F県の警察署刑事課で働く「警部補」の仕事内容や給料について

F県の警察署の刑事課で係長(警部補)として働く、キャリア15年の男性の「警察官」によるキャリアレポートです。

今回は、その男性の「警察官」の仕事内容や一日のスケジュール、年収(給料・ボーナス)や残業状況・職場恋愛などについてインタビューしたものを編集して掲載します。


はじめに

F県の警察署の刑事課で係長(警部補)として働く、男性でキャリア15年の「警察官」によるキャリアレポートです。

ちなみに、その方は、大型一種・大型二輪・無線・剣道二段の資格を持っているそうです。

この職業を目指した理由

私は、何もやりたいことがないまま大学に進学しましたが、授業もあまり受けず、アルバイトをしたり友達と遊んでばかりの日々を過ごしていました。

そんな時に、当時乗っていたオートバイが盗まれてしまい、警察に被害届を出しました。その時に対応してくれた警察官が、『絶対に見つけてくるからな』と言ってくれました。

結局、オートバイは戻ってきませんでしたが、その警察官の姿がとてもかっこよく、心強く思いました。

私も市民に勇気と安心を与えられるようになりたいと思い警察官を目指しました。

「警察官」の仕事内容について

現在の仕事は刑事課の盗犯係です。

仕事の内容については、主に窃盗事件で検挙された犯人の取り調べや、取り調べの裏付け捜査、犯人が分からない事件の割り出し捜査などです。

とはいっても、警察署の刑事課は、犯人が検挙された事件の送致手続きに追われていますので、割り出し捜査はほとんどできません。

また、同じ刑事課の強行犯係が担当する事件であっても、殺人や放火などの大きな事件であれば、一緒に捜査をすることもあります。

警察には、刑事課の他に、主に地域課(交番など)、交通課、警務課、生活安全課、警備課という部署がありますが、ずっと同じ部署に進む人もいますが、人事異動は上の人が決めるので、どこになるかは分かりません。


私は、地域課、交通課、機動隊(警備)、生活安全課を経て現在の刑事課になりました。

「警察官」の1日の仕事の流れ

現在の刑事課での勤務は基本的には、日勤となっています。平日勤務で、土日祝日は休みです。時間帯は8時30分から17時15分までとなっています。しかし、あくまでも基本です。

7時30分 自宅出発
8時 職場到着
8時30分 業務開始
※所属によっては、週に何度かは業務前に一時間程度の武道があります。
12時 昼休み
13時 午後の業務開始
17時15分 終業

また、当直勤務もあります。

当直は、週に一回程度で、日勤終了後にそのまま勤務に就きます。夜間の緊急に備えてということです。翌日は非番となり、12時には勤務終了です。

しかし、当直中に取り扱いがあればその業務が終わるまで帰れませんし、本来の業務があれば帰れません。

「警察官」の給料・残業・有給休暇について

私の場合ですが、勤務15年での給料は、基本給が31万円です。それに夜間・休日などの手当てが加わって40万円くらいです。それから諸々引かれますので、手取りは32万円くらいです。

ちなみに、ボーナスは年に二回(夏・冬)で、手取り55万円くらいで、年収は600万円くらいです。

残業は平均して2時間はしています。

休日も仕事があれば結構出ていますし、休んでいても、当直員(数名)で対応出来ないときは招集されることもあります。

この仕事で、働いているときに困ったこと

働いていて難しく感じるのは、年上の部下を持った時です。

時代の変化についていけていない先輩方は何をするか分かりません。仕事のやる気もあまりありません。年下の私が、そのような先輩方が問題を起こさないように指導するのは、かなりの気を遣います。

また、困っていることは、ほとんどの警察官が世の中を良くしようと警察官になったはずですが、中には業務の繁雑さや実績などで足元が見えなくなり、本来の仕事を見失っている人がいることです。

そのような人を学校卒業したばかりの新米警察官が見ると、その新人にまで悪影響を及ぼしてしまうからです。その影響を受け、失望して辞めてしまうものも少なくありません。

やはり、仕事は人間関係が大切ですので、私は、自分の周囲にだけでも、モチベーションを高めてもらうように努めています。


この仕事や職場でよかったこと

警察官は公安職という危険と隣り合わせの仕事ですので、他の公務員の同年代と比べても給料は多くもらうっています。

また、夜間や休日の勤務もありますので、全部が支給されるわけではありませんが、諸手当ても多いです。

市役所などと比べると給料の手取りは10万円は差があるはずです。ですが、職種上、時間もかなり削がれますので、時間を取るかお金を取るかといったところです。

また、妻も元警察官ですが、働いていた頃に出産、産休・育休を経験していますが、休みながらもかなり給料をもらっていたので、とても助かりました。

社会保障や、福利厚生という面で、公務員はとても優遇されています。

「警察官」の仕事エピソード

私の中での警察官という仕事のイメージは、逃げる犯人を走って捕まえるというものですが、なかなかそのような現場はありません。

しかし、そういう現場もたまにあります。その中でも、私が交番勤務をしていた時、『真夜中に知らない男に侵入された。』と震えながら話す一人暮らしの女性を取り扱ったことがあります。

付近を捜索していると、木の茂みから飛び出して逃げる犯人を見つけたので、すぐに追いかけ1キロほど走って捕まえました。

後日、被害者から涙を流しながら感謝されたことが忘れられません。

仕事上、嫌われて文句を言われることも多いですが、中には警察官のことを労って声を掛けられるととても嬉しく思います。

職場恋愛について教えてください

私の場合は、警察学校の同期生と結婚することが出来ましたが、警察の場合は男女比が全然違うので、男性側から見ると職場恋愛はほとんどありません。

逆に女性は選び放題といったところでしょうか。女性警察官のほとんどは男性警察官と結婚しています。

職場の同僚などを見てみますと、ほぼ合コンでの出会いで結婚まで発展しています。

仕事上で出会った女性と結婚する人はあまり聞いたことがありません。

ただ、世間からはお堅い仕事と思われているので、合コンに行って警察官だと言うとかなりモテると思います。

まとめ ー「警察官」を目指す方へメッセージ

なかなか理想通りに仕事が出来るわけではありません。しかし、世の中を良くしたいというだけで、いくらでも働く馬鹿正直な仲間がたくさんいます。

一生懸命働く人には、周りの仲間もとても優しいです。世間からは厳しそうとか思われているかもしれませんが、それは仕事が仕事なのでそう思われているだけです。

職場の人間は温かみがあって良い人が多いと思いますので、警察官となって一緒に働きましょう。

本記事は、2018年8月13日時点調査または公開された情報です。
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