刑務官のコラム– category –
「刑務官」は、特定の行政分野の業務に従事する「国家専門職」にあたります。「法務省」に所属し、全国にある「刑務所」や「拘置所」などにて、保安警備や受刑者に対する指導などの職務を遂行します。本ページは「刑務官」のコラムについての一覧ページです。
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刑務官のコラム
世界から「審査」される日本の行刑 – 受刑者の人権について
「日本政府審査」 何とも仰々しいタイトルですが、別に奇をてらうようなものではなく、文字どおり、日本政府が世界各国から審査されるという意味です。具体的には、「国連人権理事会」において国連に加盟している各国から日本の人権状況について審査される... -
刑務官のコラム
【受刑者の大移動!】刑務所の引っ越し、病人受刑者をどのように護送したか
「東日本成人矯正医療センター運営開始」 この刑政には、平成30年1月、東京都昭島市に「東日本成人矯正医療センター」が開設されたことが紹介されています。八王子医療刑務所を同市に移転するとともに、医師や医療スタッフ、医療機器などを集中的にこの... -
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【再就職先も刑務官!】定年退職した後の「刑務官」の暮らしとは?
退職後をどう暮らすか? 「刑務官」が定年退職してもすぐには年金がもらえなくなって久しいものがあります。そうすると、年金が支給されるまでの間どのように暮らすのかが「刑務官」にとっても重要な問題になります。 中には再就職せずに、それまでに貯め... -
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【刑務所内における驚きの風景】刑務所の中を自転車が走る!?
刑務官が刑務所で自転車? 刑務官が刑務所の中で自転車に乗っているのを初めて見たときはびっくりしました。 普通自転車というのは道路を走るものです。それが刑務所の構内を走っている。銭湯に行ったらスーツを着てお風呂に入っている人がいたみたいに面... -
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【再犯防止に向けた取り組み】婦女暴行の再犯率とその対策について
はじめに 忌まわしい犯罪とされるものの一つ、「強姦罪」。これは再犯率が高く、刑務所から出てきたらまたやるに違いない、と思われているようです。でも、実際の再犯率は約5パーセント。残りの95%は再犯しないのです。 これが事実なので、世間の人た... -
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地震が来たら刑務所へ行け? – 避難先としての「刑務所」
震災時の刑務所って? 関東大震災があった時は、受刑者が刑務所から大量に脱走したというデマが流れて住民がパニック状態になったと聞きます。さもありなんです。 しかし、現在の刑務所ではおよそそのような事態は考えられませんし、むしろ大地震などに被... -
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【刑務官への感謝状】刑務官の能力が活かされた支援活動
避難者から刑務官への感謝状 東日本大震災で被災した宮城県の石巻での出来事。避難先の小学校に刑務官への感謝状が掲示されたことがありました。そこで支援活動をしていた刑務官に対して避難している方たちが感謝の気持ちを表したものです。 刑務官が被災... -
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矯正協会に関する機関紙「刑政」と国内1つしかない「矯正図書館」とは?
