国際電気通信連合(ITU)の基本情報

国際連合の専門機関である「国際電気通信連合(ITU)」の組織について基本情報をまとめました。


はじめに

国連の関連機関には、国際電気通信連合憲章に基づき、無線通信と電気通信分野において各国間の標準化と規制の確立を図るITU(国際電気通信連合)というものがあります。

本ページでは、「ITU」とはどのような組織なのか基本的な情報についてまとめました。

「ITU」は国際電気通信連合のこと

「ITU」はInternational Telecommunication Unionの略で、日本語に訳すと「国際電気通信連合」のことです。

「ITU」は、国連、つまり国際連合の専門機関の一つで、1865年に「国際電気通信連合憲章に基づき、無線通信と電気通信分野において各国間の標準化と規制の確立を図る」を目的として設立されました。

なお、日本が「ITU」に加盟したのは1959年で、理事国として管理・運営に参加しています。

「ITU」の組織体制について

「ITU」の本部は、スイスのジュネーヴにあり、最高意志決定機関であり、4年ごとに開催され、193加盟国による全権委員会議があります。

その下部組織として、戦略計画・広報・総務・海技・人事・財務・情報サービスなどを行う事務総局、毎年48理事国によって開催される理事会、国際電気通信規則の改正を行う開催間隔不定の世界国際電気通信会議(WCIT)が設置されています。

理事会には、3つの部門と下部組織があります。

1)電気通信標準化部門
2)無線通信部門
3)電気通信開発部門

電気通信標準化部門

電気通信標準化部門は、2年または4年ごとに開催される世界電気通信標準化総会が設置されています。

さらに、その下部組織には、電気通信標準化局、委員会、電気通信標準化アドバイザリーグループ、電気通信標準化研究委員会が設置されています。


無線通信部門

無線通信部門は、3~4年ごとに開催され、無線通信規則の改正を行う世界・地域無線通信会議、研究課題を設定する無線通信総会が設置されています。

さらに、その下部組織には、無線通信アドバイザリーグループ、無線通信規則委員会、無線通信研究委員会が設置されています。

電気通信開発部門

電気通信開発部門は、4年ごとに開催され、BDT活動方針作成・監督などを行う世界・地域電気通信開発会議が設置されています。

さらに、その下部組織には、出来通信開発アドバイザリーグループ、電気通信開発研究委員会が設置されています。

「ITU」の役割

「ITU」の主な役割は、グローバルな無線周波数スペクトルや衛星軌道を割り当て、技術基準を発展させてネットワーク技術の確実な相互運用性を実現し、世界の十分なサービスを受けていない人々がアクセス可能な情報コミュニケーションにアクセスする際、通信の基本的権利を保護し、支援することです。

ちなみに、アクセス可能な情報コミュニケーションは、緊急サービス・給水・電力網・食糧流通網を管理・規制するのに役立つもので、健康管理・教育・行政サービス・金融市場・運輸システム・eコマース・プラットフォーム・、環境管理の支援も行っています。

▼参考URL:国際連合広報センター「国際電気通信連合(ITU)」(外部サイト)

「ITU」の主な活動

「ITU」は、主に下記のつの項目に関する活動を行っています。

1)アクセシビリティ
2)人工知能
3)ブロードバンド
4)環境と気候変動
5)サイバーセキュリティ
6)デジタルデバイド
7)緊急通信
8)起業家精神と中小企業
9)インターネット
10)青年および学会

アクセシビリティ

「ITU」は、誰もが公平なコミュニケーションを実現するため、携帯電話、衛星、インターネットなどの情報通信技術によって主要な公共サービスへのアクセスを拡大し、デジタル化を促進します。

人工知能

「ITU」は、全ての利害関係者がAIテクノロジーの機能について共通の理解を構築するための中立的なプラットフォームを提供し、AIテクノロジーの信頼できる安全で包括的な開発と、そのメリットへの公平なアクセスを促進します。

ブロードバンド

「ITU」は、社会的および経済的な繁栄させるため、ユビキタスブロードバンドネットワークにより社会的および経済的発展を促進します。

環境と気候変動

「ITU」は、ITの浸透によって持続可能な未来を築くため、監視軽減と適応のためのデジタル技術を支援し、電子廃棄物から人間の健康と環境を保護し、二酸化炭素排出量の削減など、環境や気候変動に関する様々な活動に取り組んでいます。

サイバーセキュリティ

「ITU」は、情報社会に関する世界サミット(WSIS)および2010 ITU全権会議などにおいて、情報通信技術を使用する際の信頼とセキュリティを構築しています。

デジタルバンド

「ITU」は、ITU世界電気通信開発会議で加盟国が採択した情報社会に関する世界サミット(WSIS)と地域的な目標を推進するため、人的・財政的・技術的な資源を動員してパートナーシップを構築し、一連の地域サミットを組織しています。


緊急通信

「ITU」は、国家経済を混乱させ、貧困層と脆弱層をひどく弱体化させ、特に貧しい国々の開発や貧困削減の主要な障害となる災害時に、緊急で通信業務を行います。

起業家精神と中小企業

「ITU」は、持続的な経済成長を確保する上で重要な役割を担っている中小企業(SME)のITU対応ソリューションにおいて、産業界、国際組織、地域組織、および学界から700を超えるセクターメンバーとアソシエイトを結集し、グローバルなマルチステークホルダープラットフォームを提供します。

インターネット

「ITU」は、国際インターネット関連の公共政策問題に関連する問題を特定・調査・解決したり、ネットワーク接続の多様な側面に対処し、無線通信の標準化を行い、インターネットへのアクセスと使用を促進するための複数のサービスとツールを提供しています。

男女平等

「ITU」は、科学・技術・工学の研究やキャリアを追求するうえで若い女性や少女を奨励し、男女平等や女性の権限などの役割を強調して社会的・経済的権限、および女性がテクノロジー部門にもたらす価値を強調するため、情報社会に関連するポリシーを見直して、様々な活動にジェンダーの視点が確実に含まれることを推進するための活動を行っています。

青年および学界

「ITU」は、ユースプログラムによって、発展途上国の子供たちや若者などの情報通信技術へのアクセスや使用・知識を改善するため、移行途上国の若者をサポートしています。

まとめ

本ページでは、「ITU」とはどのような組織なのか基本的な情報についてまとめました。

本記事は、2021年9月18日時点調査または公開された情報です。
記事内容の実施は、ご自身の責任のもと、安全性・有用性を考慮の上、ご利用ください。

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