なぜ二大政党からしか大統領が選出されないのか
実はアメリカには「民主党」と「共和党」の二大政党以外にも、小政党や第3党が存在します。しかし第3党の議員数は非常に少なく、大統領、連邦議会員、知事、州議会議員など、全国レベルでも州や地方レベルでも、民主党と共和党の2大政党が、支配的な地位を占めています。
このようなことが起こる理由は、アメリカの比較多数得票方式と呼ばれる選挙方法が挙げられます。
アメリカでは、最も多くの票を得た候補者(得票数が投票総数の過半数に満たなくても)が当選する小選挙区制が採用されています。そしてこの方式では1選挙区に1政党しか当選しません。そのため大衆支持を持たない第3党の候補者が、政権を握るのは実質不可能な仕組みになっています。実際、1852年以降の大統領は、2大政党からしか選出されていません。
民主党と共和党はどう違うのか?
民主党と共和党の大きな違いは、支持者層と政策に現れています。
一般的に民主党はリベラル(自由主義)で、人種的マイノリティや労働者層、さらには学歴の高いインテリ層などから高い支持を得ているといわれ、弱者救済のための福祉や生活保護など社会保障を充実させていくのは政府の義務だとする「大きな政府」という考え方が基本になっています。
対して保守派の共和党は、白人や富裕層の支持が高く、市場を重視し経済効率を優先させ、政府による経済への介入は極力行わない「小さな政府」を基本理念にしています。また福祉政策や環境問題は二の次で、個人の自発性や企業の擁護を主張する政策を進めてきました。
2009年に大統領に就任した民主党のバラク・オバマ氏は、「オバマケア」と呼ばれる医療保険制度改革を進め、患者保護及び購入可能な医療の提供に関する法律を成立させました。またオバマ大統領は就任中、気候変動、環境問題に対しても積極的な取組をしました。
かたや2017年に共和党推薦で大統領に就任した、ドナルド・ トランプ氏は、オバマケアの廃止を政策の一つに挙げました。外交政策については、アメリカ・ファースト(米国第一主義)を掲げ、アメリカの利益を一番に、諸外国との対立も辞さない態度を海外に示しました。さらに、地球温暖化問題に対しては、地球の周期に過ぎないとして、トランプ大統領の就任中、積極的な温暖化対策は行なわれませんでした。
まとめ
バラク・オバマ氏とドナルド・ トランプ氏の大統領任期中の政策の違いや政治姿勢は、まさに政党の理念が反映されているといえるでしょう。そのため民主党と共和党どちらの党から大統領が選ばれるのかは、アメリカの将来にとって大きな意味を持ちます。
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