国際農業開発基金(IFAD)の基本情

国際連合の専門機関である「国際農業開発基金(IFAD)」の組織について基本情報をまとめました。


はじめに

国連の関連機関には、発展途上国での農業生産拡大のための融資を行うことを目的とするすIFAD(国際農業開発基金)というものがあります。

本ページでは、「IFAD」とはどのような組織なのか、基本的な情報についてまとめました。

「IFAD」は国際農業開発基金のこと

「IFAD」はInternational Fund for Agricultural Developmentの略で、日本語に訳すと「国際農業開発基金」のことです。母体組織は国際連合経済社会理事会です。

「IFAD」は、国連、つまり国際連合の専門機関の一つで、1977年に「農村地帯の貧しい人々が食糧と栄養の安全保障を改善して所得を増やし、経済的な回復力を強化できるようにすること」を目的として設立されました。

なお、日本が「IFAD」に原加盟国で、1977年に加盟しています。

「IFAD」の組織体制について

「IFAD」の本部は、イタリアのローマにあり、各加盟国から任命された総務と総務代理によって構成される総務会は、「IFAD」の最高意思決定機関です。

この総務会は、1977年12月に第1回開催されて以来、1997年の第20回からは毎年2月に開催されており、総裁の指名や事業に関する方針、政策などの決定が行われます。

日本では、総務を駐イタリア大使、総務代理を財務省大臣官房審議官がそれぞれ務めています。

この総務会では、3分の2以上の多数による議決で総裁を任命し、総裁の任期は4年で再任は1期のみ可能です。

また、総務会は、18の理事国および18以下の代理理事国によって構成される理事会が選出され、理事会は毎年4月、9月、12月に開催され、「IFAD」に関する融資などの個々の事業に関する審議と承認が行われます。

「IFAD」の役割

「IFAD」の主な役割は、発展途上国での農業生産拡大のために融資を行い、低利子の貸し付けや無償資金を提供して農村の開発を進めることです。


費用対効果の高い、人を中心とするプログラムに資金を提供し、政府・開発機関・民間部門・貧困撲滅の取組みを支援し、債務を持続できない貧しい国に対しては、貸し付けの代わりに無償資金を供与します。

これは、基本的な財政援助によって、それを最も必要としている国々が不当な財政的苦境に追いやられることがないようにするためです。

具体的には、コミュニティ主導のアプローチにより、世界中の何百万とある小さな家族農家のプロジェクト設計に貢献し、より高い生産性や収入、栄養のあるより良い生活を得ることをサポートします。

また、「IFAD」が支援するプロジェクトは、貧しい農村部の人々を市場やサービスに結び付けて農村コミュニティの変革を支援するもので、彼らがより成長して多くの収入を得られるよう役割も担っています。

このプロジェクトによって、農村社会は経済的・社会的に変革し、ジェンダーの平等と包括性を促進しています。

▼参考URL:国際連合広報センター「国際農業開発基金(IFAD)」(外部サイト)

「IFAD」の主な活動

「IFAD」の活動は、政府からの任意の拠出金、特別拠出金、貸付けの返済、投資収益などによってまかなわれ、政府や他の国連機関、二国間・多数国間開発機関、国際的な農業研究センター、民間部門とのパートナーシップの下に活動しています。

また、市民団体、とくに小自作農や農村住民の団体、非政府組織、政策研究所、大学とも強力な関係を築いています。

この「IFAD」では、小規模農家と農村開発に専念する唯一の国際金融機関として、農村部の貧しい人々に機会を創出するため、公平で持続可能な開発を通じて農村部の貧困削減に取り組んでいます。

そんな「IFAD」では、その成果を拡大することが主な活動で、パートナー・政府・プログラム参加者とも連携し、これまでに融資の約261億米ドルを活用して、農業と農村開発にさらに185億米ドルを拠出、IFADの投資により貧困は推定で5.6~9.9%が削減されています。

まとめ

本ページでは、「IFAO」とはどのような組織なのか、基本的な情報についてまとめました。

本記事は、2021年9月22日時点調査または公開された情報です。
記事内容の実施は、ご自身の責任のもと、安全性・有用性を考慮の上、ご利用ください。

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