公務員だって結婚します
公務員とは、国や都道府県、市町村の職員として任務や職務に当たる職種です。市や県の役所に所属する職員もいれば、公立小中学校や高校の教師、警察官や消防官、自衛官に至るまで国家・地方の違いはあれど公務員です。多彩な職種に仕事内容も多岐にわたる、かつ企業とは異なった働き方のため、一般市民とは一線をかして考えられがちですが、元々公務員も、一般市民も同じ人間です。当然公務員だって結婚をして家庭を持ち、子供を産み育てます。
ライフイベントの中でも重要な位置にある「結婚」。大切なイベントであり、人生のひとつの通過点であるからこそ、公務員と一般市民では結婚に対して違う点はあるのか?結婚式はどの様に行われているのか?が気になりますよね。
公務員の結婚について
産休育休制度ももちろんある
男性と同じく女性も多く活躍している公務員職。当然一般企業と同じく産休・育休制度もあります。公務員の場合、「産前産後休暇」という名称で、有給休暇以外の休みであり、特別な条件や理由がある時に取得が許される「特別休暇」のひとつとして取得できます。
産前産後休暇は産前6週間・産後8週間取得可能で産前に限り2週間延長が可能です。教員など、一部の公務員職では産前または産後どちらか2週間延長可能です。
次に育休です。公務員の「育児休業」は、子供が3才になるまでならいつ取得してもOKです。産前産後休暇に繋げて、子供が3才になるまで取得してももちろん大丈夫です。
結婚したことで受けられる福利厚生もある
一般企業に勤める会社員と同じく、公務員にも結婚して家庭を持ったことで付帯される福利厚生もあります。扶養する家族がいる時に支給される「扶養手当」のほか、家族も一緒に住める社宅への入居です。
職場への報告は一般人と一緒
結婚が決まった時の報告も、一般市民と公務員とそれほど変わりません。直属の上司や同僚に報告をし、結婚式や披露宴の日取りを決めて招待客を招き、結婚式を行う。新居に住むための準備を行う。といった手順を踏みます。
なお、結婚式を行わずに写真だけ撮る、もしくは海外で2人きりで行う、といった結婚式のスタイルもありますが、公務員の場合、職場や職種との関係から、ほとんどの人が結婚式を行う傾向にあります。
別姓を使うパターンも多い
現在の日本の憲法では、結婚した場合夫婦どちらかの姓に統一しなければいけません。ですが、戸籍上の姓は変わっても、仕事上では旧姓を使い続けることは認められています。これと同じく、公務員職では女性も出産後も仕事を続けるパターンが多いため、職務上では利便性も考えて別姓を使い続けることも多いです。また、小中学校の教師などが別姓になってしまうと、生徒が混乱してしまうなどの理由で旧姓を名乗り続ける、というパターンも多いです。
公務員の結婚式について
「結婚式をしないと出世しない」ところもある?
警察官や消防官、自衛官など上下関係が特に厳しい公務員職の場合、「上司や部下、関係者をすべて招いて盛大な結婚式を行わないと出世しない」という話を聞いたことがあるかもしれません。これは、結婚式を挙げられる甲斐性があってこそ一人前、という考えから来ていると言われています。
実際には、盛大に結婚式を挙げる警察官や消防官、自衛官もいますし、少人数のアットホームな式にする場合もあります。もちろん、結婚式の有無が出世に響く、ということも今ではありません。上下関係が特に厳しい公務員職でも、個人の考えを尊重するという風潮に変わってきているのが背景にあります。
仲人を立てたり、スピーチを頼んだりするのも一緒
結婚が決まった時に仲人をお願いしたり、式の際に上司やお世話になった方にスピーチを頼んだりするのも、一般人と変わりません。ただ、公務員職の場合は上司が「警察署長」や「消防署長」「校長」などの肩書になるため、会場からも「校長先生だって!」と声が上がることも多いですね。
職種によっては、結婚式の儀礼的なものも
公務員の職種によっては、結婚が決まった時、または結婚式で儀礼的なものを行ったり、結婚の洗礼を新郎が受けたりすることもあります。例えば、警察官や消防官、自衛官など体力にも自信のある職種の公務員が結婚する時には、新郎を同僚たちが担いで入退場する…など。とはいえ、公務員職全ての儀礼ではなく、新郎または新婦の職種や、職場、組織によって異なります。
一般的に、体育会系の風潮の強い公務員職の場合は儀礼的なものを結婚する際、または結婚しいで行う傾向が高いです。何も知らないで出席した一般市民だとびっくりしてしまう儀式や出し物があるかもしれません。ですが、公務員である新郎新婦がそれだけ職場の仲間に愛され、祝福されていると考えれば納得できる…のではないかと思います。
また、小学校や中学校の教師が結婚する時には、生徒一同からのお祝いビデオや電報が届いたり、生徒たちも結婚式に出席したり、など、公務員それぞれの職種ならではの場面が見られるのも、公務員の結婚式の醍醐味です。
儀礼服がある職種もある
公務員職の中には、結婚式で着用する儀礼服のある職種もあります。警察官や消防官、自衛官などのいわゆる制服系公務員職がそれにあたります。儀礼服は、最初から着用するのではなく、結婚式のお色直し後に着用することが多いです。儀礼服の着用は義務付けられているわけではありませんが、儀礼服がある職種の公務員なら、ほとんどの人が結婚式で着用しています。
公務員がお得に利用できる結婚式場もある
一般企業では、その企業で働いている従業員向けに福利厚生サービスや施設の提供を行っている労働組合や共済組合があります。これと同じく、公務員も各共済組合に加入し、色々な福利厚生サービスを利用できます。公務員に関連する共済組合には、国家公務員共済組合と地方公務員共済組合があります。さらに、地方公務員共済組合には、各都道府県と市町村の共済組合に分かれ、公務員の職種によって加入する共済組合も異なります。
公務員が共済組合で利用できる福利厚生のひとつに、結婚式場があります。共済組合が指定した結婚式場で共催組合員である公務員が結婚式を開くと通常料金よりも費用が安くなる、などの特典がついています。さらに、結婚式場によってはその公務員ならではのこだわりの結婚式や披露宴が開けるところもあります。
まとめ
公務員の結婚や結婚式についてご紹介しました。上司や同僚を招いて結婚式を開いたり、家族を持つと手当などがついたりするのは、一般市民も公務員も一緒ということが分かりました。さらに、職種によっては結婚式で儀礼服を来たり、その職種ならではの儀式やしきたりを行ったり、ということもあります。もしも公務員の方の結婚式に参加することがあれば、そんなポイントにも注目してみると、より結婚式を楽しめるかと思います。
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