はじめに
公立高校で担任職を務める、キャリア20年の「公立高校の家庭科の先生」によるキャリアレポートです。
ちなみに、その方は、第1種、2種教職員免許を持っているそうです。
なお、公立高校のため、地方公務員として勤務します。
「公立高校の家庭科の先生」を目指した理由
私が、「公立高校の家庭科の先生」を目指した理由は、専門教養をもっと身につけて学ぶ意欲があったという点と、周囲に、教員の方が多く、職場にも話の合う教員の方の理解や協力、精神面の助けなど、環境の設定が比較的自分に合っていたという点からです。
「公立高校の家庭科の先生」の仕事内容について
公立高校の家庭科の先生の主な仕事内容は、教科指導です。
週の時間数が、決まっていますので、年間授業数を進度に応じて、的確に、明確に、各クラスの担当者と打ち合わせや確認をします。とりわけ、中間・期末考査に向けて、きちんと配慮して授業を行うことです。
次に、部活・クラブ指導です。
どちらも、文化系の専門的な知識や運動部の運動能力など、教員の年齢も有りますが、ほぼ1人で、受け持っているわけではないので、若手の教員にキャリア教員とペアになったり工夫して、活動されています。
特に、試合結果を出している部活動については、会計担当に、女の先生が野球部の副顧問になられたりしていました。
たとえば、部活動は、男子と女子それぞれの部活があります。
場所の設定は、体育館でしたら、半面バレー部用、半面バスケット用など、曜日を決めて、それぞれ放課後は部活動に励みます。
天候による使用場所の工夫もあります。野球部は、雨天の練習は、グランドではなく、校舎内の階段を利用したり、体育館のわたり廊下をトレーニング箇所に使って、体力作りに励みます。そういった運動に対しての日ごろの練習メニューを組むのも教員の仕事です。
中には、生徒同士で話が合わなくて、部長と副部長がもめたりすることもあります。そんな時も教員があいだに入って、冷静に話し合いの場を持たせて、活動を再開します。
特に、放課後の使い方は、色々ありまして、課題のお勉強や、追試、次の日の実験の係の生徒の準備時間や、未提出者の監督など、自由に確実にひとつひとつ、こなしていきます。
「公立高校の家庭科の先生」の1日の仕事の流れ
7時:自宅を出て、自動車で通勤
8時:到着
8時30分:職員会議、打ち合わせ、本日の日程の確認
※行事予定→保健室関係は、健康診断や歯科検診など、クラス順での対応なので、どの教科担当の先生の時間になるのか、予定を確認しておく
※授業教室の確認→移動教室の使用の場合もあるので、生徒に伝える(視聴覚室、音楽室など教室以外の場合もある)
※生徒の本日の欠席連絡の確認(朝、電話してきているので、まず、それを確認)
8時40分:ホームルーム
※生徒への連絡事項を伝える
※生徒の出席を確認する
1限:授業
2限:授業
3限:授業
4限:授業
12時30分:お昼休憩(60分)
5限:授業
6限:授業
7限:授業
掃除、ホームルーム
※明日の予定を生徒に伝える
※クラブ、部活、課題指導
授業以外の業務状況について
専門的な分野での部活動は、専門の講師の先生が来てくださいます。
たとえば、編み物、華道、吹奏楽部の楽器担当などです。
特に、文化祭などの活動の場の提供については、少々の残業につながることもあります。予算の確保や、実績を公開する場なので、取り組みは主張されるので、それなりに形をつけて、励まれます。
「公立高校の家庭科の先生」の給料・残業・有給休暇について
年齢にもよりますが、私の場合ですと、月給が30万円(残業代込)でした。ちなみに、ボーナスが80万円で、年収は440万円でした。
有給休暇は、夏は、ほぼお盆の時期に続けて日数が取りやすく、安定してお休みが貰えていました。冬は、来年の作品発表に向けて生徒の発表の場がありますので、活動に追われて、年末・年始だけもらっていました。
この仕事で、働いているときに困ったこと
専門的な知識の習得です。
専門的な知識を深めようと、休日は勉強にあてています。事前学習・準備です。
1時間の授業にキャリアの部分が沢山入ってきます。頭では構想ができていても、いざ黒板にチョークで部分的にデザインを描いて示そうものなら、下手なラインを書くほどみっともなくて困っています。
コピー用紙を使い拡大コピーを張り付けてしのぐなど、無駄なのか、キャリアで示せないのが腹立たしく、面倒だけど教材準備に追われて苦労の連続です。
この仕事や職場でよかったこと
職場環境に恵まれている様に思います。
入社当初から先輩方はとても優しく指導してくださり、わからない事をいつどんな時に相談しても丁寧に教えてくれます。職員同士も仲が良く、仕事終わりに食事に行ったりしています。
子供の急な発熱や子供の学校行事等で休みが必要な場合でも理解してくれる先輩ばかりで、有給が取りやすいです。
お給料も近隣の施設と比べると高く、パートさんにもボーナスや有給があります。
最近は人員不足で仕事量が多いですが、恵まれている事がたくさんあるので苦になりません。
公務員のため、給料と保険がしっかりしていて安定しています。上がりも下がりもしない給料です。しかし、手当が付いてきます。学校によっては、給料に8%上乗せの待遇があります。なので、ボーナスの上乗せになります。
また、昼食は、お弁当を持って行ってたのですが、学校によっては、給食が共に配ぜんされまして、昼食費が給食費として、配給されていました。
今の時代ではないですが、出張費や部活の遠征費などの請求額は、事務の方が書類上で調べて、給料とは別に、給料日に用紙とともに、支給されています。
「公立高校の家庭科の先生」の仕事エピソード
生徒が思わぬ結果を出してくるので、驚きます。
たとえば、部活動で好成績を出しますと、就職や進学に履歴書に一行記入が増えまして、結果、評価につながり一緒に喜びもありました。
チームでの活躍が励みになりまして、資格の取得や全国○位などの好成績につながると同時に、責任感や人間形成の面で非常に好意的に伸びることもあります。
また、検定や作品の発表などで、新聞に載ったり自己評価につながりまして、クラスの形成にも良い状況が続き、生徒同士の伸びにつながることもあります。
励ましの言葉や、後輩への面倒見から、先輩として頑張って卒業され、後に学校訪問の場で、来校して講演に花をさかせることもあります。
学校の先生の職場恋愛について
職場での結婚や恋愛は、比較的教員の単身赴任校での出来事として、よく聞きました。
若い年齢の先生が集まるような教員住宅での生活は、職場と住まいとほぼ生活の場が理解されますので、安心されるのではないでしょうか。
また、自宅近くに、赴任が決まったりされると、親のすすめで教員の方とお見合いをして、ご結婚されたカップルもみえます。
まとめ ー「学校の先生」を目指す方へメッセージ
心がおれないように、キャリアを積んで、頑張ってください。
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