再犯率を減らすのは国だけではできない – 元・国家公務員のコラム08

刑務官など矯正職員歴37年、現在里山で晴耕雨読を享受している元・国家公務員の小柴龍太郎さんのコラム「再犯率を減らすのは国だけではできない」(平成24年7月31日)です。再び刑務所等の収容される再犯率(再入率)目標についてのコラムです。


犯罪対策閣僚会議が再犯率(再入率)を二割以上減らす目標を

7月20日(2012年)、政府の犯罪対策閣僚会議が刑務所や少年院から出た人が再び刑務所等の収容される再犯率(再入率)を二割以上減らす目標を決めた。政府がこの種の数値目標を定めるのは初めてだそうだから、法務省などは大変だろうが、おおいに頑張ってほしい。
同時に我々は、この目標が国だけで成し遂げられるものではないことを肝に銘じるべきだと思う。

例えば仕事だ。元受刑者などを雇う人はそもそも少ない。仮に意を決して社長がその気になっても社員の反対で駄目になることも多いそうだ。住む所も同じだ。近所に住んでいる人が元受刑者だと知ると突然話をしなくなったりする。

こうして元受刑者たちは仕事も得られず住む所も追われて、やがては再び罪を犯さざるを得なくなることが多い。そして、その被害に遭って泣くのは国ではない。我々なのだ。

だから、この機会に、我々も再犯率を下げるためにやれることやる。今までよりも二割以上多くやる。それが大事なのだと思う。

(文:小柴龍太郎 平成24年7月31日)

本記事は、2017年5月1日時点調査または公開された情報です。
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