刑務官が読む機関誌「刑政」(矯正協会発行、2018年3月号)に掲載された記事から興味深いものを紹介します。 3月号の最後は、矯正協会のことです。「平成二九年の矯正協会の事業を振り返って」と題する記事が目に止まりました。 「矯正協会」とは 矯正協... -
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【受刑者の服役生活に潤い!?】「塀の中の放送局」について
刑務官が読む機関誌「刑政」(矯正協会発行、2018年2月号)に掲載された記事から興味深いものを紹介します。 今回は、「塀の中の放送局」です。 「塀の中の放送局」について 刑政2月号では「矯正施設とコミュニティメディア」と題する特集記事を掲載してい... -
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【受刑者の就労支援の意味するところは?】「目で見る矯正」
「目」でみる矯正について これは、この「刑政」の冒頭に必ず掲載されるもので、最近の矯正事情をグラフから読み解く記事です。様々な統計数値をグラフ化して、そこから何が見えるのかを解説しており、分かりやすく、示唆に富むものです。 おそらく、刑務... -
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「開かれた刑務所」への動向と「矯正の回顧」について
刑務官が読む機関誌「刑政」(矯正協会発行、2018年3月号)に掲載された記事から興味深いものを紹介します。 今回は、「矯正の回顧」です。 「矯正の回顧」とは 「刑政」では毎年1回、前の年の主な動きを整理して「矯正の回顧」と題する小論を掲載してい... -
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【受刑者の脱走騒ぎ!?】2018年4月 松山刑務所での逃走のニュース
このコラムを書いている2018年4月8日に、ある受刑者が松山刑務所の大井造船作業場から逃走するという事故が起きました。 なかなか捕まらないために、テレビ・ラジオでは連日トップニュースの一つとして報道される事態となりました。 受刑者の逃走(一般に... -
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刑務官の比較的新しい表彰制度「矯正局長表彰」とは?
刑務官が読む機関誌「刑政」(矯正協会発行、2018年3月号)に掲載された記事から興味深いものを紹介します。 今回は、「矯正局長表彰」という比較的新しい表彰制度についてのコラムです。 「矯正局長表彰」とは この刑政3月号では、平成12年12月、法... -
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【刑務官の新たな期待】「国際法務総合センター」が落成
刑務官が読む機関誌「刑政」(矯正協会発行、2018年3月号)に掲載された記事から興味深いものを紹介します。今回は、グラビア写真コーナーに掲載された「国際法務総合センター」のことです。 「国際法務総合センター」とは なんか、いかにも法務省らしい... -
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「福祉専門官のポスト」と「刑務所とハローワークの関係」について
刑務官が読む機関誌「刑政」(矯正協会発行、2018年1月号)に掲載された記事から興味深いものを紹介します。 この「刑政」では、毎年1回程度「会長を囲む座談会」という特集が組まれます。「会長」というのは矯正協会の会長のことであり、矯正協会とは刑務... -
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【受刑者の再入率は?】再犯防止に舵を切った「刑務所」について
刑務官が読む機関誌「刑政」(矯正協会発行、2018年3月号)に掲載された記事から興味深いものを紹介します。 「目でみる矯正」 「目で見る矯正」については以前にも紹介したことがありますが、矯正の現状をグラフで分かりやすく解説したものです。今回は... -
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「受刑者を雇いたい」という【協力雇用主】になるには?
はじめに ある日、会社の社長さんが刑務所に来て、「おたくの受刑者を何人か雇いたい」と言って刑務所に便宜を図ってくれるように求めました。受刑者が更生して社会復帰を果たすには、出所後に職を得て収入を確保することがとても重要ですので、有り難いお... -
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【日本の刑務官は世界一!?】そう言われる理由とは何か?
