意外と犯罪発生率の高いハワイ
ハワイ州がアメリカの他の州と比べると治安が良いのは間違いありません。しかし犯罪発生率が非常に少ない日本と比較すると、ハワイ州の強盗と暴行事件は日本の約10から15倍も発生しています。平和な環境に慣れている日本人が、リゾートに来た開放感から気が緩み、日本にいるのと同じ感覚で警戒を怠るのは危険だと、在ホノルル領事館のホームページでも注意喚起が行われています。
》参考URL:在ホノルル領事館ホームページ
https://www.honolulu.us.emb-japan.go.jp/itpr_ja/anzen_kaigai.html
アメリカ本土とは違うハワイの犯罪傾向
アメリカといえば銃犯罪を思い浮かべる人も多いと思いますが、ハワイでは拳銃による被害よりも、詐欺、ビーチでの窃盗やひったくり、車上荒らし、置き引き、スリなど、観光客を狙った犯罪が多くみられます。
犯罪が増加したのは物価高騰のせい?
旅行中ハワイの物価の高さに驚かれる人も多いと思いますが、ハワイに住んでいる人達にとってはさらに深刻な問題です。ホノルルは、NYのマンハッタンに次いで生活費が高い街として知られています。コロナ前の2019年度の報告によると、ハワイで暮らす2人世帯で年収7万7150ドル(約1000万円)、4人世帯で9万6400ドル(約1253万円)以下は低所得者に当たるそうです。
この高い生活費を賄うために、ほとんどの人が複数の仕事を掛け持ちしています。それでもハワイらしさを満喫して、のんびり暮らせるほど収入のある人はほとんどいません。それどころかコロナ禍以降インフレが急速に進み、ローカルの人々の生活がさらに苦しくなって、いつホームレスに転落してもおかしくない生活をしている人がほとんどです。
そんなところに観光経済が順調になり、再びお金を持った観光客が戻ってきたというのも、観光客を狙った犯罪増加の大きな要因と考えられるかもしれません。
》参考URL:https://www.safewise.com/state-of-safety/hi/
楽しい旅行中に犯罪に巻き込まれるのを防ぐには
ハワイの、特にワイキキでは、カタコトの日本語で注意を引いて、あとは強引に英語で話を進めてくる、日本人観光客を狙ったキャッチや詐欺事件が多く発生していますが、その多くは、ちょっとした注意で防げるものがほとんどです。被害に遭わないためには旅行中、全てにおいて警戒心を持つこと、そして過信しないことが大切です。
ひったくりにご用心、ハワイで無防備にスマホを使用しない
慣れない土地で目的地に辿り着くため、歩きスマホで行き先を調べるのはよくあることです。しかしスマホ使用中は案外周りがよく見えていないので、後ろからひったくりに遭う可能性が上がります。
またそれ以外にも、ホノルルでは2017年から、道路横断中のスマホ・タブレット・ゲーム機・デジカメなどの使用が違法になっています。違反者には$35〜$99(約4700円から13300円)の罰金が課せられ、旅行者もこの罰金の対象になっています。
観光客を守るためホノルルの繁華街やワイキキビーチ周辺では、以前より多くの警察官が巡回しています。それらの警察官に歩きスマホで捕まらないよう、どうしても道を調べたい時は、通行人から少し離れた所で止まって調べるか、目的地に向かう前に建物の中である程度調べてから、出かけることをお勧めします。
ホームレスを見かけたらさりげなく離れるようにする
最近ハワイを訪れた人たちが口々にいう事に、ホームレスの数の多さがあります。もともと島に住んでいる人がホームレスになってしまった以外にも、シカゴやシアトルなど、厳しい冬のある地域のホームレス達が、年中温暖な気候に惹かれて移り住んで来たためでもあります。ニューヨーク州の隣、フィラデルフィアのホームレスの様子をみれば、どうにかしてハワイに住みたくなる気持ちもわかります。https://www.youtube.com/watch?v=C4gD7GAdM-U
日本人観光客が滞在中によく訪れる、ワイキキエリアやアラモアナセンターの周辺でも、ホームレスをたくさん見かけるようになり、犯罪にいたらないまでも身の危険を心配しなくてはいけない機会が増えたと聞きます。
