夏休みなど長期休暇中も学校には必ず当番の先生が在中
公立の小中学校は、夏休みなどの長期休暇でも、役所が開庁している日は必ず学校にひとり以上教員を置かなければならないと規定されています。そのため役所が閉庁する土日祝日や年末年始以外は、必ず当番の先生が電話や来客対応を行わなければいけません。
当番の仕事は、先生方が多く出勤している日だったら困った時に誰かを頼れるため、それほど苦痛ではないですが、お盆休みや年末直前など誰も出勤してこない日に当たると、ひとりで全て対応しないといけないため大変です。
そこで今回は、私が保健室の先生として小学校で働いていたときに、年末休暇前日に当番があたったため学校でひとりぼっちで過ごすことになったときの、一日の仕事の実例を紹介します。学校によって当番の仕組みは異なりますが、小中学校の保健室の先生を目指している方の参考になりましたら幸いです。
またひとりぼっちの学校で体験したちょっとしたホラー体験も記載するので、保健室の先生以外でも気になる方はぜひ読んでみてください。
長期休暇中の当番の仕事1:朝 - 職員玄関の鍵を開けて校舎内を見回る
当番になった先生は必ず始業時間から就業時間まで学校にいなくてはいけないため、始業時間までに出勤します。
まず学校についたらセキュリティをオフにし、職員玄関のカギを開けて職員室のカギも開けます。そして出勤簿に捺印した後、自分の机の上にある当番日誌を読み、昨日の出来事や今日の予定を確認するのが大切です。
その後校舎内に問題がないか、各階の窓を開けながら校舎内を全て見回ります。
長期休暇中の当番の仕事2:日中 - 職員室で電話や来客対応をしながら仕事
当番の先生は職員室で電話や来客対応をする必要があるため、保健室の先生は職員室で作業できるように、保健室にあるパソコンや書類を職員室に持ち込まないといけません。
しかし保健室の仕事道具や書類のファイルなどは保健室に殆ど収納されているため、職員室で一日仕事をするのはとても不便なので、私は保健だよりなど配布物を作成していました。
長期休暇中の当番の仕事3:昼 - 食事も必ず職員室でとる
長期休暇中は昼休憩の時間になると、外に買いに行ったり外食したりできますが、当番の先生は基本的に学校から出られません。そのため、昼食はあらかじめ準備しておく必要があります。
長期休暇中の当番の仕事4:夕 - 校舎内の見回りと施錠
退勤時間が近づいたら校舎内を見回りして、校舎内に異常がないか、窓が閉まっているかなどをチェックします。
とくに問題がない場合は、当番日誌を書いて次の当番の先生の机に置いた後、退勤時間に退勤します。その際職員室や保健室、そして職員玄関のカギがしっかりかかっているか念入りにチェックしてからセキュリティをオンにするのが重要です。万が一どこか閉め忘れているとセキュリティが作動して、セキュリティ会社がかけつけてしまいます。
この日は私ひとりだったため戸締りを全てひとりで行いましたが、残業する先生がいたら最後の施錠を依頼して退勤しても問題ありません。
またひとりでの戸締りの場合は、その間職員室を空にしてしまうので、できるだけ早く見周りを終えるようにします。
保健室の先生がひとりぼっちの当番で大変なこと
上記のように、当番の仕事自体は多くないため来客やトラブルがなければ難しくありません。しかし、普段は主に管理職の先生や事務職員が対応してくれる電話や来客対応は、保健室の先生では分からない内容も多いため、困った時に質問できる相手が傍にいないと対応に苦戦する場合もあります。
また保健室の先生が職員室でできる仕事は限られているので、当番日のために職員室でできる仕事を残しておかないとやることがなくなってしまいます。
何より私がひとりぼっちの当番が苦手だったのは、誰もいない校舎は異様に静かで不気味だったからです。とくに12月末は4時過ぎには日が落ち、校舎内の見回りのときも真っ暗なので物陰から何か飛び出してきたらどうしようと、非常にドキドキしました。
そこで、実際に私がひとりぼっちの当番で遭遇した恐怖体験を2つ紹介します。
ひとりぼっちの当番での恐怖体験1:誰もいないのに鳴り響く電子音
私の勤めていた学校では職員玄関から人が入る際に、コンビニのように電子音が鳴る仕組みでした。そのため当番のときには、職員玄関で電子音が鳴ったら職員玄関に駆けつけるようにしていました。
ひとりで当番していたときも、勤務中に電子音が聞こえたため、慌てて職員玄関に向かいました。
しかし職員玄関には誰もおらず、電子音も止まっていました。
空耳かと思い職員室に戻ってしばらくすると、また職員玄関から電子音が聞こえました。でも私が職員玄関に行くと、やっぱり誰もいませんでした。
その日は自分に「センサーの誤作動だ」と必死に言い聞かせて、退勤時間までなんとか耐えきりました。
その後勤めている間にセンサーの誤作動に遭遇することはなく、あれは何に反応して鳴っていたのだろうと今でも気になります。
ひとりぼっちの当番での恐怖体験2:誰もいないはずの校舎に人影
12月末の当番のとき、退勤前に真っ暗な校舎を足早に見回って職員室に帰ろうとすると、暗闇に突然大柄な男性が浮かび上がりました。
心臓が飛び上がるほど驚いて思わず叫んでしまいましたが、勿論男性はこの学校に勤める先生でした。
どうやら少しだけ仕事をするために就業時間ギリギリに来たらしく、ついでに見回りの手伝いをしようと私を探そうとしてくれていたようです。
心遣いはありがたかったのですが、誰もいないと思い込んでいた真っ暗な校舎に突如人が現れるのは、ホラー映画並みに恐怖だったので、もう1時間早く来て欲しかったと思わずにはいられませんでした。
長期休暇中の当番は割り当てられる日によって負担が異なる
ここまで記載してきた通り、お盆など周囲が有休を取得してしまう時期に当番が当たってしまうと、一日中ひとりで過ごすことになるため大変です。
またお盆時期や年末直前などは、長期休暇中の研修なども入っていない場合が多いため、保健室の先生がまとめて休みをとるチャンスでもあります。そのような時期に当番が当たってしまうと、旅行などに行きづらくなってしまうため残念です。
でもひとりで校舎にいるのが特別感や開放感があって好きだという先生もいるので、もしお盆時期などに当番が当たってしまったときは自分なりの楽しみをみつけてみてください。
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