも、心の安定が得られたり、人生設計を考えていくうえでも恩恵はたくさんあると思います。

「消防署で働く消防職」の仕事エピソード

心肺停止の傷病者を搬送して処置をしたあと、そのかたが社会復帰されて、わざわざ職場までお礼を言いにきてくれたときは、この仕事をしていて良かったと感動しました。

失敗したことは数え切れないくらいありますが、訓練では失敗ばかりです。ただ、訓練で失敗したことを実際の現場ではしないように心がけています。


大変なことは24時間当直勤務なので、身体が慣れるまで体力的に大変です。また、夜間等も寝れないことが続きます。

人間関係でも、長時間一緒の人といるので、合わない人と勤務することになったら大変です。私の場合、職場の人を怒らせてしまった失敗も多いので気をつけています。

職場恋愛について教えてください。

職場には女性が割合として少ないので、数としては少ないですが、女性の消防職員と男性の消防職員が付き合ったり結婚することはよくあります。

職場以外では防災指導で保育士の先生だったり、看護師との結婚が比較的多いです。また、男性の職場なので合コンも多く、そういったところで出会いがあることも多いです。

最近は公務員のほかの職種との交流もあるので、消防職員以外の公務員との出会いも増えています。公安系の公務員の人気も少なからずあるので、出会いは多いです。

まとめ ー「消防職」を目指す方へメッセージ

体力的にも精神的にもきついところはありますが、やりがいはものすごくある職業です。また、日々やる業務が色々とあるので変化のある仕事です。

市民のかたにも感謝されることが多いので、公安系の公務員を目指している人には消防士はおすすめです。

勉強と体力維持とどちらも頑張ってください。

本記事は、2018年7月12日時点調査または公開された情報です。
記事内容の実施は、ご自身の責任のもと、安全性・有用性を考慮の上、ご利用ください。

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