ハワイのホームレスは、ワイキキビーチの無料シャワーで衣類や体を洗い、小綺麗なTシャツや短パン姿で観光客に溶け込んでいるので、ホームレスがいても日本人は気付かないことも多いです。しかしいくらで清潔にしていても、ホームレスは薬物やアルコール依存、精神疾患の症状を抱える人が多く、突然奇声をあげたり、凶暴になったりする人もいるので、明らかに様子のおかしい人を見かけた場合は、目を合わせず気付かないふりをして、さりげなく離れるのが賢明です。
YouTubeで2分弱のハワイのホームレス問題を取り上げているニュースを発見しました。ハワイ州政府のホームレス対策の一環として、本土からやってきたホームレスで、故郷に帰りたい人には旅費を補助するという内容ですが、ハワイ在住ホームレスの人達に直接インタビューをしているので、この動画をみると、現地のホームレスがどのように過ごしているのかわかります。
不慣れな場所を徒歩で単独行動するのをなるべく控える
昼間はとても穏やかで危険が全くないように見える場所でも、ちょっと路地に入っただけで雰囲気がガラッと変わり、実は治安が良くないエリアだと気付かされることもあります。例えばウォールアートやグルメ、ファッションで近年注目が集まっているカカアコ・ワードエリアは、もともと自動車整備工場や倉庫が立ち並ぶエリアでした。
開発が進んだ今でも細い路地に入ると、人通りがグッと少なくなりワイキキとは別世界、危険な雰囲気が漂っている場所もたくさんあります。危険回避のためにも、初めての場所は、単独で行かない方が良いと思います。
犯罪に巻き込まれやすいNG行動
日本では普通でも、実は海外ではとても危険な行動の場合もあります。
トートバッグは狙われやすい
ファスナーや蓋のないトートバッグや、中身が見えるPVC素材のクリアバッグにお財布やスマホを入れて持って歩くのは、スリやひったくりの格好の標的になりとても危険です。近頃はワイキキ周辺でも時間を問わずひったくり事件が発生していて、狙われるのは圧倒的に女性です。犯行の手口は荒く、後ろから押し倒されたり荷物ごと引きずられ転ばされたりして、荷物を取られるだけではなく怪我を負わされる場合も少なくありません。
荷物から目を離さない
屋外の食事は気持ちが良いですが、椅子の後ろに荷物を置くと財布を抜かれ易いです。テーブルの上にスマホを置くのも厳禁、置き引きにあいやすくなります。日本では席の確保で荷物を置いたまま、食べ物や飲み物を取りに行っても大丈夫でしょうが、ハワイでは盗まれます。荷物からは目を離さない、手を離さないようくれぐれも注意しましょう。
高そうな服は狙われる
せっかくの旅行でおしゃれをしたい気持ちはわかりますが、高価な装飾品やブランドバッグを持って歩いていると、ひったくりや窃盗、詐欺などのターゲットになりやすいです。外出にはTシャツに短パンなど、周りに馴染む服装を選ぶのがおすすめです。
往来で財布を開けて大きな声で話す
食事や買い物の後、みんなで割り勘にする場合、屋外で財布を開けて、日本語で大きな声で話すのもNGです。観光客であることが一目瞭然で、財布の中身の現金が見られています。
安全を過信しない
こんな昼間から襲われるはずがない、周りに人がたくさんいるからここは安全、ここは高級ホテルだから大丈夫など、何の根拠もない思い込みは危険です。外出中、犯罪に巻き込まれないよう注意するのはもちろんですが、ホテルのロックされているはずの部屋でも侵入窃被害が発生しています。外出時、貴重品は必ず金庫にしまってから出かけるのはもちろんのこと、在室中はチェーンロックをしておいた方が安全です。そこまでしなくても大丈夫と思われるかもしれませんが、昼間ホテルの部屋で休憩中に、身体的被害に遭うケースもあります。
ハワイはアメリカ、銃大国であることを忘れずに
ハワイ州はアメリカの中でも銃規制が厳しい州なので、銃を持った人に出くわすことはほとんどないと考えても大丈夫だと思います。しかしハワイもアメリカ、銃を持っている人が隣にいても全然おかしくありません。スーパーで買い物した後、お釣りを外で数えながら車に向かう途中で拳銃を突きつけられた人もいます。どんなに少額でも外国でお金を見せる行為は危険です。
まとめ
いくら平和そうに見えても、ハワイもアメリカ、日本とはいろいろと事情が異なる点を理解して、楽しい旅行をして欲しいです。
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