はじめに
国連の関連機関には、教育・科学・文化の発展と推進を目的とする「UNESCO（国連教育科学文化機関）」というものがあります。
本ページでは、「UNESCO」とはどのような組織なのか基本的な情報についてまとめました。
「UNESCO」は国連教育科学文化機関のこと
「UNESCO」はUnited Nations Educational, Scientific and Cultural Organization
の略で、日本語に訳すと「国連教育科学文化機関」のことです。
「UNESCO」は、国連、つまり国際連合の専門機関の一つで、1946年に「教育、科学、文化の発展と推進」を目的として設立されました。
なお、日本が「UNESCO」に加盟したのは、1951年7月です。
「UNESCO」の組織体制について
「UNESCO」の本部は、フランスのパリにあり、199の国内委員会が設置され、100カ国以上の国のおよそ4,000のユネスコ協会やユネスコ・センター、ユネスコ・クラブの支援を受けています。
また、「UNESCO」は、何百もの国際的な非政府組織や、さまざまな財団や同様の機関と公的な協力関係を維持しており、128カ国の10,000の学校や700以上の高等教育研究機関のネットワークと連携しています。
この「UNESCO」は、管理機関として総会が設置され、195の加盟国で構成されています。
総会によって選出された58カ国によって構成される執行理事会は、総会が採択した事業計画の実施を監督し、理事国の選挙区は地域別に6つのグループに分かれ、その中から議席に応じて総会で選挙が行われ、理事国が選出されます。
理事国の任期は4年で、選出された総会から2回あとの総会までが任期となります。
このほか、「UNESCO」には、計画を支える組織の専門機関である下記の11の研究機関が設置され、国家機関や各分野に専門的な支援を行われています。
1）ユネスコ国際教育局（スイス・ジュネーヴ）
2）ユネスコ生涯学習研究所（ドイツ・ハンブルク）
3）ユネスコ国際教育計画研究所（本部：フランス・パリ／地域事務所：アルゼンチン・ブエノスアイレス ）
4）ユネスコ教育情報工学研究所（ロシア・モスクワ）
5）ユネスコ・アフリカ地域能力開発国際研究所（エチオピア・アディスアベバ）
6）ユネスコ南米・カリブ海地域高等教育国際研究所（ベネズエラ・カラカス）
7）国際職業技術教育事業（ドイツ・ボン）
8）ユネスコヨーロッパ高等教育センター（ルーマニア・ブカレスト）
9）ユネスコ水教育研究所（オランダ・デルフト）
10）国際理論物理学センター（イタリア・トリエステ）
11）ユネスコ統計研究所（カナダ・モントリオール）
「UNESCO」の役割
「UNESCO」の主な役割は、文化が多様化するなか、攻撃を受けたり、新しいものが認められなかったり、科学的事実が拒絶されたり、表現の自由への脅威など、平和と人権が脅かされることに対し、教育、科学、文化の人道主義的使命を再確認し、発展を推進することです。
また、「万人のための基礎教育」「文化の多様性の保護および文明間対話の促進」などを目標に定め、識字率の向上や義務教育の普及のための活動、世界遺産の登録と保護、文化多様性条約の採択のほか、歴史的記録遺産を保全するユネスコ記憶遺産（世界の記憶）事業などを実施する役割も担っています。
2020年現在、「UNESCO」にとって、2つのグローバルな優先課題「アフリカ」と「ジェンダー」の平等があり、2015年に開催された世界教育フォーラムの「インチョン宣言」の採択を受け、グローバルな教育2030アジェンダの調整と監視を進めるという新たな役割を担うことになりました。
▼参考URL：国際連合広報センター「国連教育科学文化機関（UNESCO）」（外部サイト）
「UNESCO」の主な活動
「UNESCO」は、異なる文明・文化・国民の間の対話をもたらす条件を創り出すための活動が行われています。
具体的には、下記の6つの活動に力を入れています。
1）すべての人々が教育を受けられるようにするための取り組み
2）自然科学と社会科学の研究の促進
3）文化的アイデンティティの表明の支援
4）世界の自然遺産や文化遺産の保護
5）情報の自由な流れと報道の自由の促進
6）開発途上国のコミュニケーション能力の強化
このほか、「UNESCO」では、下記の5つの国際開発目標を達成するための活動が行われています。
1）極度の貧困の半減
2）普遍的初等教育の達成
3）初等・中等教育における男女差別の解消
4）持続可能な開発のための教育
5）危機に瀕する言語の保護
まとめ
本ページでは、「UNECO」とはどのような組織なのか基本的な情報についてまとめました。
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