はじめに 折に触れて「日本の刑務官は世界一だ」というお褒めの言葉に接してきました。人によって理由は異なり、中には自画自賛的なものだったり根拠がよく分からないものもあったりするのですが,それを割り引いても日本の刑務官のレベルは世界的にかなり... -
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【母は死んで子を生かす…】矯正不能な受刑者はいない
刑務所での喪服休業 受刑者の親族が亡くなったことが分かると、刑務所では服喪休業の措置が取られます。作業に従事することを免じられて、自分の部屋で喪に服するのです。 ある日私が刑務所内を巡視して歩いていた時、一人嗚咽にむせんでいた受刑者の部屋... -
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【タタミを土足で…】刑務所にもある、日本人と外国人の感覚の違い
「外国の偉い方」の刑務所訪問 ある刑務所で働いていたとき、外国の偉い方の訪問を受けました。その刑務所にはその偉いさんの国の受刑者(外国人受刑者)も収容していましたので、自国民が適切に処遇されているかどうかを確認しに来たということでした。下... -
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【刑務所は刑務所を無くするためにある?】刑務所が目指す「異常なし!」
刑務所は犯罪を抑止する 刑務官になると早い段階で「刑は刑なきを期す」という言葉を学びます。これは孔子の言葉で、刑罰というものは刑罰が必要でなくなるようにすることが目的であるといったような意味です。何やら逆説的で、難しい言い回しですが、刑罰... -
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【刑務官が仁王さんを見て思うこと】仁王さんと刑務官は似た者同士
静かなお寺の異様な存在? お寺に行くと、参道の両側に仁王さんが立っていることがあります。正式には金剛力士像というのだそうですが、筋肉モリモリのマッチョマンで、顔はこれ以上やると壊れるのではないかと思うほど怖い表情をしています。静かで穏やか... -
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【犬が受刑者を救う】念願叶った日本初の試み「刑務所で犬を育てる?」
命を「助けられた」犬が受刑者を「助けている」 アメリカの女子刑務所が介助犬を育てていることを知った時、私はすっかり舞い上がってしまいました。その刑務所では、捕まえられて薬殺処分を待っている野良犬をもらってきて、これを介助犬として育てている... -
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【死刑か無期懲役か】刑に対する様々な受け止め方について
刑務官の大変さはどちらも変わらない 世間が大騒ぎするような殺人事件が起きるとその裁判にも大きな関心が集まります。そしてある場合には死刑判決が出て、別の事件では無期懲役刑が言い渡されたりします。生と死を分けるこの二つの判決。そこには決定的な... -
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【刑務所長が受刑者を弔う】日本の刑務所と受刑者の関係を象徴する光景
意外と多い、刑務所で亡くなる受刑者 刑務所ではよく受刑者が死にます。病気で死んだり、自殺で死んだり、それから塀の中でも高齢化が急速に進んでいますので老衰で死ぬ人も多くなってきました。どういう理由か分かりませんが、死ぬのは夜から未明にかけて... -
刑務官のコラム
【受刑者は刑務官ではなく制服に従っている】刑務官の制服にまつわる話
「受刑者は官服に従っている」 「いいか、勘違いするなよ。受刑者は官服に従ってるんだ。お前じゃない!」 若い頃、先輩刑務官によく言われた言葉です。 総じて受刑者は刑務官に従順です。ベテラン刑務官に対してはもちろんですが、採用間もない刑務官に対... -
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【たかが看守のくせに!】受刑者の口撃によって見えてくる刑務官の誇り
刑務官も人の子 刑務官も人の子です。受刑者のひと言で傷つくことだってあります。その中の代表的なものが「たかが看守のくせに!」。これは「牢番野郎!」とともに刑務官が耳にしたくない言葉の双璧ですが、いずれも刑務官を下等公務員としてさげすむ言葉... -
刑務官のコラム
【重犯罪者と看護婦さん】殺人罪で服役中の受刑者までもが従順に
女性職員の多い「医療担当部署」 男の刑務所で働く職員の大半は男性です。当然と言えば当然なのですが例外もあります。医務棟とか病棟と呼ばれる塀の中の医療担当部署です。大きな刑務所になると法律上の病院として指定されるほどの規模になり、そこで一番... -
刑務官のコラム
【塀の中のお医者さん】刑務所勤務医が不足する意外な理由
塀の中で受刑者が病気になったら刑務所のお医者さんだけが頼りです。行きつけの病院に行って診てもらうなどということは受刑者にはできないからです。自由刑(懲役刑や禁錮刑)の厳しさはこのようなところにもあるわけです。 刑務所は医師不足 しかし彼ら... -
刑務官のコラム
【刑務官のヒヨコ】新米の刑務官の素朴な疑問とベテランの回答とは?
新米の“ヒヨコ刑務官”が増えた理由 どのような企業や組織体も職員の育成には力を入れていると思いますが、刑務所も例外ではありません。特に刑務所は、戦後多くの退役軍人を雇用した経緯があるため、それらの人が一斉に退職していく時期は大変でした。軍人...
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