はじめに
S県の警察署のサイバー犯罪対策で警部補として働く、男性でキャリア10年の「警察官」によるキャリアレポートです。
ちなみに、その方は、応用情報技術者、ITストラテジストの資格を持っているそうです。
この職業を目指した理由
私の父親が警察官で、父親を尊敬していこともあり、「警察官」を目指しました。
また、ドラマなどで警察官の出るものをよく見ていて、中高生のときからあこがれが強く警察官になりたいと思っていました。
大学生のときは、警察官か教師か迷っていましたが、やはり世の中の不正であったり、本当に困っている人を助けたい、世の中をよくしなければならないという使命感があり警察官を志望しました。
また、公務員ということで身分も収入も安定しているところもよいと感じていたからです。
「警察官」の仕事内容について
私はサイバー犯罪対策課のネット犯罪などの仕事をしています。
主に、会社であったり個人のSNSへの悪質ないたずらやおどし、ネット掲示板への犯罪予告など全般的に対処していきます。
特に警察官は大学や大学院で工学、情報などを学んでいる人はほとんどいないためインターネットセキュリティやITへの知識が乏しいです。
そのため何か事件があり、ITに関して警察だけで対応できないときが多々あるのが現実です。
そういったときに民間企業に頼るのですが、どういった会社にどういった人に協力を求めればよいかということを把握して、実際に頼みに行くことがあります。
また、普段は警察でのITインフラの整備なども行ったり情報教育をしたりもします。
「警察官」の1日の仕事の流れ
<日勤の場合>
7時:自宅を出て、自動車で通勤
7時30分:職場到着、掃除や前日の仕事の確認
8時30分:メールなどの確認、返信
9時:会議
10時:事件などがあればそれの会議、考えなど
12時:昼休憩
13時:再び、会議 何かあれば現場対応
18時:帰宅
<夜勤の場合>
夜から待機します。普段はITの仕事をしますが見回りであったり、交番勤務をするときもあります。
「警察官」の給料・残業・有給休暇について
私の場合ですが、「警察官」の月給は32万円ほどです。ちなみに、ボーナスは4.4か月分支給され、年収は450万円ほどです。
休みはあまりありませんが、有給休暇は取得しやすいです。
残業という形ではありませんが、普通の公務員のように8時間仕事して帰宅というわけにはいきません。何かあれば続けて勤務します。
若い時は3勤交代制でした。
この仕事で、働いているときに困ったこと
はじめ、交番勤務をしたときは体力的にも、精神的にもかなりきつかったです。
まず、3日働いて1日休みというサイクルに慣れるまでが大変でした。とくに夜勤が眠たくてしかたがなかったです。
また、違反した人などを取り締まるときにやはりどうしても嫌味を言われてしまいます。それには毅然とした態度で対処していかないといけないですが、相手の方が怖い方や体の大きい方だと、はじめのうちは怯んでしまい、そんなやり方ではだめだと上司に怒られました。
また、気になったこととして、やはり点数稼ぎをする警察官がいることです。ほかにもっとやらなければならないというより、世の中のためになることがあるはずなのにと思っていました。
また改善したいこととして、勤務体系をどうにかしたいです。初めから厳しいとこの仕事をしたくないと思われてしまうからです。
この仕事や職場でよかったこと
公務員なので、いろんな人から信頼されるし、いざ婚活をしてみると人気があります。
また、景気に左右されないので給料も年功序列であがっていきます。
職場にも悪い人はいないので安心して働くことができます。
また、自分はこの世の中をよくしたいと思って勤めているので非常に充実しています。
とくに恵まれていると感じたのは上司です。すごい検挙率をほこるすごい方でどのようにすればよい警察官になるか、ということを一から叩き込まされました。
それゆえ、私は一人前の警察官になれたと思います。また犯人であったり街の人への話し方なども教わったのも大きいです。
「警察官」の仕事エピソード
感動したこととして、落とし物がよく届けられたということです。
ブランドものの財布であったり時計といったものがよく届けられるのですが、よくみんな自分のものにせずにし届けてくれるなと思いました。
また、落とし物を拾った人には謝礼を望めば、部分的で張りますが謝礼を受け取れるのですがほとんどの方がいらないといって、また名前も公表しなくていいといわれます。
そういったところに人間のすばらしさというものを感じました。
失敗したこととしては、刑法などを本当はしっかり勉強しておかなければならないのにしていなかったせいで一般の人に法律に関していろいろ言われてカっとなってしまったことです。
職場恋愛について教えてください
職場の恋愛ですが、やはり気をはった職場なのでなかなかそういった関係になるのは難しいです。
配置された場所で年齢差もあるし、上司部下の関係で仕事を教えたり教えられたりなので難しいです。職場恋愛はほとんどないといっても過言ではないです。
職場以外では街コンであったり、そういったイベントで知り合うことが多いです。
また学生時代の付き合いだったりでお付き合いから結婚に至るケースが多いです。あとは中高の同級生とかの知り合いからというのが多いです。
まとめ ー「警察官」を目指す方へメッセージ
厳しい仕事で最近、わたしたちの仕事を希望する若者が年々減ってきています。
確かに初めは厳しいです。しかし、それは街、人々を守るためには仕方のないことです。
仕事を覚えれば、使命感や責任感といったことに充実感がでてきて非常にやりがいのある仕事です。ぜひ一緒に街を守りましょう。
コメント
コメント一覧 (2件)
この警察官の生活スタイルをみると普通のサラリーマンとそれほど変わらないのは、サイバー犯罪対策での仕事をしているからでしょうか。
勤続10年目の警察官の生の声が聞けて面白かったです。
サイバー犯罪は急増しているので、特に興味があったのですが、
その犯罪の特殊性と緊急対応の必要性から、
採用募集はそれに特化した人材に焦点を当てて行う必要があるのではと思いました。