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国際連合工業開発機関(UNIDO)の基本情報

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目次

はじめに

国連の関連機関には、開発途上国の経済発展と工業基盤の整備の支援を目的とする「UNIDO(国際連合工業開発機関)」というものがあります。

本ページでは、「UNIDO」とはどのような組織なのか基本的な情報についてまとめました。

「UNIDO」は国際連合工業開発機関のこと

「UNIDO」はUnited Nations Industrial Development Organizationの略で、日本語に訳すと「国際連合工業開発機関」のことです。

「UNIDO」は、国連、つまり国際連合の専門機関の一つで、1986年に「開発途上国の経済発展と工業基盤の整備の支援」を目的として設立されました。

なお、日本は「UNIDO」の原加盟国で、加盟したのは1986年です。

「UNIDO」の組織体制について

「UNIDO」の主要事務所は、アメリカ合衆国のニューヨーク、ジュネーブ事務局、ナイロビ事務局・ウィーン事務局があり、170の加盟国は「総会」に出席し、予算と事業計画を承認します。

総会には、下記の14の補助機関が配置されています。

1)国連貿易開発会議
2)国連開発計画
3)国連環境計画
4)国連人口基金
5)難民高等弁務官事務所
6)国連人間居住計画
7)国連児童基金
8)パレスチナ難民救済事業機関
9)世界食糧計画
10)人権理事会
11)人権高等弁務官事務所
12)エイズ合同計画
13)国連大学
14)平和大学

総会のほか、主要機関は、安全保障理事会・経済社会理事会・信託統治理事会・事務局・国際司法裁判所があります。

事務局には、法務部・政治局・広報局・安全保安局・薬物犯罪事務所・国際防災戦略が配置されています。

なお、53カ国で構成される「工業開発理事会」は、事業計画と予算の策定と実施に関して勧告が行われます。


「UNIDO」の役割

「UNIDO」の主な役割は、2013年の総会で採択された「リマ宣言」により、開発途上国および経済移行国において「包摂的かつ持続可能な産業開発」を推進、加速させることです。

特に、「共有された繁栄をつくりだし、経済的競争力を向上させ、環境を保護すること」の3つのテーマを優先事項とし、政府や民間部門、ビジネス団体やその他の関係者と連携して工業開発という複雑な問題に取り組んでいます。

▼参考URL:国際連合広報センター「国際連合工業開発機関(UNIDO)」(外部サイト)

「UNIDO」の主な活動

「UNIDO」の主な活動は、2013年のUNIDO総会の第15回会合で採択されたリマ宣言に 記載されているように、加盟国の包摂的で持続可能な産業開発(ISID)を推進し、イノベーションを促進することです。

具体的には、主に下記の5つのテーマにおいて活動が行われています。

1)共有された繁栄の創造
2)経済競争力の向上
3)環境の保護
4)知識と制度の強化
5)分野横断サービス

共有された繁栄の創造

「UNIDO」は、農業産業の発展に力を注ぎ、生産活動への女性と若者の参加を増やし、危機後の状況における人間の安全保障を高めるため、農業・産業・市場の連携を強化し、農業生産に付加価値を与えることに重点を置き、農業産業の育成に関する活動を行っています。

また、行政機関の登録サービスへのアクセスの簡素化と改善に特に重点を置き、インフォーマルセクターからフォーマルセクターへの企業の変革を支援する活動を行い、起業家活動への女性の参加について改善するよう努めています。

このほか、危機後および人間の安全保障プログラムやプロジェクトでの経験に基づき、国家・地域レベルで社会経済および環境とエネルギーの安全に貢献する活動を通じて複雑な緊急事態に対応しています。

経済競争力の向上

「UNIDO」では、経済競争力を向上させるため、主に下記の12の活動を行われています。

1)投資と技術の促進、中小企業の発展、貿易能力の構築、起業家精神の育成に向けたプログラムの支援
2)民間部門のビジネスおよび政策環境を改善するための助言および生産能力の創出の支援
3)投資、テクノロジー、その他のパートナーシップの機会を促進することを目的とした堅牢なグローバルネットワークの構築
4)中小企業による企業間およびサポート機関との相乗効果の強化および独自のダイナミズムと柔軟性の活用
5)貿易能力開発プログラムにおける改善技術の導入による地元製品の品質向上の支援
6)生産・加工システムをアップグレードする途上国および移行経済の支援および国際貿易規範・基準の強化
7)公的機関・民間機関における経済的で統計的な分析に基づく貿易政策と戦略を策定能力の構築
8)部門・製品レベルで競争力のあるパフォーマンスを指標とした貿易に対する技術的障壁の在庫などの貿易関連データベース確立の支援
9)受益国の標準・計測・テストおよび適合性評価インフラストラクチャの強化の分野における地域のプログラムや国のプロジェクトを通じた問合せの支援
10)企業の社会的責任基準の採用に重点を置いた、競争力を高めるための自主的な民間基準の重要問題に対処する途上国の支援
11)公共事業のパフォーマンスを向上させる環境を作り出す企業の起業家文化とスキルの開発支援
12)貧困削減のためのボトムアップ成長戦略を使用した中等教育機関および職業訓練機関の実践的な起業家精神カリキュラムの導入の推進

環境の保護

「UNIDO」では、環境の保護において、主に8つの活動が行われています。

1)多国間の環境協定の実施や持続可能なエネルギーの提供
2)水管理の分野における産業部門の能力開発ならびに政府の政策への導入、生態系アプローチの採用と生物資源の持続可能な利用に関するトレーニング
3)エネルギー効率の高い製品およびサービスの市場変革の貢献による産業用エネルギー効率の改善
4)産業の生産性と気候耐性を高めるための持続可能なエネルギーソリューションの促進
5)モントリオール議定書に署名している開発途上国の政府要件の遵守の支援
6)ストックホルム条約の遵守における各国の支援
7)残留性有機汚染汚染から人口と環境資源を保護するための途上国の能力開発の支援
8)水銀に関する水俣条約の下で取り組む国々の支援

知識と制度の強化

「UNIDO」では、統計的作業を通じ、プロジェクト・プログラム・国・国際レベルでの包括的で持続可能な産業開発(ISID)の知識ベースを強化するため、組織の戦略的方向性と技術的・政策的・規範的レベルでの制度的能力について説明し、これらをより優先度の高いレベルに引き上げるための活動を行っています。

分野横断サービス

「UNIDO」は、対象を絞ったナレッジプロダクト・ネットワーキング・パートナーシップの促進や、全レベルでの厳密な結果の監視とレポートを通じて国をサポートするためのさまざまな分野横断的な活動や、ISIDプログラムの計画と運用に必要な産業政策と統計能力を構築する国をサポートする活動を行っています。


まとめ

本ページでは、「UNIDO」とはどのような組織なのか基本的な情報についてまとめました。
どのような組織なのか基本的な情報についてまとめました。

本記事は、2021年9月26日時点調査または公開された情報です。
記事内容の実施は、ご自身の責任のもと、安全性・有用性を考慮の上、ご利用ください。

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この記事を書いた人

公務員総研の編集部です。公務員の方、公務員を目指す方、公務員を応援する方のチカラになれるよう活動してまいります。

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